シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

森脇美貴夫『イギリスのパンク/ニューウェイヴ史』

二日前になるのかな?

前回のブログの最後に「今夜中にまたブログを更新するかも……」なんて書いておきながら、既に数日が過ぎてしまった。

『更新されるかな?』と待って下さっていた皆さん、本当に申し訳なかったです!(汗)





……というワケで、今回ご紹介するのは森脇美貴夫さんが書いた『イギリスのパンク/ニューウェイヴ史』という本についてです。


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先日、ジョン・ライドン率いるパブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)のチケットを購入してからずっとこの本について書きたかった。

というのは、僕が P.i.L. を知ったのも高校の図書室に置いてあったこの本がキッカケだったので、ライヴに行くと決めた時にふとこの本のことを思い出し、久々に読みたくなってAmazonで買ったんですよ。

届いた品は中古本で発行年を見ると1991年なのに、全く色褪せや汚れも無く新品同様で感激しちゃいました。


僕は16歳になったばかりの頃から海外ロックに夢中になったんだけど、1970年代後半に誕生した“パンクロック”は勿論リアルタイムでは無く完全に後追いで聴いてます。




とりあえず、先に“パンクロック”についての簡単な説明から。


1970年代って高度な演奏技術を擁したハードロックやクラシックの影響を受けたプログレッシブロックが全盛を極めていてロックミュージックそのものが巨大化してしまい、何万人も収容するスタジアムでライヴをやるようになってた時代だったとのこと。

だけど、「元々、ロックって3つのコードでやれるようなシンプルなモノだったし、もっと近い存在だったろ!!」と反旗を翻(ひるがえ)した人達がいて、それが“パンク”という音楽の誕生に繋がった。

パンクは“ロックの原点に戻る”という他にも、破れたシャツや今では当たり前になっているダメージジーンズ、それに耳たぶや鼻に安全ピンを付けたり、モヒカンなどの奇抜なヘアースタイルなど、その後のファッションにも多大な影響を与えている。

そして、このパンクという音楽で一番重要なのが“アティテュード(姿勢)”で、権力者などの“強い者に立ち向かう姿勢”だと僕は感じている。

僕自身、パンクロックという音楽は勿論 大好きなんだけど、やっぱりその“姿勢”がカッコイイと思っているし、自分の人生観にも物凄く影響を受けた。





そんなパンクロックという音楽のカッコ良さを僕に教えてくれたのが この森脇美貴夫さんの著書で、久々に読み返してみると、『僕はこの人の文章からものすごい影響を受けていたんだなぁ……』と感じてしまった。


もうだいぶ前に読んだ本だったので、今回、再び手にするまでどんな内容だったのか細かなところまで覚えてなかったけれど、この人が書いた文章って楽器の技術的なことはほとんど……というか全く書いてないんよね。


時代の“空気感”だったり、アメリカやイギリスなどその土地の“匂い”だったり、誕生したばかりのパンクバンド達の“生々しい熱気”だったり、とにかく文章を読んでるだけでその時代や国へタイムスリップさせてくれるような“不思議な力”があった。


何より「俺もこの本を読んでくれているキミと同じで、音楽を愛する“いちファン”の1人なんだぜ」と言ってくれているような、着飾った、気取った文章じゃないのが本当に好きだった。


音楽レビューとか読んでいても、たまに評論家気取りの人がいたりして、『これ、本心で書いてないな』というのが文章を読んで分かる時があるんよね。

仕事だからか他人に誉められたいためか分からないけど、“嘘の文章”を書いてる人が正直言って僕は苦手だし、全部じゃないけど、たまに読んでいてそういうのをやってるヤツって分かるんだよ。

そんなのは読む価値なんて無いと僕は思っているし、自分自身が音楽に救われたので「好きな音楽に対して失礼だから、絶対に嘘は書かない!」と心に決めている。

そういうのも含めて森脇さんが書かれたこの本から高校生だった僕は学んでいたんだ、と今になって思う。



この本にはP.i.L.の他にも沢山のバンドを教えてもらった。

セックス・ピストルズのベーシストで「あいつはビートルズが好きだった」という理由でバンドを脱退させられたグレン・マトロックが結成したリッチ・キッズやX・レイ・スペックス、スージー&ザ・バンシーズ、ジャパン、それに この本が出た当時にはまだ日本盤が出てなかったワイヤーなど、本当に沢山のバンド達を森脇さん独自の視点から語られていて、リアルタイムで聴けなかった僕にも“疑似体験”させてくれた。



僕自身、今こうやってインターネットを通して音楽記事を書かせて頂いて、毎日いろんな人達が読んでくれていると思うとやっぱり嬉しいし励みになっている。自分が好きで書いてるんだけど、読んでくれている人は“貴重な人生の時間を使って僕の記事を読んでくれている”と思うと、やっぱり“それ以上のものを書かなきゃ!!”といつも感じながら魂込めて書いてます。


ホント、たった1曲がその後の人生を変えてくれたりもするし、たったひとつの文章がその橋渡しになるのも僕は知ってるからね。


そんなことも含めて森脇美貴夫さんが僕に教えてくれたんだと思っている。




THE DAMNED / New Rose
https://youtu.be/TUxFQ5QBiYk


SIOUXSIE & THE BANSHEES / Christine
https://youtu.be/Rtt_0OKzRek


RICH KIDS / Rich Kids
https://youtu.be/PIfFUDt4Grw