Liquid Sound Company(リキッド・サウンド・カンパニー)
1960年代中期に誕生したサイケデリックミュージック。
LSDなどのドラッグを使用した際に見られる幻覚や幻聴からインスピレーションを得て生まれたその音楽ジャンルは、後に出てくる全ての音楽に多大な影響を与えただけでなく、ファッションやアートにも今や“サイケデリック”というのは当たり前になっている。
僕が本格的に海外のロックを聴き始めたのは60年代のローリング・ストーンズをはじめとするバンド勢で、色々と掘り下げていくうちにグレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインといったサイケデリックロックバンドに辿り着いたのは必然だった。
催眠術的とでも言えばいいのか、その音楽性はありきたりのロックンロールとは一味も二味も違っていて、アツく熱狂させてはくれるが、異種異様な世界観に溢れていた。
何年か前、ふと『究極の音楽って存在するのか?』と疑問に思い、所有していた歴史的名盤と呼ばれるアルバムを筆頭にYouTubeなどで片っ端からいろんな音楽を聴いていた時期がある。
そこで感じたのは、自分にはサイケデリックミュージックというジャンルは究極の音楽のひとつだ、ということ。
前述のグレイトフル・デッドをはじめ、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、バーズ、ジミ・ヘンドリックスなど、どのバンドもこぞってサイケデリックサウンドを取り入れ、それは現代にも受け継がれている。
そんな中で見つけたのが、リキッド・サウンド・カンパニー(LIQUID SOUND COMPANY)というバンドだ。
このアルバム“Inside The Acid Temple”の音源を聴いてみると、思い描いていた“サイケデリック”という世界そのものだった。
60年代のバンド勢と同じくブルースが土台となっているが、グレイトフル・デッドの世界観を更に先に進め、“ドラッグ無しでトリップできる音楽”だと思っている。
リキッド・サウンド・カンパニーのことを調べてみると、彼らは90年代から活動していて何度もメンバーチェンジを繰り返してはいるが、バンドとして今もずっと続けているようだ。
発表したアルバムも3枚のみで、あとは数枚のEPだけ。しかも、そのどれもが高騰して手に入らなくなっているか、完全に廃盤になっているかという状態だ。
生産した枚数も極端に少なく再発しない。そして、僕みたいな連中がこういう音に魅了されるので、余計に手に入れられなくなってしまう。
そうやって諦めていたら、彼らの現時点での最新アルバム“Acid Music For Acid People”が再発していたので、今日やっと手に入れることができた。
アルバムのアートワークも含めてのサイケデリックワールドだと思っているし、僕は古いタイプの人間だからね、こういうジャケットは手元に置いときたくなってしまう。
他のアルバムも再発してくれないかなぁ……。
Acid Music For Acid People
https://youtu.be/L-R_9giSvYE
Inside The Acid Temple (Full Album)
https://youtu.be/b3YS7PzHHH0