KEANE / You Don't See Me
今回は隠れた名曲をご紹介。
英国のバンド、キーン(KEANE)の3rdアルバム“PERFECT SYMMETRY(パーフェクト・シンメトリー)”に収録されている“You Don't See Me(ユー・ドント・シー・ミー)”という曲だ。
キーンは2004年にデビューして、“Everybody's Changing”という曲がヒットし、ここ日本でもMTVやラジオでガンガンかかっていたのを覚えている。
1stは購入したけどそこまでこのバンドにのめり込むことは無かったので、数年後に発売された2ndは今も未聴だったりする。
そんな僕がアルバム1枚飛ばしてこの3rdを購入したのは、単にその頃住んでいた近所のCD屋で発売したてのこのアルバムが1,000円という特価で売られていたためだ。
ケチくさい話だけど、もしこれが1,500円とかだったら購入を見送ってたと思う。
そして、何となく購入した『パーフェクト・シンメトリー』は通勤中に車の中で聴くのにちょうど良いかなぐらいの軽い気持ちで買ったんだけど、これが僕にとっては大切な1枚となった。
再生すると80年代風の軽いポップソングで幕を開けるこのアルバムは一聴しただけだとあまり印象に残らないけど、何度かリピートするうちに個々の楽曲(とりわけ4曲目以降)にかなり粒揃いの名曲が散りばめられていることに気が付いて、BGMとして良い感じだな~、なんて思いながらずっと聴いていた。
それが、夜0時を過ぎ、会社を出てひとり車を走らせていた時に6曲目の『ユー・ドント・シー・ミー』が流れ出した瞬間、完全に心を奪われてしまったのだ。
当時の僕は会社の人達とどうしてもソリが合わなくて、無理して笑顔を作って自分を誤魔化していた。
1日で自分だけの時間というのは移動中の車の中だけで、そんな時に聴いたこの曲は“疲れきった魂が浄化されているような気持ち”になった。
それからはしばらくの間ずっとこのアルバムを聴き続け、特に『ユー・ドント・シー・ミー』は何度も何度もリピートした。
キーンはキーボードを全面に出した楽曲がウリのバンドで、もちろんこの曲も鍵盤楽器の魅力を余す所無く伝えてくれている、まさに“隠れた名曲”だ。
なぜ隠れた名曲かというと、キーンのベストアルバムが発売されていたのを以前知ったんだけど、そこには『ユー・ドント・シー・ミー』が収録されていなかったからだ。
アルバムを聴くと良い曲がホントたくさんあるバンドなのは分かるけど、僕には『ユー・ドント・シー・ミー』が入ってないのが理解できなかった。
この曲を聴くと、今でも当時の自分を思い出して、夜道を車で走っていたのを懐かしく感じる時がある。
You Don't See Me
https://youtu.be/8sC_g-fWEpQ