SLOWDIVE Live at 心斎橋BIG CAT
2017年12月11日(月)、90年代オリジナルシューゲイザーバンドのひとつ、スロウダイヴ(SLOWDIVE)の大阪公演に行ってきた。
(90年代当時の写真)
場所は、心斎橋アメリカ村にあるBig Step内の“Big Cat”だ。もう何年も前にZIGGYのライブに行って以来だと思うから、随分久しぶりだったな。
開場時間ギリギリに間に合って、早速グッズ売り場で最新アルバム4th“SLOWDIVE”のジャケットTシャツを購入。他にもTシャツが2枚あって全部欲しかったが、予算の都合もあり断念。
場内に入って最前列をゲット!
しかも、バンドの紅一点であるレイチェル・ゴスウェルの目の前の位置だ。
周りのファン層を見ると……居るわ居るわ、日本全国のみならず世界中から集いしスロウダイヴァー達が!!(自分は勝手にこう呼んでます 笑)。
30~40代らしき人達が中心だったけど、20代もいたり50代もいたりとけっこう幅広い世代の人達が来てると思った。若い世代のファンはマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン繋がりか2,000年以降に登場したエレクロニカ勢を通して知ったのかな、なんて1人で考えていた。
定刻を少し過ぎた19時15分にメンバーが現れてライブがスタート。
レイチェル・ゴスウェル。
ステージ反対側にはバンドの中心人物ニール・ハルステッド。
オープニングナンバーは新譜からの1曲目と同じく“slomo”から始まり、2曲目にはバンド名と同じ初期の楽曲“Slowdive”へと突入。
べつに大袈裟に書く気は全く無いけれど、この曲を生で聴いてる時にかなり涙腺が緩んでウルッときてしまった。なんだかんだ言って、自分にとって特別なバンドだし、まさか単独で大阪まで来てくれるとは思ってなかったのもあり、しかもフルセットで体験できるというのも考えていなかったからかもしれない。
ライブは新旧の楽曲を上手く取り入れて進んでいき、バックスクリーンもバンドをイメージさせる“渦を巻く様な映像”が効果的で、こういうタイプのバンドのライブの中でもかなりトリップさせられた。
それにしても、ボーカルを担当しているニールとレイチェルを観ていて、よくこんなほとんど輪郭の無い音楽に合わせて歌えるな~と感心してしまう。プロだからと言ってしまえばそうなのかもしれないけれど、何気に技量のある人達だと思う。
このバンドが再結成した時に気になっていたのが“ドラマーが誰か?”という事で、僕はドラムの細かな技術はよく分からないけど、感覚的に“このドラムは凄い”と感じるプレイヤーがいて、そのうちの1人がこのスロウダイヴのデビュー~1st期のメンバーだったサイモン・スコットだった。実際に初期の音源を聴いてると、ドラムの展開力のおかげで曲のイメージが広がっていると思える楽曲が沢山あるからだ。
ベーシストのニック・チャップリンともう1人のギタリストであるレフティーのクリスチャン・セイヴィルも良かった。このバンドってどうしても楽曲のほとんどを作ったニールと、ツインボーカルを担当しているレイチェルの2人だけしか注目が集まらないが、他の3人が居るおかげでバンドとして成立しているんだと僕は思っている。
自分はレイチェルの目の前に陣取っていたので何度も彼女と目が合ったんだけど、目が合う度にニコッと微笑んでくれてけっこう照れくさかった(笑)。
昔の写真やYouTubeに残された数少ない90年代当時の映像を見ていて『綺麗な人だったんだな』と思ってはいたけれど、寄る年波には勝てず、現在46歳の彼女はふっくらした体型になっていて、正直、『今日だけ90年頃のレイチェルに戻ってくれ!』とステージを観ながら思ってしまった(苦笑)。
(90年代当時のレイチェル・ゴスウェル)
だけど、ライブで履いているブーツや身に付けているアクセサリーを見ていても、今でもお洒落な人なんだろうなと感じたな。
あと、余談ですが、彼女の両腕間接の内側部分にタトゥーが彫られていたのも意外で、右腕には小鳥と葉っぱ、左腕には昆虫(てんとう虫?)の様な柄が描かれているのが印象的だった。
それと、数曲でレイチェルがグレッチのギターを弾いていて気付いたんだけど、ヴィヴラートする時に上下に揺らさず左右にしていたので、これってクラシックギターの奏法と知ってたから、気になって帰宅後にWikipediaで確認したら、やっぱりクラシックギターを習っていたと書かれていた。
アンコール前にシド・バレット(ピンク・フロイドの初代リーダー)のソロ曲“Golden Hair”をやっていて、オリジナルもずっと昔に聴いてるはずなのに全く覚えてなく、寧ろスロウダイヴのオリジナル曲の様に思っている。
ライブはアンコールを含めて約90分で終了。
自分はスロウダイヴをはじめ、ライドやマイブラなどのシューゲイザーバンドは完全に後追いで、知った時には“シューゲイザー”という言葉自体が死滅していた様な状況だったけれど、それでもこのジャンルの音楽を聴いた時に『これって、新しい音楽なんじゃないのか?!』と思ってしまったぐらいの衝撃を受けてしまい、これまでにいろんな音楽を聴いてきたけど、僕の中ではシューゲイザーは頭ひとつ抜きん出た存在になっている。
再結成に批判的な人達も多いし、当時の勢いなんて再現できるワケでも無いのは承知だけど、僕はバンドの再結成に関しては大賛成だ。
スロウダイヴをはじめ、90年前後にいたシューゲイザーバンドは当時、正当な評価を得られなかっただろうし、クチコミやネットを通して長い年月を掛けてその音楽性を評価された人達って、ライブを観たくても観られないバンドばかりだったから、どんな形であれ、僕は嬉しい。それに、仲間割れしたとしても、仲直りしてまた一緒にやれるのは生きてるうちじゃないと無理だし、彼らにはお金を稼ぐだけの権利があると思っているからだ。実際、それだけの事を彼らはやっている。
また来日したら絶対に行こうと思う。
(当日のセットリスト)
Morningrise
https://youtu.be/Jr1xv1c_kqo
Catch The Breeze(LIVE1991)
https://youtu.be/b-ypXdiyG54
She Calls
https://youtu.be/GVPqzYztddM
次は、2月のライド。
これも今年出た新譜が最高だったので、楽しみだ。