シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

映画『セッション』

前回からの続きで、今回は映画『セッション』の話。

ドラマーである友人Eさんと一緒に観てからのレビュー。
(注:ネタバレ含む)








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マイルズ・テラー演じる主人公ニーマンと、J.K.シモンズ演じる音楽教師フレッチャー。


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フレッチャーは自分の理想とする“音”を追求するため……というか、それ以外は『NO‼』を突き付ける完璧主義で、頭に思い描いている演奏とちょっとでも違っていればクソ扱いするような超スパルタ教師。



冒頭で、フレッチャーの質問に答えずドラムを叩くニーマン。それに対してフレッチャーが「お前はゼンマイ式のサルか」と嫌味を言う。

この短いやり取りだけで二人の性格や人間性を上手く表現している。



フレッチャーの台詞の9割以上は罵声やパワハラ発言ばかりで、正直、観ていて胸糞悪くなってくる。

フレッチャーを演じたJ.K.シモンズは何かが乗り移っているようで、まるで悪魔にでも魂を売り渡したかのように見える。


ジャズではないが、この作品を観ていて感じたのは、“伝説のブルースマン”と呼ばれるロバート・ジョンソンも“悪魔に魂を売り渡した男”なんて言われていて、ひょっとしたら彼もこんな風に人間的な心も何もかもを何処かに捨て去り、全てをブルースに捧げたんじゃないかと思ってしまった。




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J.K.シモンズの怪演ばかりが注目されがちな作品だが、マイルズ・テラー演じる主人公のニーマンも全く引けを取らない。この人、実際にドラムを叩いている。それも、物凄い迫力で。

ドラム演奏中に何度も手から血が流れるが、それも演出ではなく、マイルズ・テラー本人の血だという。解説を観たら、皮膚がめくれて絆創膏を貼っているシーンも本当にやっているとのこと。


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この映画を観て役者として彼が凄いと感じるのは、物語が進行していくにつれて表情がどんどん変化していくところ。

柔らかい温厚な青年といった顔立ちだったのが、フレッチャーのイジメや体罰に近い指導で精神的苦痛を味わううちに、徐々に“人間らしさ”が失われていくかのようになっていく。

それでも「偉大な音楽家になる!!」という一心だけで喰らい付き、『コイツ(=フレッチャー)に付いていけば、ヤツの求めているものに応えることができれば、偉大な音楽家になれる!!』と信じ、生活の全てをドラムに捧げていく。



せっかく可愛い彼女ができたのに、「ドラムを練習する時間を奪われるから、もう会わないようにしよう」と一方的な理由で別れ話を持ち出し、彼女にキレられて別れる(←しかも、自分から声掛けたはずなのに!)。


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だけど、ニーマンの彼女になったニコルへ大学に入った理由を訊くと「受かったから」と、人生に何の目的も無く生きている人と彼とでは、考え方がまるで違っている。

彼女と一緒に平凡な人生を歩むか、全てを断ち切ってでも偉大なドラマーになるのか。


人間って一瞬一瞬が選択の繰り返しで、小さなことひとつでも“これをやるか、やらないかでその後の人生に少なからず影響を及ぼすもの”だが、その中でも大きな岐路ってのが必ずあって、そこで周りの感情に流されるか流されないかで自分の運命が全く別な方向へ変わっていくし、それは僕自身も経験している。

だからこそニーマンが選んだ道ってのは共感できるものがあるし、本当に我儘(わがまま)で自分勝手な人間だけど、それでも周りに左右されない意志ってのは持ってなきゃいけない、と映画を観ていて僕は感じた。




しかし、この作品を観て毎回『この人達、楽しいのかな?』と疑問に感じてしまう。

フレッチャーはニーマンに「演奏を楽しめ」と声を掛けるが、楽しむ要素がまるで無い。


登場人物も限られていて、主人公の父親や恋人も出てくるが、ひたすらドラマーと指揮者の二人だけのバトルが終始繰り広げられる。

アクション映画でもないのに全編に渡って空気が張り詰めていて、狂気の世界に足を踏み入れている。



フレッチャーの罵声が飛び交い、台詞らしい台詞ってあまり無いが、この映画は“行間”を大切にしていて、それは主人公ニーマンが時折見せるニヤリとした表情だったり、言葉以外で語っている。

ライバルのドラマーにフレッチャーがダメ出しすると『あっ、コイツ失敗した!やったぜ!!』とか、そういう感情の変化がとても分かりやすい。

そして、そんな醜い、嫌らしい部分が、逆に“人間らしい”気がしてくる。



それと、フレッチャーはニーマンの才能に最初会った時から気付いていて、彼には特別厳しく指導していたのだろう。

フレッチャーは音楽院の指揮者として独裁的なやり方で指導しているが、コンクールで優勝したりと、ちゃんと結果を残している。

俺はこういう人間のやり方や人格は大嫌いだし絶対に合わないが(苦笑)、それでも、彼に付いていくことで“一流”になれると信じている生徒達がいる。

そして、その中でも“超一流”になれる可能性を秘めたのがニーマンで、彼を狂人にさせてでも、自らの手で育て上げようと思ったに違いない。



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しかし、自分の思ったようにいかないと悟ったフレッチャーは彼を立ち直れないようにしてやろうと画策し(ホント、クズ!!)、ニーマンはドン底に叩き落される。……が、開き直ったニーマンがステージをめちゃくちゃにしてやろうという勢いで始めた演奏は“何か”が憑依していくようで、それはフレッチャーが思い描いていた姿そのものになっていく。



勝手に演奏を始めたニーマンに対し諦め顔でいたフレッチャーが、少しずつ彼のドラムに引き込まれていき、手で口元の汗を拭い、ジャケットを脱ぎ、指揮も何もかも忘れて自分も一緒に叩いてるかのように熱くなる。



ラストでニーマンが


「どうだ、あんたが望む通りの完璧な演奏をしてやったぜっ!!」


と、勝ち誇ったようにニヤリと笑う。



自分の理想としていた演奏をする“超一流”を自らの手で育て上げることができたフレッチャー。







僕が観たのは4回目だけど、今回も魅入ってしまった。

映画を観ている間、僕もEさんも一言も発さなかった。


スタッフロールが終わってから「凄いでしょ?」と訊くと「…………凄いな」と圧倒されて、映画の感想を言い合った。



Eさんの周りでプロになったミュージシャンの話をしてくれ、「自分の後からもどんどん凄い人達が出てくるから、物凄い危機感を持ってやってるって言ってた」と、強迫観念じみたものがあるとのことで、“楽しい”だけではプロとしてやっていけないんだと感じ、それは音楽だけに限らず、どんな分野でもそうなんだろう。




今回また『セッション』を鑑賞して、観る度に何かを感じているのが自分でも分かる。


きっとそれは、今の自分自身に問う“答え”がここにあるからなんだと思っている。










Caravan (Part1)
https://youtu.be/ZZY-Ytrw2co


Caravan
https://youtu.be/TS-G4UQTfUo


『セッション』予告
https://youtu.be/65P_HY_3aF0


J.K.シモンズ インタビュー
https://youtu.be/yec5Ima5eHY


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T11/25 22:30-2:00

“ドラマーEさんと映画『セッション』を自宅鑑賞”のつもりが……

昨日、友人Eさんと休みを合わせて映画『セッション』を自宅鑑賞した。


今回はこの音楽映画の話と、ドラムについての話。




……を書こうとしたのだが、ものすごく長文になってしまうので、今回はドラムの話だけに変更(汗)。


映画の感想はそれ一点に集中して書いた方が良いしね。いろんなテーマをダラダラ書いてたら文章が散漫になって、読み手が疲れるだけだし。






つ〜〜ワケで、今回はちょっと一息。


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楽〜〜に読んでやって下さい。









Eさんとは昔ずっと一緒にバンドをやっていて、僕はギターを弾いて、彼はドラムを担当していた。

今思い返しても、『俺なんかとよく一緒にやってくれてたな』と思ったりするのだが、そこは彼の人柄のおかげでやれてたし、いろんなことがあったけれど、バンドをやる楽しさや難しさ、大変さを彼と共有できたのは、僕の中で貴重な財産となっている。



ここ数年、ジャズを聴く機会が増えてきて、最近はロックを聴きながらもまたジャズを聴く日々が続いている。


『何でジャズを聴くようになってったのかな?』と自問してみたら、多分、昔と違って自分自身の“音楽の聴き方”が変わってきたのだと思う。

“音楽を聴く幅を広げたい”というのも理由にあるのだが、十代の頃はボーカルやギター、それにピアノなどの高音域の楽器にばかり耳が行ってしまっていたのが、長い間ずっと音楽を聴いてるうちに、徐々にベースやドラムの低音域に神経を集中させて聴くようになっていったのが自分でも分かる。

そのため、一つ一つの楽器がより主張し合っているジャズというジャンルは“音の粒”を掻き分けるのに最適だと感じている。


21世紀に入ってからはPCひとつで簡単に作曲も演奏も出来てしまっているが、やはり僕は、ボーカル、ギター、ベース、それにドラムという、人間がその瞬間瞬間で創り上げていく“生身の音”が好きなんだろう。

その方が、より原始的な刺激を味わえるからなのかもしれない。




Eさんとドラムの魅力について話を聞いていると、ドラマーならではの面白い話を沢山教えてくれる。



Eさん曰く、


「ドラムはメロディーが無いからな。結局はメロディーが大事やから、それを前面に押し出してあげなあかんねん。自己主張し過ぎて前に出てばかりいるドラムはバランスを考えてないからあかんと思う」


とのこと。



普段は寡黙なEさんだが、口にする言葉はいつも要点を押さえていて、音楽の話だけでなく、どんな内容の話でも考えさせられることが多い。





そんなEさんに是非一度観てほしかった映画『セッション』の話は、また次回……。



やはり、一回でまとめるには無理があるな。










Whiplash
https://youtu.be/HJrTYOyXHA0


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Still Continues.


























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フレッチャ
「一回で記事をまとめられなかった?悔しいか?」



ニーマン
「いいえ」



フレッチャ
「悔しくないのか?!」



ニーマン
「…………悔しいです!!」



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(次回へ続く)




映画『セッション』
https://youtu.be/w2_SAE4Rk4E



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11/23 23:30-1:00

“ヘアースタイルを変えた”の巻

今回は、髪型の話。


興味無い方はスルーすべし!









中学一年生の頃、親父にムリヤリ坊主にされて以来○年……超久々にショートカットにしたのである。


理由は特に無く、何となくというか、気分を変えたかっただけというか。

毎年、夏になるたび『ああ〜〜、坊主にしてえな』なんて思ったりしていたのだが、結局、いつも思うだけで実際にはやらず終いだった。



ガキの頃、うちの親父が口癖のように「子どもは坊主にせえっ!!」とムリヤリ自分の価値観を押し付け、何度か床屋へ連れて行かれて丸坊主にさせられた過去がある。

その反動でかは分からないが、僕は小学校の高学年頃から髪が長かった。

床屋へ髪を切りに行くのが面倒くさいというのもあったのだが、今思い返せば、無意識的に親父に反抗していたのかもしれない。


高校生の頃になるとあまり髪型のことで言われなくなったと記憶しているが(というか、そもそもその頃には親父と絡んだ記憶がほとんど無い)、そんな少年時代を過ごしたおかげでショートカットに対しものすごく抵抗感が芽生えたのかもしれない。

なので、僕の場合はべつにロックミュージシャンに憧れたから髪の毛を長くしたとかそんなんでは全くなく、ただ親父への反骨精神で伸ばしていたような気がする。




そんな僕が憧れたヘアースタイルがある。


ミュージシャンでいうと、当ブログでも何度か紹介しているザ・ヴァインズのボーカル、クレイグ・ニコルズの髪型だ。



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こんな風にしたくて美容院のお兄さんにお願いしたことがあるのだが……




お兄さん曰く、



「骨格が違うから難しいかも……」



とのこと。




……って、何やそれええぇぇぇ〜〜〜〜っ!!(泣)




まあ、一応やってくれて、腕のいいお兄さんだったのでそれなりに雰囲気が似た感じになったかもしれないが、やはりクレイグ君にはなれず、どう頑張っても自分自身でしかなかったという(苦笑)。


いや、でも実際にクレイグ君の写真を人に見せたら僕に似てると言ってくれる方がチラホラいたんだよ、本当に。





なんかね、二十歳の頃から美容院へ通っているけど、自分の好みとするヘアースタイルって決まっていて、結局は毎回同じようになっていた感じがするな。

大体のパターンって決まってくるのかもしれない。



しかし、一番最初にパーマをあてた時は加減が分からず『アフロ田中』みたいになってしまったのは良い思い出だわさ(笑)。


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(こんな感じ)



爆発してたもんなぁ……。






てなワケで、今回ショートカットにしたら、自分でも予想外に良い感じになった。



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(帽子被ってますが、こんな感じ)



髪の毛が短くなると帽子も活躍できるし良いかも、なんて思っている。


いろんな人から「どうしたん?何かあったんか?」とか、「失恋でもしたんか?!」とか、色々聞かれているが、まあ、あながちハズレでも無いかも……なんてね。

(……って、それならもっと前にしてるし!!)



また少しずつ伸ばしていくだろうけど、今は新しい自分に出会えたような発見があるので、この髪型で過ごすのを楽しもう。








……つ〜〜ことで、今回はザ・ヴァインズの曲でいこう。


5thアルバム“FUTURE PRIMITIVE”より、スローナンバーの“Goodbye”。


アルバムは正直ビミョ〜〜なのだが(汗)、この曲は好きなんだよな。



クレイグ、また痩せてカッコイイ髪型に戻ってほしいぜっ!!










THE VINES / Goodbye
https://youtu.be/X1Edg2wOnJg


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T11/21 22:00-2:00

Buddy Guy / LIVE AT LEGENDS (2012)

先日観たライドの大阪公演終了後、ある人から「ブログ書かれてるんですね」と話しかけられ、「“シューゲさん”という名前だったら、やっぱり90年代以降の音楽を聴いてるんですか?」と質問された。

確かに当ブログ内でも90年代以降の音楽を紹介していることが多い気もするが、「古いのも含めて色々聴いてます」と答えた。


巷で知れ渡っているロックやポップミュージックってビートルズ以降……つまり60年代以降の音楽が主流になっているけど、僕はそれ以前の音楽も聴いている。

“それ以前”というのはビートルズローリング・ストーンズなどに影響を与えた黒人音楽で、今でも思い出しては聴くことがある。

僕はストーンズからロックを聴き始めたので、彼らのルーツになっている黒人ブルースは高校生の頃から一応は聴いていた。


……が、彼らが敬愛するマディ・ウォーターズロバート・ジョンソンといったミュージシャンの奏でる音楽というのは、当時の僕にはあまりにも敷居が高過ぎて、何度聴いても良さが分からなかった。

今では普通に聴いてはいるが、特別好きとまではいかず、言うなれば“現存する音楽のルーツを知るため”という目的で聴いてる部分が大きいんだと思う。



それでも、ルーツミュージックを聴いてきて自分なりに感じるものがあって、そんな中でもお気に入りのミュージシャンやアルバムも存在している。


その中の1枚が今回ご紹介するバディ・ガイ(Buddy Guy)のライヴアルバム“LIVE AT LEGENDS”だ。


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正確に言うとバディ・ガイのデビューは67年になるが、1938年生まれの彼は50年代から活躍していたとのことで、この“LIVE AT LEGENDS”は2012年に発表されたもの。


このアルバムの最大の特長は、古い黒人ブルースマン達に共通する“取っ付きにくさ”が無いことだ。

ジミ・ヘンドリックスやクリーム時代のエリック・クラプトン、現代でいうならジョン・メイヤーなどの“エレキギター弾きまくりブルース”が好きな人は絶対に気に入るはずだ。

実際、このライヴ盤でもジミヘンやクリームの楽曲をカバーしているし、気難しい印象を与えがちなブルースの世界に入りやすくしてくれているような印象を受ける。


バディ・ガイの演奏は歌いながら同時にギターソロも絡ませるスタイルで、とにかくひたすら聴きやすくしている。

聴きやすい音楽って軽くてすぐに飽きるものが多いが、このアルバムは彼独特の味があり、全編に渡ってノリが良く、時には哀愁を帯びたサウンドが広がっている。



あと、映像を観ると、水玉模様のシャツを着たりギターも水玉模様だったりと、この人はすごくオシャレに気を遣っているのも分かるし、何より楽しそうに見えるのが良いね。


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バディ・ガイのような“生ける伝説”は、今あるロックミュージックがどうやって誕生したのかを知る良いキッカケになるだろうし、僕の中でこのアルバムは教科書的な存在のひとつとなっている。











Best Damn Fool (LIVE)
https://youtu.be/K6KmQz2WvTA


Skin Deep (2018)
https://youtu.be/OtU9xCbVY6I


Voodoo Chile / Sunshine Of Your Love (LIVE)
https://youtu.be/asarJ1M1JI4


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ALIVE?

Bernard Butler / B-Sides

バーナード・バトラー(Bernard Butler)については以前にもガッツリ書かせて頂いたが、今回はソロアルバムに収録されなかったB面曲について。


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……と、音源を貼り付けようとYou Tubeで検索するも、楽曲があまり無かった(泣)。

なので、オマケでソロ時代の代表曲“Stay”と、個人的に隠れた名曲だと思う“When You Grow”も付けておこう。やはり、どちらも超名曲。



いや、本当はね、“A Change Of Heart”という曲のB面に収録されていた2曲(“My Domain”, “More Than I Thought”)も貼り付けたかったんだけどね、どっちも無かった(泣)。


この2曲、特に“More Than I Thought”という曲に関しては、『どうしてコレがB面なの?!アルバムに収録しなきゃいかんだろ!!』と天下のバーニー様に苦言を呈(てい)したくなったほどだ。


初めて僕がこの2曲を聴いたのはバーナードのブートレッグCDで、それもソロ時代のラストライヴだと思われる東京公演の最終日を収録した音源で知った。


前日と同じセットリストで進行していったライヴだったようだけど、最後の最後でダブルアンコールをやり、その時に“More Than I Thought”(=「自分で考えてた以上に」という意味)を演奏している。


聴いた時に『この曲、ひょっとしたら幻の3rdアルバムに収録されるはずだったんじゃないのか?!』なんて思ってしまった。


それほど衝撃的だった曲。




だけど、その曲以外にもバーニーは本当に完璧主義の天才だから、残した数少ないソロ時代の音源はどれも素晴らしいの一言に尽きるね。


“It's Alright”は彼が得意とする官能的なギターソロを堪能できる名曲で、これも何故アルバムに収録しなかったのかと言いたくなってしまう。


そして、ピアノとアコースティックギターで静かに歌われる“The Sea”。これも本当に最高だよ。

この曲の歌詞を読むと他人への不信感や絶望について語っているようだが、それをこんなに美しいメロディーに乗せて歌い上げるセンスは白眉(はくび)の出来だ。

ただただ、美しい。

巷にある“ピアノソングベスト”みたいなオムニバスCDに普通に収録されていてもおかしくないと思ってるのに……。やっぱりB面曲でヒットもしてないし、知名度も無いからなぁ。



ほとんどの人は知らないだろうけど、世の中にはこんなに素晴らしいミュージシャンが存在していて、こんなに凄い曲があるんだというのを一人でも多くの人に伝えることができたら、このブログをやってる意味があると僕は思っている。











It's Alright
https://youtu.be/AAc0SYmKmB0


The Sea
https://youtu.be/YGLvoc5qwjQ


When You Grow
https://youtu.be/HB2Pn0LVZ5Y


Stay
https://youtu.be/qNq4QdykuIA


Tremble
https://youtu.be/GFiJwBihbkQ



(以前のバーナード・バトラーの記事)
https://shoegazer1990.hatenablog.com/entry/2018/04/22/120816


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LOVE

時々、夢で流れる『この道わが旅』

またどうでもいい話。少し吐き出そう。

色々書きたいネタはあるのだが、また時間を作ってガッツリ書くのでヨロシク。









昨夜から胃の調子が悪く、朝っぱらから吐き出してしまった。
(お食事中の方、スミマセン……)

そのまま仕事に行ったのだが、気持ち悪い状態が続いていたため、同僚にお願いして早退させてもらった。

こういう時でも以前の自分なら無理しまくってたんだけど、ホンマ、無理はしたらあかんね。

自分で言うのも何だが、普段かなり早い時間に行って頑張ってるし、周りの人もそういうのってちゃんと見てくれてるんかな、なんて思ったよ。

甘えられる時は甘えた方が良いね。

帰宅してグッタリ、ずっと横になってた。



何だかな、最近は無気力状態が続いている。

こういうのって言い訳にしかならないと自分でも分かっているけれど、まあ、焦らず徐々に次に切り替えていけたらと考えている。


……とはいっても、気持ちは焦ったりしている。



今、ブログ以外にも執筆をしていて、400字詰め原稿用紙に毎日書き込んでいる。

普段は6〜8ページを目標に、休みの日なら10〜12ページ。

時間で言うと、大体1ページ15〜30分。

一日2〜3時間、休みの日は5〜6時間を執筆にあてている。

もうちょっとやりたいって時もあるが、本も読まなきゃいけないから、今のところこれが精一杯かな。

まだグダグダで全然形にはなってないけど、確実に手応えは感じている。



だけど、最近は停滞気味で、ほとんど進んでいない。

気ばかり焦ってしまうが、ホント、焦ってもしょうがない。

どんなに調子が悪くても、ほんの少しでも進めることができたら良しとしよう。そう考えるようにしている。

長い道程だし、直ぐに結果が出るものでは無いんだから、少しずつまたペースを上げていけたら良いと思っている。

短距離走的な考え方ではなく、フルマラソンを走り切るような考え方でいなきゃね。

一日一日の積み重ねが大事だし、まだまだ先は長い。

悪い流れに乗らないように、それだけ気を付ければ後はどうにかなるだろ。そう思ってやらなきゃ、身が持たなくなる(笑)。






……というわけで、もう明け方になってしまったが、今日の曲。



ゲーム『ドラゴンクエスト2』のエンディングテーマ『この道わが旅』。

この曲、なぜか夢で時々流れるんよね。

ゲームの曲と侮ってはいかんよ。聴けば分かるが、すぎやまこういち先生はやっぱり天才だし、TVゲームの曲って本当に良いのが沢山あるからね。

僕自身は10年以上前にゲームは卒業したけど、ロックを聴くようになる前はゲームミュージックが一番慣れ親しんだかもしれない。

『たかがゲームだろ』なんて思わずに、先入観も何もかも捨てて、“良い曲”に耳を澄ませてほしい。



この道わが旅』ってタイトルも素晴らしいね。


ついでに『3』の『大空を飛ぶ』もどうぞ。


聴くべし!











この道わが旅 (ドラゴンクエスト2)
https://youtu.be/eItCDZE-e_M


大空を飛ぶ (ドラゴンクエスト3)
https://youtu.be/EJM3142KECQ


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LOVE

Phil Collins / NO JACKET REQUIRED (1985)

今回はフィル・コリンズが1985年に発表した“NO JACKET REQUIRED”に収録されている“Take Me Home”を通して、僕の個人的な想いを書き綴る。


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MV(ミュージックビデオ)で好きなものはいくらでもあるが、ひとつだけ選ぶとすればフィル・コリンズの“Take Me Home”と昔から断言していて、それは今も変わらない。


このMVが好きな理由は、映像と音楽だけで世界中を旅しているような気分に浸れるからだ。

冒頭でフィル・コリンズが家を出て車に乗り、旅立っていく。

ニューヨーク、ハリウッド、ロンドン、パリ、東京、シドニー……世界中のあらゆる場所で撮られた『テイク・ミー・ホーム』のMVは、1985年という年の、世界の風景を記録した映像集のようだ。

まだケータイもDVDも存在しておらず、パソコンもほとんどの家庭に無く、テレビもアナログ。

今の時代と比べれば不便だろうけれど、そこに映る空や太陽は今も昔も変わらない。

だけど、富士山や夕日を背にして歌うフィル・コリンズを観ていると、二度と戻ってこない瞬間を捉えているように見える。

何となしに眺めていた景色が、その後何十年も覚えていることってある。

このMVを観ていると、その感覚に近い気がする。





歌詞も心の琴線に触れるものがたくさんある。



“不安そうな顔をしないで”


“自分のやることは自分で探す”


“くよくよ悩むのはもうやめたよ”


“生まれてこのかたずっと縛られていた”



これらの歌詞は、自分の生き方を求めて遠くへ行った人へ、そして、今の僕自身に送りたい。


不安で押し潰されそうになったら、良い音楽を聴いて心を落ち着かせたらいい。


どんなに遠くへ行っても、大切な人を想う気持ちは変わらない。




今も僕達は、二度と戻ってこない一瞬を生きている。


『テイク・ミー・ホーム』のMVを観るたびに、僕はそんな風に思っている。











Take Me Home
https://music.youtube.com/watch?v=sRY1NG1P_kw&feature=share


One More Night
https://music.youtube.com/watch?v=V3bwo3zg1kk&feature=share


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LOVE

『周りに振り回されるな!』

最近の心の声を思い切り吐き出してる長文なので、読みたくない人は読まないで下さい。

いつものような音楽記事は近日中にまた更新しようと考えているので、楽しみにされてる方は気長にお待ち願います。


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(今日は小池一夫の『ふりまわされない。』を読み返そう)













今までの自分を振り返ってみると、ひたすら周りに振り回されていた。

他人に無理して合わせて、自分を殺して生きてきた。

ある日、そんな自分に気付いて、そんな自分のことが嫌になって、『もう、周りに振り回されるのは止めよう』と心に決めた。

だけど、最近の自分自身を振り返ってみると、いつの間にかまた周囲の人達に無理して合わせているのに気が付いた。

それは、自分を取り巻く環境の変化が一番大きな原因だと分かる。ここ数カ月の間に随分と状況が変わったし。

最近なんだかモヤモヤしていて、それが何なのかは分からなかったりして、気持ち悪い状態が続いていた。

いや、本当は心の中では何が駄目なのか分かっていたんだと思う。

それが、知らず知らずのうちにまた周りに流されていき、正常な判断が出来なくなっていたのだろう。

他人に合わせ過ぎて、他人が居心地良いと思えるようにと無理して合わせ過ぎて、何よりも大事な自分自身の居心地を悪くしてしまっていた過去が、俺にはある。

そうやって無理して他人に合わせていた頃でも、ある人から「アンタは“ジブン、ジブン”ばっかりやなぁ!」とよく言われていた。

心を殺して周りに合わせていても、結局そんな風にしか言われない。

無理して合わせても、そうやってバカにされる。

しかも、一番近しい人間に。

そんな過去があったから、『他人に合わせて生きても、結局はそう言われる。だったら、自分のやりたいように、思うように生きよう』と心に決めて毎日を生きようと決心した。

だけど、ここ数カ月を振り返ってみると、徐々にまた無理して周りに合わせていることに気付いた。

特別仲の良い人には俺自身の体験談や失敗談から学んで得たことを伝えるようにしていて、「自分の思うように生きれば良いやん」なんて偉そうなことを言ってはいる。……が、肝心の自分自身が今、そうできてないなんて、話にもならない。



この二日間で大切な人達と会って、また沢山の出来事があった。

昨夜は友人と呑みに行ってから、ブログに何度も書いているギャラリーノマルのイベントへ足を運んだ。

本当は、しばらくの間は行くのは止めようと思っていたが、導かれるように足が進んでいき、短い時間だったけど久しぶりに沢山の人達と再会した。

ドットエスの橋本孝之さんも東京から駆けつけていたので、自分が思ってることを正直に話した。

ほんの数分だけの会話だったが、俺が最近感じていたことを、嘘をつかずに、心の内にあるものを吐き出させてもらった。

上手く伝えられたかは分からない。

自分でも、言い訳がましいかも……なんて後で思ったが、直接、本人に言いたかったんだと思う。


俺は音楽に何度も何度も救われてきた人間だし、そんな音楽に対して絶対に嘘をつきたくない。

だから、このブログにも自分が感じたままを、素直に書こうと決めている。

そんな思いでやってるから、ドットエスのライヴに対しても嘘を書いたことは一度も無いし、その場で自分が感じたことを出来る限り正確に記録しようという思いでブログに書き記してきた。

だけど、去年の初頭から彼らを知って、何度もライヴを観ているうちに、俺自身の中でマンネリ化していった部分が出てきてしまったのも事実で、そんな自分の気持ちに嘘をつけなくなり、先月行われた彼らの10周年ライヴに行くのを止めた。

記念ライヴを祝いたいと思っている以上に、ライヴを観たら俺自身はどう感じるだろうという気持ちの方が強かった。

先の読めない展開が彼らの魅力のひとつだと個人的に思っているが、10回以上も彼らのライヴを観ているうちに段々と展開が読めるようになってきて、「次はこうなるだろうな」といつの間にか思うようになっていた。

それだけが魅力の全てではないけれど、突拍子もない意外性を彼らに期待していた俺みたいな人間には、刺激に欠けるようになっていたのも事実だ。

それを変な情に流されて、忖度して良いように書いたとしたら、自分が駄目になると思った。

自分だけでなく、相手も駄目にさせてしまうと感じた。

人によっては毎回のように称賛する方もいるだろうし、感性なんて人それぞれなんだから、それはべつに構わない。

好きなミュージシャンを追っかけて世界中飛び回っているファンだっているし、そういう人達からすれば“いつだって最高”なんだろう。

そういうファンもいて良いし、そんな熱狂的なファンが支えてくれているからプロのミュージシャンはやっていけるのも分かるし、それを否定するつもりも無い。

だけど俺は、“音楽が好きだからこそ、正直でいたい”と思っている。

大体、毎回最高なわけが無いと思う。

ミュージシャン本人の体調やその時のモチベーションだけでなく、聴いてる自分自身の体調や心理状態でも感じ方って絶対に変わるはずだし。

好きなミュージシャンに忖度しておべんちゃらを言うのは、自分に対しても好きなミュージシャンに対しても、お互いの成長を妨げているだけにしかならないと俺は思っている。

時には批判も必要だと思う。

それも、悪意ある批判ではなく、“愛ある批判”が必要だ。

自分が良くなかったからといって、良いと言ってる人を人格否定するようなバカは別だが、愛のある批判なら遠慮なくいくらでも言うべきだ。

結果的にそれがお互いのためになるんだし。

そのミュージシャンが好きだからこそ、音楽を愛しているからこそ、正直にならなければいけないはずだ。

お客も貴重な人生の時間とお金を費やして観に来ているんだから、ミュージシャンはそれ以上のものを魅せる責任があると俺は感じているし、そうでなければただの馴れ合いでしか無くなってしまう。

俺は、そんなのには何の価値も無いと思っている。

それなら、一度離れた方が良い。


本当に好きなら、本音をぶつけ合って良いはずだ。

というか、そうするべきだ。


音楽の話になってしまってるが、実生活でもそうなんだと思う。

こういうちょっとした出来事の積み重ねから自分の“芯”がブレていき、人って少しずつ駄目になっていくんだというのが、今の俺には分かっている。

それが最近のモヤモヤした気持ち悪い状態に繋がっているのだろう。


いろんなことを積み重ねた結果が現在の自分を形成しているし、もし、今が駄目だと思うなら、そういう生き方をしているからなんだろう。

まさしく、今の自分がそれに当たる。

だけど、俺の良い所は、そんな駄目な自分に気付けるところだと思っている。

気付いたのなら、良くなるように軌道修整していけばいい。

良くも悪くも物事を深く考え過ぎてしまう性格だから、生きにくい人間だと我ながら思う。

けれど、何も考えずに、のほほんと生きている人と比べたら、『俺はこのままで良いや』とも感じている。


不器用な人間だから辛くなったりしんどくなることも多々あるが、これが俺なんだし、文章にしても、こんな自分にしか書けないものがあると信じている。





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T11/5 8:00-15:00

THE NIGHT CAFÈ / 0151 (2019) 

最近はここ数年でデビューしたバンドやミュージシャンを紹介させて頂いてるが、こうやって色々探していると「2010年代も素晴らしいミュージシャン達がいるんだな」と改めて感じている今日この頃。




今回は、そんな中からまたお気に入りの1枚をご紹介。




ザ・ナイト・カフェ(The Night Café)が今年8月に発表したばかりのデビューアルバム“0151”だ。


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このバンドを知ったのもSpotifyからで、以前紹介したスネイル・メイルやベアバッドゥービーなんかを聴いてる時に辿り着き、一発で気に入ってしまったのである。


ボーカルの呟くような歌い方や声質を聴いているとコールドプレイのクリス・マーティンにものすごく似ていて、間違いなく彼らから影響を受けているはずだ。

コールドプレイが好きな人なら絶対にハマるだろうし、そうでなくともこのバンドが創り出す、良い意味で“大人の夜”を演出しているような楽曲と音作りはBGMとして聴いても最適だ。


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“ナイト・カフェ”というバンド名の通り、深夜の静かなひととき、コーヒーを飲みながら読書する時に流すと、疲弊した心と身体が癒やされる気分になる。


勿論、じっくり音と向き合って聴き込める音楽でもあり、いつ、何処で聴いてもオッケーで、しかも、ものすごく高水準なアルバムだ。


……というか、ハッキリ言って名盤に入ると断言できる。



僕も普段からイヤホンを付けて外でも音楽を聴いているが、その場所や状況によって“合う・合わない音楽”がある。

言ってしまうと、スーパーで買い物してる時や、おじいちゃんやおばあちゃんが行き交う商店街を歩いてる時にグチャグチャなヘヴィーサイケなどは場違い過ぎて『聴きたいけど、今このシチュエーションではアカンやろ!』と自粛する場合がある。
(そんな時でもたま〜〜に聴くことはあるが、それはそれでまた味があったりする 笑)




だけど、ナイト・カフェのアルバムは時と場所を選ばない。


こういう音楽って“人生のサウンドトラック”になるような気がする。

このデビューアルバムは捨て曲がひとつも無いし、それまでに発表したEPなど、どれを聴いても素晴らしい。

ひょっとしたら、これから大ブレイクする可能性も十分有り得ると僕は思っている。



これから何十年も経って歳をとっても、僕はナイト・カフェの曲を聴いてるはずだ。きっと。











Please
https://youtu.be/QWh-II5sf9o


Endless Lovers
https://youtu.be/bQzFdrGdfrM


Turn
https://youtu.be/L2Y5jdhI7XQ


Endless Lovers (LIVE)
https://youtu.be/Omnm-NczwXk


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「あなたがここにいてほしい」

今回は、またどうでもいい話。


興味の無い方はスルーして下さい。








最近になってまた自分を取り巻く環境が変わってきて、それに平行して人間関係も変わってきた。

今までの経験上、変わる時はガラリと変わる感じがして、それは今回も同じだ。

まあ、それも普段の日常から緩やかに変化が訪れていって、ある日を境に一気に来るんだと思う。


こういう時って僕の中でもある程度の痛みを伴うものだと分かっているが、尾を引く時もあって、今回の場合はそれが長引きそうな気がする。

正直、一年ぐらい尾を引きそう……。



そんなわけで、ここ数日はちょっと無気力状態が続いている。


だけど、いつまでもそのままでいられないので、徐々に新しい変化に心と身体を慣れさせていかなきゃいけないし、スローペースではあるけれど、自分のやろうとしていることが着実に前進していってる手応えも感じている。


まあ、過ぎた時間は取り戻せないし、この数日間は小休憩だと思って、また明日から気持ちを切り替えて頑張ろう。








……ということで、今日の1曲。



最近は読書中や移動中などほとんどピンク・フロイドの曲ばかり聴いてるので、彼らの代表曲“Wish You Were Here”をどうぞ。


アコースティック調の楽曲で好きなのは沢山あるが、ひょっとしたらこの曲が一番好きかも。



邦題の『あなたがここにいてほしい』という言葉も、今の自分が必要としているからかもしれない。













PINK FLOYD / Wish You Were Here(LIVE)
https://youtu.be/tiF-q2h7tSA


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CAST live at 心斎橋soma(2019.10.18)

2019年10月18日(金)、大阪は心斎橋soma(ソーマ)にて行われたキャスト(CAST)のライヴ。


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友人Bさんに誘われ、一緒に行ってきた。
(いつもありがとう!)





先ずは、キャストについての簡単な説明を。


90年代初頭のイギリスでデビューしたザ・ラーズ(THE La's)のベーシストだったジョン・パワーという人が、解散後にベースからギターに換え、自らがボーカルを取るようになったのがこのキャストというバンドだ。



……が、僕はキャストといえば1曲ぐらいしかまともに聴いたことが無かったので、ライヴへ行くと決定してから少し聴いた程度だった。

ちなみに、いつもはライヴへ行く日はそのバンドの曲を聴いて会場へ向かうのだが、この日に限ってはピンク・フロイド関連の楽曲ばかり聴いていたのである(汗)。




そんなわけで、“元ラーズのベーシストが結成したバンド”ぐらいにしか認識してない僕の目には、彼らがどう映ったのか。感じたままに書き記していく。







19時半過ぎにメンバーが登場し、ライヴスタート。


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初っ端から思いっきり“90年代の王道UKロック”な音を出し、ひたすらキャッチーなギターリフが響き渡る。


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ジョン・パワーの歌声も伸びやかでよく通る。

ラーズのボーカルだったリー・メイヴァースの癖のある声とは正反対だと感じた。

個性的なのは間違いなくリー・メイヴァースだけど、聴きやすいのは圧倒的にジョン・パワーの声だな。



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キャストがデビューした90年代半ばの英国ロックといえば“ブリットポップ”全盛期で、このバンドの音を一聴しただけでも、「あの時代の音だ」というのが分かる。


ライヴを観ていて感じたのは、『あの時代の音作りを決定づけたのは、紛れもなくオアシスだな』と思った。

僕はリアルタイムでその時代の音楽に触れてないので偉そうなことを言うつもりは無いが、後追いで聴いても、『80年代と90年代で、何でこんなに音が違うんだろう?』と、自分なりに考えながら聴いてきた。

80年代のイギリスのバンドってザ・スミスジーザス&メリー・チェインのような、陰鬱で影のあるバンドが多かった(勿論、この時代のバンドも大好きだ)分、その反動でポップな明るい音楽が出てきたんじゃないのかな……と思っている。

暗い曲や悲しい曲を聴いて共感し、魂が浄化されていくことってある。

だけど、“キャッチーでノリの良い楽曲を、深く考え込まずに楽しむ”ってのも、音楽のひとつの在り方なんだという当たり前のことを、このキャストのライヴを観ていて思い出した気がする。



それと、このブリットポップ期に全盛を極めた人達って、ホント良いバンドが多かったんだなと感じた。




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バンドの演奏に合わせるようにフロアーも盛り上がり、自然と身体がノッてくる。


僕はキャストに関しては“Walkaway”という曲しか知らなかったが、他にも本当に良い曲がたくさんあり、ライブハウスを完全にダンスフロアー化していた。

その様子を観ていると、90年前後のマンチェスターシーンの良い部分を受け継いだのも分かる。



キャストがデビューしたこの時代の音楽を聴いてると、彼らは60年代のビートルズローリング・ストーンズ、フー、キンクスなどを子守唄代わりに聴き、70年代のツェッペリンやディープ・パープルをはじめとするハードロックを通過し、10歳頃にはパンクが誕生し、更に80年代ニューウェーブやインディーロックに影響を受けてきた世代なんだな、と思った。


その間にはピンク・フロイドなどのブログレッシブロックがあり、シューゲイザーまで誕生して……どうなってんだろ、ホントに?!



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実は、最近色々と悩み事が尽きなかったのだが、このブログを書きながらキャストの曲を流しているうちに、何だか気分が明るくなってきた気がする。


我ながら単純やなと思うが(笑)、こうやって今でも救いになってくれる音楽って、本当に素晴らしいね。



これからしばらくはブリットポップ期のバンドを聴き返してみようかな。













Walkaway
https://youtu.be/fbYkYKQdL7I


Flying
https://youtu.be/VqcuJ0wHORM


Guiding Star
https://youtu.be/lIIqKSxWH4o


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T10/22 13:00-0:00

SPIRITUALIZED(スピリチュアライズド)

台風の影響で本日予定していたことが出来なくなってしまったが、他にやるべきことはいくらでもあるので、今日は1日中部屋に籠り、片っ端から用事を済ませていった。

大変な思いをされている方もいるだろうが、僕のブログを読んで少しでも気分転換できればと思う。








……というわけで、今回はスピリチュアライズド(SPIRITUALIZED)について書いていこう。

最近の、読書中のBGMにしている。


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当ブログ内で何度も書いてる通り、僕はサイケデリック大好き人間である(笑)。

(注:サイケデリックミュージック=幻覚・幻聴を想起させる音楽のこと)




80年代のイギリスにスペースメン3というサイケデリックバンドが存在していた。その中心人物の一人がジェイソン・ピアース(“Jスペースマン”とも呼ばれている)で、スペースメン3解散後に彼が結成したのがスピリチュアライズドだ。

(ちなみにスペースメン3にはもう一人の中心人物が在籍していたが、またの機会に書こうと思う)



スピリチュアライズドはジェイソン・ピアース以外のメンバーは固定されておらず、実質的に言うと、彼のソロプロジェクトだ。
 


僕が初めてこのバンドの音に触れたのは、確か18歳頃だったと記憶している。


80年代以降のロックミュージックに興味を持ち始めた頃で、近所のTSUTAYAにはそれらのCDが沢山置いてあり、片っ端から貪るように聴き漁った。

そこでマイブラの“LOVELESS”なんかも初めて耳にするのだが、その中の1枚にスピリチュアライズドの3rdアルバム“Ladies and gentlemen we are floating in space BP(邦題『宇宙遊泳』)”があり、例に漏れず、これも借りたのだった。


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だけど、その頃の僕には“音楽を聴くスキル”がまだまだ不足していたんだろう。

ホーンセクションやストリングスを大々的に取り入れたこのアルバム特有のド派手なアレンジやプロデュースが、どうにも受け入れられなかった。

後にアルバムを購入するも、正直言って何度聴いても良さが分からず、『しんどい』と感じていた。





スピリチュアライズドの魅力に気付き始めたのはそれから何年も経ってからで、2003年に発表された5thアルバム“Amazing Grace”を聴いてからだ。


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このアルバムは“静”と“動”の対比が秀逸で、聴いた瞬間『あっ、やっぱり凄いバンドなんだ!!』と感奮(かんぷん)したのを覚えている。




それからは“Ladies and gentlemen ~”を含めた他の作品も聴き返して、いつの間にか自分でも知らないうちにこのバンドを好きになっていた。



そして、決定的だったのが97年のロイヤルアルバートホール公演の模様を収録した2枚組ライヴ盤“Royal Albert Hall October 10 1997 Live”で、数あるライヴアルバムの中でも個人的に“最高の1枚”に入るほど愛聴している。


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このライヴ音源を聴いていると、相変わらずド派手なホーンセクションが鳴り響き、大勢のコーラス隊を引き連れているジェイソン・ピアースの姿が脳裏に浮かんでくる。

初期のマーキュリー・レヴやザ・ヴァーヴを好んで聴いている今の僕にはたまらないサイケデリックワールドを縦横無尽に展開して、彼らにも共通する、だけどスピリチュアライズドにしかない異種異様な世界観が存在する。


そして、これがもう、最高に気持ち良いのだ。





音楽って聴く時期やその時の心理状況で感じ方が全然違ってくるし、人生経験を積み重ねることで良さが分かるものもあると僕は思っている。


僕にとってのスピリチュアライズドはそんなバンドの代表格で、一度、彼らの魅力に気付いてからは、音源を再生する度に“別世界”へと連れていってくれる、最強のトリップミュージックのひとつとなっている。











Electricity
https://youtu.be/WYn74HY1KgQ


Electric Mainline(LIVE)
https://youtu.be/6Ugt1aGhoCk


No God Only Religion
https://youtu.be/lE0lBbBNR1Q


Lay Back In The Sun(LIVE)
https://youtu.be/Jv-PhIqERgE


Cop Shoot Cop(LIVE)
https://youtu.be/eC8Uq6KI94g


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T10/13 14:00-22:00

Beabadoobee (ビーバドゥービー)

Spotifyで音楽を聴くようになり早9ヶ月、ここ最近は積極的に新しいミュージシャンを再び探すようになっている。

そんな僕が今年に入って一番気に入ってるミュージシャンの1人が今回ご紹介するビーバドゥービー(Beabadoobee)だ。



ドリームポップと呼ばれる音楽をやっているバンドをいくつか聴いてた時に発見したのが彼女で、もう僕の好みにドンピシャな音世界を構築していた。

少し前に紹介したスネイル・メイルも大のお気に入りだけど、このビーバドゥービーことビー・クリスティさんはより夢見心地にさせてくれる。

ロンドンを活動の拠点にしているフィリピン系の女性ということで、髪の毛を赤く染めてた時期はラッシュ(LUSH)のミキちゃんっぽく見えたりした。
(最近は髪を緑に染めてます)


“I Wish I Was Stephen Malkmus(私がスティーヴン・マルクマスだったらいいのに)”という曲もあり、ペイヴメントのボーカルだったスティーヴン・マルクマスのことを曲名にしていたりと、ローファイ(=90年代に流行った気だる~い感じの音楽)から影響を受けてるところもスネイル・メイルさんと似てる気がするが、このビー・クリスティさんの方がよりブリティッシュ寄りな音に聴こえる。



心が荒れ気味な時に聴くと身体の芯から癒やしてくれるような歌声と楽曲。


ノリの良いアップテンポな曲もけっこうあるけど、それらも彼女にかかれば全てドリーミーに仕上げている。




まだ18か19歳らしい。




才能の塊だな。










Disappear
https://music.youtube.com/watch?v=_KU0WhzVJhQ&feature=share


Ceilings
https://music.youtube.com/watch?v=6u0NeT0oiDA&feature=share


She Plays Bass
https://music.youtube.com/watch?v=9wFwPh-KbEY&feature=share


I Wish I Was Stephen Malkmus
https://music.youtube.com/watch?v=oSqZMi0tq-g&feature=share


John Squire's ART WORK 2019

先日、友人であるBさんからジョン・スクワイア(John Squire)の最新のアート作品画像が送られてきた。


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その少し前にザ・ストーン・ローゼズ(THE STONE ROSES)が再解散したという情報も入り、『やっぱりな……』と思ったのだが(苦笑)、ジョンはまた音楽を辞めて絵画一本に絞るのかな。

まあ、それも彼らしいと思っているし、僕がジョンのファンであることは変わりないので、これからも応援するつもりだ。








そんな彼の、最新のアートワークがこちら。











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……うん、やっぱ好きやわぁ~~、この人。と思ったのである(笑)。



ジョンの今までの作品で一番好きかもしれない。


もちろん、初期のジャクソン・ポロック風の作品も大好きだが、ここ15年ぐらいでやっと他の誰でもない、彼のオリジナル作品を生み出せるようになったように見える。




きっと、ジョンにとってはギターを弾くのも絵を描くことも同じなんだろうという気がする。




先日、ラジオで北海道出身のあるミュージシャンが語っていたんだけど、「ここでは“絵を描く人”、“詩を書く人”、“曲を作る人”なんて境界線が無い」と言われていたのがやけに印象に残り、それを聴いた時、『きっとジョン・スクワイアもこういうタイプなんだろうな』なんて思っていた。




10年ほど前だったか、ベースのマニがインタビューで「ジョンには3人の嫁さんと5人の子供がいる」と発言していたので、ピカソのように世間の常識には囚われない人なんだと感じていた。
(ピカソも6人の奥さんがいたと記憶している)


絵画だけで喰わしていくのは大変だろうし、バンドが再結成した理由のひとつに“金銭的な問題”が間違いなくあっただろうと僕は確信している。




ストーン・ローゼズが再結成した時は3rdアルバムへの期待が膨らむばかりだった。


……が、結局彼らが新しく発表した音源は2016年の“All For One”と“Beautiful Thing”の2曲のみ。


この2曲を聴いてから、僕の周りでもニューアルバムへの期待感が高まっていたのを覚えているが、やはりというか、幻で終わった時のガッカリ感はハンパなものでは無かった。


正直言って、このバンドのことを一時期キライになったほどだし(汗)。


それでも、時間が経てばいつの間にか許してしまっていて、こっちも変に彼らに期待しなくなったというか(笑)。




今回のアート作品を観て、ジョンには好きに生きてほしいと思ったし、不器用な性格の彼だからこそ、僕はジョン・スクワイアという人間に惚れこんだのだろう。











All For One
https://youtu.be/R0XZ9qjMil8


Beautiful Thing
https://youtu.be/lCk34IVVgcc


All For One(LIVE)
https://youtu.be/vLZQ79LizGQ


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T9/30 14:30-22:00

Snail Mail(スネイル・メイル)

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最近ハマっているのがこのスネイル・メイル(Snail Mail)。


リンジー・ジョーダンという女性のソロプロジェクトになるのかな?バンド名がスネイル・メイルなのか?

実はよく知らないのだが、『ここ数年でデビューしたミュージシャンで良い人いないかな~』と色々聴き漁っていたら、このスネイル・メイルさんにたどり着き、どハマリしてしまった。


2016年にデビューEPを発表して、2018年に1stフルアルバムを出していたとのことで、調べてみたら昨年10月に来日して、大阪にも来ていたらしい。

知ってたら絶対観に行ってたよ(泣)。





そんな後悔させてくれたスネイル・メイルとは、どんな音楽をやっているのか。


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デビューアルバムを発表した時点で若干19歳と言われているから、まだ20歳なのか?!



1stアルバム“LUSH”を聴いたら、これがもう全曲良い。


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(1stアルバム“LUSH”)

……というか、それ以前に発表したEPも、どの曲も全て“グッとくる”。


僕も今までにいろんな音楽を聴いてきたけど、この人が作る音楽は、ハッキリ言って“捨て曲”が1曲も無い。


それぐらい良い。




シンプルな歌とクリーンなエレキギターの音色、それにドラムとベースという、何のギミックも無い、昔からずっとあるロックな編成。

何の目新しさも無いかもしれないが、彼女の歌と楽曲には時代を超えて心に響いてくるものがある。

熱く歌い上げていないようで、やたらエモーショナルに、ストレートに胸に突き刺さってくるというか。


彼女の歌を聴いていると、“醒めた炎”という感じがする。



そして、それと同時に“懐かしさ”も感じてしまう。

最新の音楽のはずなのに、どこか、遠い昔を思い出させてくれるような、そんな気持ちにさせてくれる。



スネイル・メイルを聴いていると、『“今”という二度と戻ってこない瞬間を、もっと大切にしなきゃ』と思わせてくれる。




もうすぐ2010年代も終わるけれど、こういう新しいミュージシャンの素晴らしい音楽に出合えたら、『ああ~~、2010年代も良かったんだな』なんて思わされるね。


下を向いて生きているより、良い音楽に出合い、たくさんの人達と出会って、いろんな体験をすることで、人生って豊かになるんじゃないかな。


スネイル・メイルさんの音楽を聴いていると、そんなことを考えさせられる。








Pristine
https://youtu.be/s7tnTucP1UM


Heat Wave
https://youtu.be/-d91Qn8QUks


Pristine(LIVE)
https://youtu.be/s5tT-2by-5E


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T9/19 8:30-22:00