LUSH(ラッシュ)
今回はドリームポップ/シューゲイザーバンドのラッシュ(Lush)と僕の個人的な思い出を書き連ねていきます。
ラッシュについて書く前に、いつも僕がブログ内で“シューゲイザー”という言葉を使っているのを見て『シューゲイザーって何?!』と思われる方もいるだろうから、簡単に説明しときます。
シューゲイザーは1990年前後にイギリスで誕生した音楽ジャンルのひとつで、ギターの音色を変えるエフェクターを無数に足元に置いてるため 演奏者はずっと俯いてるようにしているので“靴(シュー)を見つめる(ゲイズ)人”という意味で“シューゲイザー”という造語が生まれたとのこと。
それと、このジャンルに共通しているのが“耳をつんざく轟音”と“甘美なメロディー”という一見アンバランスに思えるけど、聴いてると超気持ち良くて別の世界へトリップできる魅力をもった音楽性だったりする。
代表的なバンドはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインで、彼らに続くのがライド、スロウダイヴ、チャプターハウス、ペイル・セインツ、それにラッシュだったりする。他にもいろんなバンドがいてるけど、また別の機会に書こうと思います。
90年代初頭に“シューゲイザーブーム”というのがほんの一時期だけあったらしいけど、色々あってブームは短命に終わったとのこと。だけど、それから一部の熱狂的なファン達によってクチコミやネットを通し長い年月を経て、今ではすっかり“音楽ジャンルのひとつ”として成り立っている。
僕が80年代以降のロックを聴き始めたのもだいぶ後になってからで、リアルタイムで90年代のオリジナルシューゲイザーを聴いてたわけではない。……にも関わらず、初めて聴いた時は『これって新しい音楽なんじゃないの?!』と感じたのを今でも鮮明に覚えている。実際、そう感じた人って他にもいてたんだろう。そんな熱狂的なファン達が『こんなに凄い音楽が知られてないなんて有り得ない!!』となるのは当然のことだと思った。
僕はマイブラやライドからシューゲイザーにのめり込んで、そのまま他のバンドのCDも手当たり次第に探して聴きまくっていった。
その中のひとつにラッシュがあったんだけど、当時は『ああ、これも良いな~』ぐらいにしか思わなかった。
しかし、このシューゲイザーという音楽は厄介な側面もあって、幽玄で夢見心地なサウンドをずっと聴き続けていると普段から何をやっていても頭から離れなくなり、日常生活に支障を来すようになってしまったのだ!(←あくまで個人的な感想なので悪しからず)
『これはヤバイ……!!』と本気で思った僕は“シューゲイザー”を封印し、ラッシュをはじめとするほとんどのアルバムを売り払ってしまった。
そんな経緯があるにも関わらず、なぜ今またシューゲイザーを聴くようになったか?
再び聴くキッカケになったのは、“YouTubeの存在”だった。
数年前、僕はどうしようもなく辛い日々を過ごしていて、その頃の自分にできるのは“音楽を聴くこと”だけだった。
音楽を聴いてる間だけは痛みや苦しみから解放されるので、どんどん音楽に依存していった。
そんな時、YouTubeで偶然見つけた映像を観ていて、『なんか聴いたことある音楽だなぁ……』と思っていたら、それがラッシュだった。
『ああ!ラッシュか!!こういう人達だったんだなぁ……』なんて思いながら初めて彼女達の演奏している姿を観たんだけど、代表曲の“Sweetness And Light”を聴いた瞬間に目が釘付けになってしまい、そこから彼女達の他の楽曲も片っ端から聴いていった。
そして、不思議なことに、ラッシュの曲をいくつか聴いてるうちに自然と涙が溢れてきてしまったのだ。
ホント、心が浄化されるような感じ。
間違いなくラッシュも僕を救ってくれた。
そこから自分の中で封印していた“シューゲイザー”を再び聴くようになり、ラッシュや他のバンドのアルバムを買い直しただけでなく、21世紀以降にデビューした 彼らから影響を受けたバンドも沢山知るようになった。
90年代初頭に誕生したラッシュをはじめとするこのジャンルの音楽を僕は“冷凍保存された音”だと思っている。
今聴いても新鮮だし、古さとは全く無縁の音楽に聴こえてくる。
Sweetness And Light(LIVE)
https://youtu.be/wQ6-rDez2Xo
Lit Up(LIVE)
https://youtu.be/U2qbMP4YSu0
Superblast!
https://youtu.be/_uU5DU7P83E
……と、いつもなら“3曲まで”と決めてるんですが、今回だけもう1曲。
僕の大切な人が好きになってくれた曲です。
500(Shake Baby Shake)
https://youtu.be/ODdZ4QhnXJI