シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

FACES & ROD STEWART(フェイセズ&ロッド・スチュワート)

今回は70年代前半に活躍したイギリスのバンド、フェイセズ(FACES)とそのボーカルだったロッド・スチュワート(ROD STEWART)をご紹介。


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先ずは、フェイセズ結成のいきさつから。



60年代に“スモール・フェイセズ”というグループが存在してたんだけど、そのバンドのボーカルであるスティーヴ・マリオットがハンブル・パイというバンドを結成するため脱退し、残されたメンバーの3人は腐ること無くその後も真面目にコツコツと安スタジオで曲作りなど練習を続けていたとのこと。



この頃のイギリスにもうひとつ“ジェフ・ベック・グループ”というバンドが存在していて、その名の通りジェフ・ベックというギタリストが中心となって結成されたグループだ。

そこに当時無名だったボーカルのロッド・スチュワートが抜擢され、ベースには現在ローリング・ストーンズのギタリストとして活躍しているロン・ウッドが参加。

このバンドはアメリカでも物凄く話題になったとのことだが、ギャラの取り分をジェフ・ベックがほとんど持っていくなどして、耐えかねたロッドとロンはアルバム2枚を残して脱退し、ロッド・スチュワートはマーキュリー・レコードとソロ契約する。

ロン・ウッドはというと、音楽仲間のスモール・フェイセズのメンバー3人がいるスタジオへ遊びに行ったのを機に、ギターを持って一緒に練習するようになっていった。

そして、ロッド・スチュワートは親友のロン・ウッドが練習を終えるまでずっとスタジオの外の階段でいつも待っていて、あまりに何度もロッドが来ているもんだから、スモール・フェイセズのメンバーも“ロン・ウッドの友達”ということでロッドをスタジオの中へ入れ、そこから“フェイセズ”というバンドがスタートした。


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フェイセズはワーナー・ブラザーズというロッドのソロとは別のレーベルと契約したんだけど、ロッド・スチュワートと彼が在籍するフェイセズは同時期にデビューして、ライヴではフェイセズ名義でやっていた。


だけど、ロッド・スチュワートのソロはヒットが連発して世界的に有名になっていったのに対して、フェイセズ自体はあまり売れなかった。


次第にライヴの告知も“ロッド・スチュワート&フェイセズ”となっていき、フェイセズは“ロッドのバックバンド扱い”になり、それでメンバーの関係もギクシャクしていきベーシストでバンドリーダーだったロニー・レインが脱退することになる。
(ちなみに後釜で入ったベーシストは山内テツという日本人です。これってホント凄い!!)



ロッド・スチュワートのソロとフェイセズが同時期に活動して、ライヴもフェイセズのメンバーでやっていたということもあり、ロッドのソロ作品も参加メンバーがフェイセズそのままだったりすることもあった。

ライヴで演奏する曲もフェイセズとロッドのソロ作品から選曲していて、つまりこの頃(1969~1974年頃まで)のロッド・スチュワートのソロ作品は“フェイセズの作品”と言ってもいい。





ここで、バンドの仰天エピソードを少しご紹介。




1974年2月にフェイセズは来日していて、その際、マネージャーがメンバーに「はい、お小遣い」と言って200万円ずつ手渡したとのことだ!



当時のレートで200万円。



しかも、全員で合わせて200万円じゃなくて、1人200万円!!



合計1,000万円ものお小遣いを渡したとのことだ。


(これ、当時担当したレコード会社の方が実際に目の前で目撃した光景なので、間違いないです 笑)



メンバーはそのお金を惜しまずに気前よくガンガン使いまくってたそうで、「アレとコレとソレください」と言って着物やら何やら買いまくるもんだから、店員さんも「はいーっ、お客さま!!」と舞い上がってたそうです(笑)。






他にも、ライヴ前に楽屋でメンバー同士がケンカになり、その理由というのが、



「お前の田舎より、俺の田舎の方が優れてる!!」



……という全く意味不明の内容で口論となり、本気で殴りあっていたとのこと(爆)。





そんなフェイセズの音楽はというと、ラフでルーズなロックンロールをやっている一方で、伝統的なアイリッシュ音楽から影響を受けた哀愁ある楽曲もたくさんあり、これがまた良い枯れ具合で心に染みてくるんよね。


当時はハードロック全盛期で超絶技巧のミュージシャンが注目されていたため、フェイセズがやってるのは“昔を懐かしむような音楽”だったので、注目を浴びなかったのかもしれない。


だけど、この頃のフェイセズやロッド・スチュワートから影響を受けたバンドやミュージシャンが後に出てきて、パンクロックや90年代の音楽にも受け継がれている。



ラフでルーズ、だけど、昔を懐かしむ哀愁ある音楽。


フェイセズを聴くと僕は楽しい気分になるし、切なくなってくる。


間違いなく最高のバンドだ。




Sweet Lady Mary(LIVE)
https://youtu.be/BylhJ3qeSlE


Cindy Incidentally
https://youtu.be/QzcYaSAVXp4


Handbags and Gladrags
https://youtu.be/wAGS8UL9b6A


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