シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

【過去のLIVE日記】MARK GARDENER(RIDE)(2003年秋)

2003年の秋、某音楽誌の“ライブスケジュール一覧”ページを見ていた時、ひとつのライブ予定に目が止まった。



“マーク・ガードナー(ex.RIDE)”(3,000円)



『……えっ?これってライドのマーク・ガードナーのこと?!』と 信じられない思いでいっぱいだった。



96年に彼はライドを脱退した後にアニマルハウスというバンドで2000年にデビューしたものの直ぐに解散してしまい、その後は消息不明の状態だったしCDなどの音源を発表してるという情報も無かったので、何で来日するのかも分からなかったし、外タレなのに3,000円という破格のチケ代を見て『本当にあのマーク・ガードナーなのか?!』と疑ってしまった。



半信半疑だったけど、とりあえずチケットを購入し、ライブハウス“難波ロケッツ”へ向かった。

これがチケットの半券も今なぜか手元に無く、何月何日の出来事だったのかも思い出せない。だけど、ライヴの記憶は今でもかなり鮮明に残っている。




難波ロケッツは狭いハコで、200人ぐらいお客さんがギュウギュウに入っていた。

ステージを観るとドラムセットもアンプも置いてなかったのでアコースティックギターの弾き語りだと分かったけど、『ライドみたいにエレキギターを歪ませまくってデカイ音を鳴らしていたバンドサウンドをアコギ1本で再現できるのか?』、『ひょっとしたら、バックに何人かサポートメンバーが居るのかも』、『……というか、あんな風に雰囲気で聴かせる音楽をアコースティックギターの弾き語りでやれるの?!』、『そもそも、本当にライドのマーク・ガードナーなのか?!』なんていろんなことを考えながら待っていて、最前列に陣取っていた可愛らしい女の子が一緒に来てた人と「“Dreams Burn Down”が~……」なんて話が聞こえてきたので、『やっぱりライドのマークなんや!』とそこでハッキリ分かったぐらいだった。




前座が二組登場し、1人目はハウスミュージックをやっていて、その頃はハウスの良さが分からなかったので退屈してしまった(苦笑)。


二組目は大阪でバンド活動をしているという3人組がアコギ3本を持って登場し、いきなりアニマルハウスの曲“Ready To Recive”を演奏したんだけど、これがまた良かったので、『本家、大丈夫かよ?!』と心配になった程だった。




そして、メインのマーク・ガードナーが12弦のアコースティックギター1本のみの1人だけで登場し、マイクの前に立ち、スポットライトに照らされて 彼が歌い出した。

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いきなり発表もしていないソロ用の曲をやり始め、その歌の上手さに会場に居た全員が聴き入ったのを覚えている。ライド時代と変わらない甘く透き通る美声のはずなのに、彼の声からは物凄く“ソウル”が感じられた。

ソウルミュージックというジャンルとは違えど、彼の甘い声の奥底からはハッキリとしたソウルが感じられて、『こんなメロディーに乗った曲や声でも これだけ魂を込めることができるのか……!!』なんて思いながらマークの歌を聴いていた。


新曲を数曲やってからライドの楽曲を演奏し始めて、これもライヴ前の不安が一発で吹き飛んでしまったほど素晴らしく、アコースティックギター1本で完全に“ライドの世界”を再現させていた。


それと、更に驚いたのが ギターの弦がとにかくよく切れまくる!!2~3曲も演奏したらもう弦交換しなければならず、マネージャーがもう1本のギターを持ってきては演奏して、またブチブチ切れるという繰り返しだった。ギターの弦が1本でも切れたら全体のチューニングも狂うはずなのに、歌はずっと安定している。あまりに弦が切れすぎて残り2本だけになった時もあったけど、それでもゴキゲンで全く慌てる素振りも無くニコニコしながら演奏していたのも強烈だった。



ライドの代表曲や名曲と思われるものはほとんど全部やってくれて、特に僕が一番好きな“In A Different Place”も演奏してくれたのも嬉しかったな。


難波ロケッツは線路下にあるライブハウスだったので“Like A Daydream”の演奏中、キメのポーズをした時に“ゴトンッ!!ゴトンッ!!”と電車の音が響いてきて、お茶目な表情で天井を見上げていたマークを観て会場全体が笑いに包まれたり(笑)。


そして、アンコールのラストに“Drive Blind”をやってたと記憶していて、これもアコギ1本なのに“あの渦巻く世界観”を完全再現していたのも恐れ入ってしまい、1人の弾き語りミュージシャンとしても最高だということがこのライヴを観てよく分かった。




この当時、僕自身はシューゲイザーという音楽から離れていて、それはあまりにも芸術性を感じて白昼夢的なサウンドだったため、日中に何をしていてもライドやスロウダイヴ、マイブラなどが頭の中でずっと鳴り響いていたため、他のことに集中出来なくなったのが理由だ。僕はドラッグなんてやったこと無いけど、ジャンキーの気持ちが少しだけ分かった様な気がする(笑)。



この日のライヴはもちろん最高だった。だけど、シューゲイザーという音楽をちゃんと聴き返す様になったのは それから何年も先の話で、この頃はブルースやハードロックを中心に聴いてたなぁ……。




In A Different Place
https://youtu.be/koSUwG_0id8


Drive Blind
https://youtu.be/W2Snvpo5rJ4


Like A Daydream
https://youtu.be/8zzo25t_eC8


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