Edward Van Halen 追悼……
一昨日、ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)のギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレン(=エディ)が亡くなったというニュースを観た時は、衝撃的過ぎて開いた口が塞がらなかった。
普段の僕はヘヴィーメタルを殆ど聴かないのだが、それでもロックに興味を持ち始めた頃はヴァン・ヘイレンをよく聴いていた。
早弾きって誰が見ても「凄い」というのが分かるし、テクニカルな演奏って並大抵の努力では出来ないのも、楽器を少しでも弾いたことのある人なら誰もが知っているはずだ。
キンクスのカバー“You Really Got Me”のMVを初めて観た時、ロックなんて何も知らなかった僕でもエディの“ライトハンド奏法”に度肝を抜かれたのを憶えている。
16〜17歳の頃は僕もヴァン・ヘイレンを好んでよく聴いていた。
ただ、聴いていたのはデヴィッド・リー・ロスがボーカルを務めていた初期の作品ばかりで、サミー・ヘイガーに交代してからの彼らの音源は全く好きになれなかった。
その後の僕はニュー・オーダーをはじめとするインディーロックへシフトしていったため、たまに思い出しては彼らの楽曲を聴く程度だった。
それでも、ここ何年かで僕はまたヴァン・ヘイレンを好きになっていた。
彼らの代表曲である“Jump”がスティーヴン・スピルバーグ監督作品『レディ・プレイヤー1』のエンディングテーマに使用されていたり、今でもCMやラジオで流れる度、『ああ、やっぱり良い曲だな』と素直に感じるようになったのが大きいんだと思う。
あのシンセサイザーのイントロが鳴った瞬間に『おお、“Jump”だ!』と分かるし、耳にする度、昔の自分に「しょうもない偏見は捨てて、ちゃんと聴いてみろよ。どう聴いても名曲だろ!!」と言ってやりたくなる。
「産業ロックだからダメ」とか、そんなのはどうでもいい。30年以上経った今もこうして愛されているのは“素晴らしい曲”だと歴史が証明している。
エディの訃報を知ってから久々に彼らの音源を聴いているが、苦手だったサミー・ヘイガー時代の楽曲も、今ではすんなりと耳に馴染んでくるから不思議なものだ。
僕は“ひとつの時代が終わった”という表現が苦手だが、エディに関してはそう思ってしまった。
彼が登場していなかったら80年代以降の音楽史が全く変わっていたはずだ。
エディ、最高のギターと音楽をありがとう!!
You Really Got Me
https://youtu.be/9X6e7uctAww
Jump
https://youtu.be/SwYN7mTi6HM
Why Can't This Be Love
https://youtu.be/STVcNX7anGU
Dreams (LIVE)
https://youtu.be/mTlmm49pKWU
Can't Stop Lovin' You
https://youtu.be/Twi4sZrWhEE
LOVE. Thank You.
“執筆中のBGM”の巻
久々のブログ更新だが、また音楽とは関係ない話。
音楽記事はまたぼちぼち書いていくつもり。
ここのとこずっと忙しくしているため、なかなか更新できずにいる。
仕事に行く以外は家で執筆している。
夜遅くまでやっているおかげで殆ど寝ない日も続いたが、昨夜やっと終わった。
……で、今日からまた新しい挑戦を始めるのである(笑)。
「年とったら時間の流れが早く感じるようになる」と皆言うが、僕の場合は反対で、毎日いろんなことがあるから逆に遅く感じていたりする。
毎日が新鮮な感じ。
執筆中は映画音楽を中心に聴いていたが、終盤はステレオフォニックス(STEREOPHONICS)ばかりひたすらリピートしていた。
インスピレーション与えられまくり。
ここ10年ほどのアルバムをまともに聴いていなかったが、どれも素晴らしいね。
ずっと良い作品を作り続けている人達って本当に尊敬するよ。
落ち着いたらCDで全部集めようと思う。
……さ、今から頑張ろう!!
Have A Nice Day
https://youtu.be/5Kn_F5I1W80
Dakota
https://youtu.be/SzBJQnD7TRM
Taken A Tumble
https://youtu.be/b2mf2EsT5FE
Would You Believe?
https://youtu.be/VF_1V1jhMX8
I Love You.
THE MUSIC Reunion !!
2011年に解散したUKギターロックバンド、ザ・ミュージック(THE MUSIC)が9年ぶりに再結成し、来年にイギリスでライヴを開催する。
この情報を知ったのはつい先日のことだ。
仕事中にFMラジオでDJが「続いてはザ・ミュージックです」と言った瞬間に『えっ?何で今更ザ・ミュージックの話なんかしてんの?ひょっとすると、もしや……?!』と思ったら、やはり再結成の告知だった。
以前はネットを通じて(特にamass)最新の音楽情報を仕入れていたが、最近はスマホを触る時間を1日10分以内に止めているため、寝耳に水だった。
デビュー当時からここ日本でも人気があったザ・ミュージック。
勿論、僕も彼らの存在は知っていたし、以前書いた通り“The People”のPVを観た時から『このバンドは絶対に人気が出る』と確信したのは懐かしい思い出だ。
ザ・ミュージックのメンバーは親日家で何度も日本に来てはライヴを行っていたが、音楽誌でずっと動向を追っていたにも関わらず、僕は一度も彼らを生で観ずに解散してしまった。
2002年のデビューアルバム“The Music”は僕も聴いていたしお気に入りの1枚だったが、何故か2枚目以降をリアルタイムで追わなかった。
その理由は、華々しくデビューしたバンドは2nd以降で落ち目になるという“2ndのジンクス”がこのバンドにもあるのではないか、と当時勝手に想像していたためだ。
アメリカでは思うように売れなかったという話を耳にしていたのもあり、先入観で『この人達もやっぱりイギリスと日本でしか売れないバンドだったのか』と感じていた。
それが、解散して何年も経ち、2nd“Welcome To The North”と3rd“Strength In Numbers”を続けて聴いたら、もうあまりに凄過ぎてブッ飛んでしまった。
今でも彼らの楽曲はよく聴くし、ランニング中のBGMに流すとテンションが上がりまくってしまう。
少なくとも、僕が2000年代以降の音楽を聴いた中で、断トツで一番格好良いギターロックだと思っている。
再結成ライヴは彼らの地元リーズで行われるとのことだが、是非ともまた日本へ来てライヴをやってほしい!
フジロックに出演しそうな予感がするが、できれば単独で大阪に来てくれ!!
Let Love Be The Healer
https://youtu.be/b52qSbwskCA
The Truth Is No Words
https://youtu.be/FZ7S1NqzIvA
Raindance
https://youtu.be/Py8HhCYvNjE
Getaway
https://youtu.be/T7B8U6bVvfI
The People
https://youtu.be/CeNssuIDViw
I Love You. Thank You.
THE ROLLING STONES / GOATS HEAD SOUP (1973)
ローリング・ストーンズが1973年に発表したアルバム“GOATS HEAD SOUP(邦題『山羊の頭のスープ』)”が、まさかのデラックスエディション登場!
というワケで、今回はこのアルバムについて書き綴る。
(注:オリジナルアルバムのみについてのレビューです)
いや、まさかこのアルバムのデラックス版が発売されるとは思ってもいなかった、というのが正直な感想だ。
ストーンズのアルバムを語る上で最高傑作と呼ばれているのが68年作『ベガーズ・バンケット』から72年作『メイン・ストリートのならず者』までの4枚で、その後、世に出た『山羊〜』は滋味な印象を与える作品のように思えたからだ。
とはいっても、僕はこのアルバムを聴いた当時から大好きな1枚だったりする。
初めて聴いたのは高校生の頃だったと記憶しているが、いきなり“Dancing With Mr.D”の呪術的なドロ臭いロックンロールから始まるものだから、ここで抵抗感を露わにする人達が多いのだろう。
ロックンロールを代表するバンドとして知られるストーンズなのに、オリジナルアルバムにはロックナンバーよりじっくり聴かせるスローナンバーの方が多いのも意外で拍子抜けしたのを覚えている。
しかし、このアルバムにはとにかくスローナンバーの名曲が沢山収録されており、代表曲の“Angie”をはじめ、キース・リチャーズがリードボーカルを担当している“Coming Down Again”、それに、以前にも紹介した“Winter”があったりと、ノレるタイプの楽曲は少ないかもしれないが何度も聴くうちにのめり込むスルメ的な味わいがある。
特に“Winter”に関しては、個人的にストーンズのスローナンバーの中でも1、2を争う名曲だと思っている。
……が、この曲って何故か世間では知られておらず、しかも「ストーンズが好き」と言ってこのアルバムを所有している人ですら「こんな曲、自分の持ってるCDに入ってたかな?」と言われる始末だったりする。それほどちゃんと聴かれていないアルバムなのかな、と悲しくなる。
もしこのアルバムを所有していたら、もう一度ちゃんと耳を傾けて聴いてほしい。
ミック・ジャガーの哀愁あるボーカル、ミック・テイラーの流麗なギターソロ、ゲストミュージシャンのニッキー・ホプキンス(この頃はほぼレギュラー扱いだった)をはじめとするピアノ伴奏、民族楽器を多用した演奏、ストリングスによる大々的なアレンジ……。
この後、僕がシューゲイザーやドリームポップといったジャンルにのめり込んでいったのも、もしかすると、このアルバムと次作『イッツ・オンリー・ロックンロール』でのメロウな楽曲群を聴いていたことで土台が出来ていたのかもしれない、と今になって思う。
今、この『山羊の頭のスープ』を久々に聴いていると、当時の思い出と共に自分の音楽遍歴を辿ることで、全ては繋がっているのだと感じている。
Coming Down Again
https://youtu.be/DMLUCuoEtB4
Winter
https://youtu.be/W3U_fP1dXq4
Silver Train
https://youtu.be/iOUetwr3h04
Angie
https://youtu.be/2K7jMLS-7iw
All The Rage
https://youtu.be/jRUdEzQQUdI
LOVE.
ドラマ『世紀末の詩』とJohn Lennon “Love”
今から2年前、『小説を書こう』と決めた頃、野島伸司が脚本を担当したドラマ『世紀末の詩』の小説版を購入したのだが、その表現力や世界観に圧倒されてしまい、50ページほど読み進めた後、続きを読めなくなっていた。
『天才というのはこういう人のことを言うのか!!』と感じ、正直に告白すると、読むのが怖くなってしまったのだ。
なんせこっちは『さあ、今から頑張って自分のオリジナル作品を書いていこう!』と意気込んでいた矢先に、いきなり頂点を見せつけられたような気がしたからだ。
音楽で例えるなら、『今からプロになってやっていこう』と志した者がビートルズに挑むような感覚と同じだと思った。
それはあまりにも無謀な挑戦に思えたし、『自分にここまで出来るのか?』と考えさせられた作品でもあった。
そのため、『世紀末の詩』の続きを読めなくなった僕は、再び読める覚悟ができるようになるまで、この作品を封印したのだ。
奈落の底に突き落とされたおかげで、本をはじめ、映画や他の人達が書いた文章だけでなく、普段の生活全般において、それまで以上に“考察する力”を養えたと実感している。
今年に入ってやっと自分でも頭に描いたものが形に出来るようになり、noteで自作の短編小説を発表し、『もう一度、挑戦してみよう』と覚悟を決め、2年振りに『世紀末の詩』の続きを読み始めた。
もちろん凄いのは今でも変わらないが、2年前に感じた圧倒的な壁はいつの間にか取り除かれたように感じ、抵抗なく読破できたのだった。
それも、この『世紀末の詩』にもう一度挑戦したい、という気持ちが心の奥底にずっと残っていたからだと思っている。
この作品が指標となっていたからこそ、自分で書いた作品に納得がいかず、ひたすらボツにしていったのだと思う。
今回、読破できたことでまた自信がついたし、これからもっともっと良い作品を作りたいと刺激になった。
ちなみに、TVドラマ版の主題歌がジョン・レノンの“Love”だというのも今回初めて知り、この曲を久々に聴いたのだった。
ドラマ版はまだ第1話しか観ていないが、この曲と野島伸司の生み出す世界が自然とマッチしているように感じたし、寂しげに歌い上げるジョンの声がより一層、作品を盛り上げていた。
そして、映像で観て、また新しい壁を突きつけられたのである。
『俺はまだまだやな』と思わされたが、壁をブチ壊すまでやってやろうと良い目標が出来た。
最近よく思うのが、映画、小説、絵画、それに音楽といった芸術はそれぞれ分野も違うが、共通する部分も沢山あると感じている。
やはり、優れた作品に触れれば触れるほど感性がより磨かれるし、これからも素晴らしい作品に出合って刺激をもらい、吸収して自分の人生に活かしていこうと思う。
Love
https://youtu.be/7er_xx7Wmg8
LOVE. CALL ME.
Handmade THE VINES CD BOX
先週、恩人であり友人のLさんからザ・ヴァインズ(THE VINES)の手作りCD BOXを頂いた♪
「アルバムが8枚あるバンドなら作れるから、ひとつ作ってプレゼントするよ」とのことで、当初はコクトー・ツインズをリクエストしていたのだが、作る時に急遽変更させて頂いた。
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外箱は1st“HIGHLY EVOLVED”のアートワークで……
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中箱は2nd“WINNING DAYS”。
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側面や底もチョー凝ってる!!
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オリジナルアルバム7枚+ホワイト・シャドウズ(WHITE SHADOWS)名義でのアルバム1枚で、合計8枚ぴったし入った♪
ヴァインズ、久々にちゃんと聴いたよ。
青春の音楽のひとつ。
『クレイグ(ボーカル&ギター)どうしてるかな……』と思いながら、何だかんだでずっと続いているバンドだったりする。
(殆どクレイグのソロっぽくもあるが 苦笑)
手作りってのが本当に嬉しいね。
最近は本腰入れて執筆しているためなかなか時間が取れないが、こうやって応援してくれる人達の存在が僕にものすごいエネルギーを与えてくれている。
Lさん、世界にひとつしかないCD BOXをありがとう♪
Homesick
https://youtu.be/YPhbn0Yz_A0
Mary Jane
https://youtu.be/0PhZST392OY
Channel V 2002 (LIVE Full version)
https://youtu.be/XGHzr0xJKI0
LOVE
最近の活動についてなど……
今回はまた個人的な話を思いつくままに書き綴るので、興味無い方はスルーすべし!
最近の活動や今後の目標について少しまとめてみようと思う。
以前、当ブログに書いた通り、アプリやGoogle Playなどにある“note(ノート)”にて自作の小説を発表している。
主に連続小説だが、ひとつの記事がそんなに長くないため、3分もあれば読破できる内容にしている。
こうやって新たに活動を始めたのは皆さんお察しの通り、自分の書いた本を世に出そう、という思いでやっている。というか、僕は本気で本を世に出すと心に決めている。
何故そう考えるようになったかというと、遡れば今から2年前になる。
僕は某SNSで約11年間、音楽系の文章を書き続けていた。
今思い出すと赤面するような記事だが、それでも高校生の頃から聴いてきたロックに関して感じてきた思いというのがあり、僕を救ってくれた音楽に対して自分なりに恩返ししたいという気持ちがあったからだ。
その気持ちは今現在もこうして続けている当ブログでも同じなのだが、約2年前に某SNSを辞めると決めた頃、3人の方から「近い将来、あなたは本を出すことになるでしょう」と言われた。
“本を出す”なんて発想自体、生まれてから一度も考えたことがなかったが、その人達は「僕の文章は正直で嘘が無く、面白い」と言っていて、それから意識し始めるようになった。
しかし、何を書いていいかも分からないし、好きな音楽の魅力を知らない人達に分かりやすく伝えることは出来ても、物語を生み出すというのはまた全然違うため、とにかく試行錯誤の繰り返しが続いた。
最初に自分の半生を大学ノートにまとめてみて、それが2カ月かかった。そうとう変わった人生を歩んできてるな、と思いながら、人生の節目節目で感じてきた感情がフラッシュバックして、最後は泣きながら書き終えたのを覚えている。それが、2018年の7月31日だった。
それからは完全な創作に入ったが、もう、全然ダメ。どれだけボツにしたか分からない。先ず、書き方そのものが分からない。
当ブログを続けているのも“好きな音楽の魅力を伝える”のは今も変わらないが、とにかく自分が今感じているものを吐き出すように書くことで文章力や表現力、伝える力を鍛える場としてやっている部分もある。
……で、何が言いたいかというと、やはり続けていれば上達するし、成長していってるのが自分でも分かるようになるのだな、コレが。
まともな長編小説を初めて書き終えたのは今年2月のことで、『物語を書こう』と決めてから1年半もの年月が過ぎていた。
その間、コツコツ続けてはボツの繰り返しだったため、何度も自信を無くしかけたが、形にできて、最後まで書けたことで手応えを感じ、今に至っている。
途中で周りから色々言われることもあったが、それでも自分を信じてやることが大切だと実感している。
(ちなみに初の長編小説は、多分、ボツにすると思います……)
振り返ってみると、“note”でオリジナル小説を書き始めたのも、タイミング的に今がベストだったと思っている。
去年の7月から環境がガラリと変わったのもあり、『先ずは1年掛けて新しい環境に適応しよう』と決めていたし、この1年間に決めていた目標がかなり達成されていたことに最近気が付いた。
そして、次のステップに進むため、今また新しいチャレンジを始めている。
新しい人達との出会いも沢山あり、以前から僕を信じて応援してくれている人達にも支えられ、それらが刺激となって自然に導かれるように一歩一歩進んでいる感じだ。
1人で居る時もやることが沢山あるが、とても充実している。
僕にはどうしても逢いたい人がいて、その人との約束を守るためにも邁進していこうと決めている。
これからだね、これから。うん!
……というワケで、今夜の曲はジョージ・ベンソン(George Benson)のアルバム“Breezin' ”から。
アルバムタイトル曲“Breezin' ”を初めて聴いたのはCS放送のミュージックエアネットワークでの番宣でだったが、たった1分ほどの映像を観ただけで、この曲に聴き惚れてしまったのである。
ロックも良いが、こういう大人のジャズ/フュージョン系の楽曲も聴くとより感性が深まるね。
Breezin' (LIVE 1977)
https://youtu.be/kVc5rCl0BIs
Affirmation
https://youtu.be/peXeXadf1D4
LOVE
Mick Jagger (ミック・ジャガー)
昨日は俺の永遠のアイドルであるミック・ジャガー(Mick Jagger)さんの誕生日だったので、おめでとうついでに思いつくままに書き綴る。
(記事の最後にまた音源を色々添付しているが、エド・サリヴァン・ショーでの“Gimme Shelter”なんかは高校生の頃に衛生放送の特集を観てブッ飛んでしまったので必見です。是非ご覧あれ!)
昔と比べると最近はローリング・ストーンズ(THE ROLLING STONES)を聴くことも減った…………ように思うだけで、実際はけっこうフツーに聴いてるかも(……って、どっちやねん!)。
いや〜、やっぱりストーンズがキッカケでロックを聴くようになったし、今もある人とストーンズネタの話をする機会があるため、話題に出ると聴きたくなるんだよな。
それにしても、ミックさん、昨日で77歳になってしまったのか?!
ひ孫もいてるが、本人も現役バリバリで何年か前にまた自分の子供が生まれたニュースもあったな。
……う〜〜む、相変わらずじゃのう。
しかし、スリムな体型を維持し続けているのも本当に凄いが、声質も声量も変わらないというのは驚愕だな。バケモンだよ(←注:良い意味で)。
ストーンズのメンバーはもちろん全員好きだし、日本では相棒のキース・リチャーズの方が人気あるのも知っているが、それでも俺はミック・ジャガーが一番好きだな。
ストーンズが今も現役で、1回のライヴで数万人から数十万人のファンを熱狂させ、ブラジルでのフリーコンサートでは120万人もの観客を動員(しかも2回も!)できるのは、歳とっても自己管理を怠らないミックが居るおかげだと思っているし、間違いなくそのはずだ。
あれだけ広いステージをミックが所狭しと端から端へと動き回り、歌って踊れるおかげで観客も“観る楽しみ”を味わえている。
もしミックがジョン・ライドン(元セックス・ピストルズ)のような不摂生を続けていたら、ストーンズはもっと滋味なライヴ活動を行っていたはずだ。
いつまでも年齢を感じさせないエネルギッシュなミックを観ていて感じるのは、“ロックやポップスをやっている人達の限界を引き上げ続けている”、ということ。
バンド自体も前人未到の領域に足を踏み入れているが、ボーカリストとしてもパフォーマーとしても未知の領域を邁進し続けるミック・ジャガー。
やはり、これからも俺のアイドルだな、うん。
The Last Time (LIVE 1965)
https://youtu.be/UhRjvYO-WsI
Gimme Shelter (Ed Sullivan Show 1969)
https://youtu.be/oVPM4H_x3AM
Fool To Cry (1975)
https://youtu.be/B-2MenrnR2U
Just Another Night (LIVE AID 1985)
https://youtu.be/hNt-Tpm3J9k
You Can't Always Get What You Want (2020)
https://youtu.be/N7pZgQepXfA
LOVE
Bernard Butler / A Change Of Heart
一昨日の夜中からまたバーナード・バトラー(Bernard Butler)のソロ作品を聴いている。
当ブログでも何度か書いているし、彼がソロ時代に発表した楽曲って僕の知っている限り32曲ほどしかないのに、しつこいかなと思いつつ、こうやって曲を聴いているといろんな思い出が蘇ってくる。
……というか、32曲もあったんだなと、逆に驚きだな。
全ての楽曲に思い出があり、やはり特別な存在だと思ったし、今でもそうだ。
このシングル盤も本当に素晴らしく、たった3曲しか収録されていないのに一生手放せないCDとなっている。
しかし、“A Change Of Heart”がYou Tubeにちゃんとした音源が無いのは何故なんだろう?PVはあるが映像は汚く音源もザラつきまくりなので、誰かアップし直してほしいと切に願う。
以前はYou Tubeに無かったカップリング曲の“More Than I Thought”と“My Domain”がアップされていたのは有り難い。どれも名曲。
こうやって彼の歌声を聴いていると、もうすっかり諦めている3rdソロアルバムを今でも出してほしいという思いに駆られてしまうなぁ……。
More Than I Thought
https://youtu.be/siCas5rXF_I
My Domain
https://youtu.be/NhJTJp6YN_E
A Change Of Heart (LIVE1998)
https://youtu.be/SqlA8Wt6rIM
LOVE
SUEDE / COMING UP (1996)
今回はスウェード(SUEDE)が96年に発表した3rdアルバム“COMING UP”について。
90年代のイギリスでは“ブリットポップ”と呼ばれるムーヴメントが勃興し、オアシスを中心に華やかなバンドがいくつも登場した。
スウェードもそんな中でデビューしたバンドのひとつで、僕はこのバンドの2ndアルバムまでは聴いていたが、それ以降の楽曲といえばシングル曲をまとめたアルバム“Singles”でしか耳にしていなかった。
何故そうしていたのかというと、僕はオリジナルギタリストのバーナード・バトラーの生み出す官能的なギターと楽曲が好きだったからだ。バーナードに関しては以前にも何度か当ブログで書いたので、そちらをご覧頂けたらと思う。
バーナード・バトラーは2ndアルバム完成直後に脱退し、作品が世に出る頃には既にスウェードのメンバーではなくなっていた。
僕はこのバンドの1stアルバムを一時期車でヘヴィロテするほどお気に入りだったが、スウェード自体にのめり込むことはなかったし、その後バーナードのソロの方が好きになってしまったのもあり、『バーナード・バトラーの居ないスウェードってどうなのよ?!』と思い、完全にスルー状態だった。
しかし、先ほど書いた『シングルス』に収録されている楽曲を聴いているうちに『バーナード脱退後も良い曲が沢山あるんだな』と感じていたし、やはりこのバンド最大のキーパーソンはボーカルのブレット・アンダーソンに他ならないと確信した。
グラムロックから多大な影響を受けたというブレットの歌声は、聴いた瞬間に彼だと分かるほど特徴的で、この声は好き嫌いがハッキリ分かれる類のものだ。
実際、『曲は良いけど、声が嫌い』と言う人が僕の周りでもいたが、逆に言うと、好きな人にはとことんハマるタイプの歌声なのかもしれない。
サンデイズのハリエット・ホイーラーしかり、ザ・スミスのモリッシーしかり、彼らにしかない歌声や歌い方をしている人ってのは本当に好き嫌いが分かれるもんだな、とつくづく思う。
ちなみに僕はブレットの声がかなり好きなのだが、個人的に彼との間に因縁があったりするのだ。
(詳しくはここには書けないが、事情を知ってる人達はその話を聞いて驚愕しています…… 苦笑)
そんなわけで、バーナード脱退後のオリジナルアルバムを聴き出したのはかなり後になってからのことで、ぶっちゃけて言うと2013年に発表された再結成アルバム“BLOODSPORTS”からだったりする。
2003年に一度解散するまでの間に発表された3rdから5thアルバムも遡って聴いてみると、これが思っていた以上にどれも良作で、そんな中でも特にこの3rd『カミング・アップ』はポップな名曲が多く、最近では初期のアルバムよりもお気に入りとなっている。
シングルカットされたM1“Trash”やM3“Lazy”、それにM6“Beautiful Ones”は前述の『シングルス』でもお気に入りでよく聴いていたし、このアルバムに限らず3rd以降の作品群を通して聴くと『おおっ、ちゃんとスウェードしてるやん!!』と感じた。
楽曲そのものも変化しつつもちゃんと初期の路線を引き継いでいるのが伺える。
2ndまではバーナード・バトラーが全ての楽曲だけでなく、デモの段階で各担当楽器のアレンジまでも完璧に仕上げていたため、他のメンバーは毎日パーティー三昧だったという。
完璧主義者で音楽バカで天才のバーナードを失ってしまった残りのメンバーは内心焦っただろうが、逆にそれがキッカケで一丸となり、真摯に音楽と向き合うことでこの作品を産み出せたのだろう。
Trash
https://youtu.be/-PdKGDMhau4
Lazy
https://youtu.be/YP2enk5w5fk
Beautiful Ones
https://youtu.be/xqovGKdgAXY
This Time (B-side)
https://youtu.be/DqOwh1Zn6MA
CALL ME
SPECTRUM / Highs, Lows And Heavenly Blows (1994)
今回はスペクトラム(SPECTRUM)が1994年に発表した2ndアルバム“Highs, Lows And Heavenly Blows”の思い出を書き綴っていく。
スペクトラムは元々バンド形態だったが、このアルバム以降はピーター・ケンバーというミュージシャンのソロプロジェクトのひとつとなっている。
つい先日、ピーター・ケンバーが“ソニック・ブーム(Sonic Boom)”名義で新作を発表したこともあり、久々にこのスペクトラムのアルバムを聴いている。
以前紹介したスピリチュアライズドの記事に少し書いたが、80〜90年代初頭までイギリスで活躍したバンド“スペースメン3(SPACEMEN 3)”のもう一人の中心人物がピーター・ケンバーで、彼がバンド解散後に結成したのがこのスペクトラムだ。
スペースメン3の残りのメンバーが結成したスピリチュアライズドは90年代の英国ロックを代表するバンドとなり、ピーター・ケンバーと知名度だけでなく商業的な成功面においても雲泥の差があるはず。
しかし、僕が最初に知ったのはUKロックファンに認知されているスピリチュアライズドでもなく、その前身バンドのスペースメン3でもなく、このスペクトラムだったりする。
多分、こういうパターンはヒジョ〜〜〜ッに珍しいはず……。
以前、レッド・ハウス・ペインターズの記事で「生まれて初めてジャケ買いした」と書いたが、記憶を辿ってみるとそれよりも前にジャケ買いしたアルバムがあったのを思い出し、それがスペクトラムだった。
18歳の頃に中古レコード店で偶然見つけたのがこのアルバムで、ジャケットの何ともいえない抽象的なアートワークに惹かれて手にしたのを今でもよく覚えている。
ジャケットを裏返すと“SILVERTONE RECORDS”のロゴが目に止まった。
シルヴァートーン・レコードといえばストーン・ローゼズの1stアルバムで知っていたが、調べていくうちにこのレーベルには他にも僕の知っているミュージシャンが何人か在籍していた。
その中にはジョン・リー・フッカーやボ・ディドリーといった古い黒人ブルースマン達も新作を発表しており、更にジョン・メイオールもアルバムを出していた。
ジョン・メイオールはアマチュア時代のローリング・ストーンズのメンバーを自身のバンドで演奏させ、あのエリック・クラプトンがデビューした時に在籍していたのがジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズで“ブリティッシュ・ホワイトブルースの父”とも呼ばれている人だ。
この頃には前述したストーン・ローゼズを筆頭に、ザ・スミスやニュー・オーダーといったインディーレーベル出身のバンドを意識するようになっていたのだが、普通ならレーベルの特色というか、所属しているバンドやミュージシャン達に音楽性などで共通するものがあるのに、このシルヴァートーンはミュージシャンのカラーも曖昧でまとまりの無いレーベルだと感じていた。
ただ、その時点で僕はローリング・ストーンズ関連の書籍をかなり読み漁っていたため、それらの古いミュージシャンのことを知っていたのが良かったのだろう。
“まとまりは無いが、音楽史に貢献した過去の偉人達と契約を交わしたレーベル”として僕は認識していたし、シルヴァートーンから発表した初期ストーン・ローゼズの楽曲群が大好きだったのもあり、そんな理由でこのスペクトラムのアルバムを購入しようと決めたのだった。
前置きが長くなったが、このアルバムはアートワークそのままの“音”を聴かせてくれる、サイケデリックの隠れた名盤だ。
全編を通し漂ってくるアナログシンセ独特の温もりが気持ちよく、スピーカーから流れてくる音に全神経を注いでいた。
耳に入ってくるのはひたすら現実逃避したようなサウンドで、カーテン越しに差し込んでくる陽光と共に聴いていると身体がとろけていくような錯覚に陥り、それが心地良くて毎日のように流していた。
そして、“音楽に酩酊(めいてい)する”という表現があるが、僕が生まれて初めて音楽を聴いて酔う感覚に襲われたのがスペクトラムのこのアルバムだった。
高校生の頃からロックにのめり込み、毎日いろんなバンドの音楽を聴いていたが、ハマればハマるほど同世代の人達とのズレが生じていくという葛藤がずっと僕にはあった。
周りの同級生たちが最新の流行やJ-POPの話で盛り上がっていた中、一人だけこんなにディープな世界へと足を踏み入れてしまったため、皆の口にする話題がつまらなく感じ、無理に合わせるような器用な真似もできず孤独に浸っていた。
『俺って何で皆と同じような感覚じゃないんだろ』と長い間悩み続けてきたが、今振り返ると、実はあの頃の自分は幸せだったんじゃないかな、と感じている。
当時は苦しくて苦しくて仕方がなかったが、周りの価値観に流されず、自分が『本当に良い』と思えるものに夢中になれたのだし、今も変わらずこのスペクトラムのアルバムを聴いてこんなに幸せな気持ちになれるのだから、ロックにはそれだけの価値があるのだと思っている。
今ではロックを通じて音楽好きの仲間も増えたし、自分自身も成長して沢山の人の価値観を理解できるようになったのだから、遠回りしているかもしれないけれど、これで良かったのだろう、きっと。
“Highs, Lows And Heavenly Blows”を聴きながら、過ぎ去った年月を思い出し、今も僕はこのアルバムに耳を傾けている。
Undo The Taboo
https://youtu.be/8tbEaAHyXe4
Take Your Time
https://youtu.be/Pqz0P-YtvYU
I Know They Say
https://youtu.be/3tVrx9py1Fw
Thank You !! See you !!
ROXY MUSIC / AVALON (1982)
最近、ミュージシャンやバンドのキャリアを逆から遡っていく“逆聴き”にハマっている。
(“逆聴き”というのは僕が勝手に作った造語だが、ラストアルバムから1stアルバムに近付くにつれてどんどん音がマニアックになっていく様が感じられて面白いので、皆さんも是非一度お試しあれ 笑)
……というワケで、今回はロキシー・ミュージック(ROXY MUSIC)が1982年に発表したラストアルバム“Avalon”について。
名プロデューサーとして知られているブライアン・イーノが在籍していたバンドということでこのロキシー・ミュージックを聴き始めたが、イーノが在籍していた初期の音楽はとにかくひと癖もふた癖もある“変な音楽”を演っていたため、これがなかなか取っ付きにくかった。
今ではその革新的な音楽性の凄さが分かるし、どの楽器も洗練されていて、“変な音楽”のはずなのに、実はそれが計算し尽くされているのも彼らの楽曲を聴いて伝わってくるのだが、それに気付くまでに随分と時間が掛かってしまった。
今年に入ってからコロナウイルスの影響もありプライベートで外出する機会が減ったため、その間にロキシー・ミュージックのアルバムをひたすら逆聴きしていた時期があったのだが、とりわけこのラストアルバム『アヴァロン』をよく聴いていた。
奇抜な音楽を演っていた初期とは打って変わり、ロキシーの後期はAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック=“大人向けのロック”という意味)的で、どちらかというと“洗練されたポップミュージック”という印象が強い。
もう一人の“ブライアン”であるボーカルのブライアン・フェリーの歌も大人の落ち着いた雰囲気を醸し出しており、ジャケットのアートワーク同様に神秘的な音に包まれている。
ロキシー・ミュージックの各アルバムを聴いているうち、個人的にはこの『アヴァロン』が今のところ一番好きで何度もリピートしている。
熱狂的なロキシーファンからすれば初期のグラムロックを演っていた音楽性を好むのだろうが、“聴きやすさ”や“グッドメロディー”という分かり易さ、取っ付き易さという点で僕はこのラストアルバムが気に入ってるのだと思う。
(実際、今もこの『アヴァロン』を聴きながらブログを書いているが、『何でこんなに素晴らしい音楽を作れるんだろう?』と思いながら感動していたりする(笑)。いやマジで)
朝の通勤中に空を眺めながら聴くのも良し、夜空を見上げながら聴くも良し。
とりわけ月を眺めながら聴いているとこのアルバムは染みるね。
あと、このロキシー・ミュージックのアルバムアートワークはどれもインパクト大で、僕はこの『アヴァロン』をCDで所有してはいるが、こういうアートワークこそやはりレコードで持っていたいと思わされてしまう。
もし出来るのであれば、このアルバムが発売された1982年にタイムスリップして、レコード屋で『アヴァロン』のジャケットを手に取って、アートワークを眺めながら針を落とし、耳を傾けてみたい。
リアムタイムでこんなに素晴らしいアルバムを聴いていた人達が羨ましいと、本気で思ってしまう。
More Than This
https://youtu.be/kOnde5c7OG8
Avalon
https://youtu.be/bpA_5a0miWk
True To Life
https://youtu.be/8qOqoFd4SVs
LOVE
THE STROKES (ザ・ストロークス)
今回はニューヨークのバンド、ザ・ストロークス(THE STROKES)について書き綴る。
2000年代初頭、世界同時多発的に“ロックンロール・リヴァイヴァル”と呼ばれるブームが起きた。その代表的なバンドがザ・ストロークスで、ここ日本でも各音楽誌がこぞって彼らを大々的に紹介していたのを今でも覚えている。
しかし、ストロークスの取り上げられ方はちょっとした異常さを僕は感じていた。
何の前触れも無くいきなり登場してきた新人バンドを巻頭ページの特集にあて、メンバー写真をデカデカと見開き2ページに渡り挿入し、次ページからはバンドの徹底レビュー。
つい先月までの音楽誌にはそんな情報は一切無かったはずなのに、本当に突然の出来事だった。
正直、面食らったというか、『えっ?!何が起きたの???』という印象だった。
それがひとつの音楽雑誌のみなら『ああ、この雑誌の次のイチオシはこの人達なのか』と納得していただろうし、それならまだ分からないでも無かったが、この時の取り上げられ方は今思い出しても本当に異常で、毎月何冊も発売されていた音楽誌が同時に彼らを大特集していた。
この頃の僕はというと、海外ロックに興味を持って数年が経った頃で、自分にはまだインターネットの環境も整っておらず、情報源は毎月発売されるロッキング・オンやクロスビート等の音楽誌で、そこで新しい情報を得られるのを毎月楽しみにしていた。
そうやっていつも愛読していた何冊もの音楽誌でも、こんな取り上げられ方はそれまでの数年間に一度も無かった。
“ロックンロール・リヴァイヴァル(=ロックンロールの復活)”という表現も、毎日のように大音量でロックばかり聴いていた僕には違和感がありまくりだった。
そして、それから間髪入れずにMTVなどでストロークスの楽曲が毎日流れるようになり、“Last Nite”のPVでその曲を聴いた時、とにかく音がペナペナだと拍子抜けしたのを覚えている。
1stアルバムの収録曲に“The Modern Age”というタイトルもあったが、『どこが“Modern Age(現代)”なんだ?!』とツッコミどころ満載だった。
(1st“Is This It”)
彼らの音作りは70年代に活躍したモダン・ラヴァーズのようで、現代どころか四半世紀前の音に思えたし、アルバムを通して聴くと同郷であるニューヨークの大先輩バンド、テレヴィジョンにそっくりだった。
インタビュー記事を読んでいるとストロークスのメンバー達も「テレヴィジョンに似ている」とよく言われていたそうだが、その度に彼らは「皆そう言うけど、マジで聴いたこと無いんだって!!」と必死に否定していた。
だが、聴けば聴くほどテレヴィジョンに音が酷似しているし、『絶対に知ってるだろうし、寧ろ大好きだろ!!』と言いたくなった。
そんなわけで、僕はストロークスに対して少しばかりの嫌悪感を抱いていたし、どうせ聴くのであれば高校生の頃から愛聴しているテレヴィジョンのアルバムを聴く方を選んだ。
余談だが、ロックンロール・リヴァイヴァル(今でも僕は完全にメディアが作り上げたシーンだと思っているが)と呼ばれたシーンの中で好きになったのはヴァインズやハイヴス、それにヤー・ヤー・ヤーズといったバンド勢で、よりパンキッシュな音を好んでいた。
当時の僕はアメリカのロックバンドに対し、「大衆受けする、深みの無い音楽をやる人達ばかり」だと思っていたのもあったせいで、それは大雑把でただワイワイ騒いで楽しむだけの“中身の無い大金を投じたハリウッド映画”と同じ匂いがしているように感じていた。
(注:今はアメリカにもいろんなタイプのバンドが居ると知ったので、あくまでこれは当時の感想です)
そんな僕でも2003年発表の2nd“Room On Fire”に収録されている先行シングル“12:51”を初めて聴いた時はちょっとした感動を覚えたりしたものだった。
(2nd“Room On Fire”)
黄昏時、カーラジオから流れたこの曲を聴いた瞬間、初めて聴く曲なのにどこか懐かしさを感じ、誰の曲かも分からなかったが『ひょっとしてコレ、ストロークスの新曲じゃないのかな?』と思ったら、やはりその通りで、『やっぱりこのバンドだと分かる“音”を出しているんだ』と感嘆した。
そんな経緯もあり2ndはそれなりに聴いてはいたが、それから先のストロークスは追わなくなっていた。
多分……というか、正直なところ、僕自身このバンドがそんなに好きでは無かったんだろう。
3rdの先行シングル“You Only Live Once”のPVは下水道の汚水に埋没する演出が面白いと思ったがアルバムを購入するまでには至らず、それから5thアルバムまでは一切聴いていない状態だった。
ただ、ここ何年かに行ったいくつかのライヴで出会った人達に「好きなバンドは?」と聞くと、かなりの人がストロークスの名前を挙げていたので、その間に僕の中でこのバンドの見方が変わってきた気がする。
2000年以降にロックを聴き始めたリスナーにとってストロークスというバンドがリアルタイムの音であり、“Modern Age Music(現代の音楽)”なんだと、その時に初めて思った。
そして、2013年に5thアルバムを発表してからバンドとして活動している様子も無かったため、『そういやストロークスってもう解散したのかなぁ』と思っていた矢先、今年(2020年)初頭に7年振りのニューアルバムが発表された。
(6th“New Abnormal”)
僕にとって特別好きなバンドではなかったはずなのに、解散せずにまだ続いているというのが“いちロックファン”として素直に嬉しかった。
最新のメンバー写真を見ても、全員デビュー当時よりも痩せていてスタイリッシュな雰囲気を漂わせていたし、その佇まいだけで期待できるのではと思った。
実際に曲を聴いてみると、相変わらずジュリアン・カサブランカス(ボーカル)はモッサイ歌い方をしていて(失礼!)、聴いた瞬間に『おお、ストロークスだ!!』と安堵するアルバムで、やはりテレヴィジョンからの影響が窺えて(笑)、だけど彼らだと一聴して分かる音だった。
21世紀に入ってからロックを聴き始めた人達にとって、彼らの健在ぶりは余計に嬉しい出来事だったに違いない。
Last Nite
https://youtu.be/TOypSnKFHrE
The Modern Age (LIVE2001)
https://youtu.be/KU8VOrgUwgI
12:51
https://youtu.be/LPAVDHo1Elc
You Only Live Once
https://youtu.be/pT68FS3YbQ4
Bad Decisions
https://youtu.be/5fbZTnZDvPA
LOVE
THE BLUE NILE / HATS (1989)
今回はザ・ブルー・ナイル(THE BLUE NILE)が1989年に発表したアルバム“HATS”について書き綴る。
書き綴るとはいっても、僕がこのバンドを知ったのはつい最近のことで、またSpotifyの“album radio”から偶然彼らの音楽が流れてきたのを耳にしたからで、バンドについては何も知らないのである。
僕は就寝時も音楽を流し続けていて、その際は微かに聴こえるほどの小さな音量でスピーカーから音を出して眠りに就いている。
『熟睡している時は音楽を掛けている意味が無いんじゃないのか?』と思われるかもしれないし、確かにそうなのかもしれない。
だが、たまに夢の中でその時に掛かっている楽曲が流れることがあって、それが良い音楽であればあるほど“良い夢”を見られるような気がするのだ。
多分、完全にリラックスした状態でいる時が一番音楽を吸収しやすいのかもしれない。
眠っている時に何処からかグッドミュージックが流れてきて、何の先入観も持たずにスーッと耳に入り、心身の疲れを癒やしてくれる。
勿論、起きてる時にも音楽は聴いているが、どうしても脳ミソでゴチャゴチャ考えすぎて聴いていることもあるので、逆に知らない音楽に対して魅力を見い出せなかったりするため、この“眠りの時間”に好きになったバンドがけっこういたりする。
“HATS”収録の“The Downtown Lights”か“Saturday Night”のどちらか忘れたが、これも一聴しただけで身体に染み込んでくる感じがして、目覚めてからこのバンドをチェックしてはアルバムをひたすらリピートするようになった。
そして、CDの置き場所が無いため最近はアルバムの購入をなるべく控えていたのだが、『コレはどうしても盤で持っていたい!!』という作品にはちゃんとお金を投資するようにしている。
ザ・ブルー・ナイルの“HATS”もあれからSpotifyで何度も何度もリピートし、これは手元に置いておくべきアルバムだと思い、購入に至った。
最近はなるべく気分が落ち着く音楽を好んで聴くことが多いので、今夜もまたこのアルバムを掛けて脳と身体を休ませている。
お疲れ気味の方にもお勧めする。
The Downtown Lights
https://youtu.be/tNgSwtRqLmg
Headlights On The Parade
https://youtu.be/qTUKxyeunR0
Saturday Night
https://youtu.be/et5opRAv_OU
LOVE
MEW / MEW, And The Glass Handed Kites (2005)
2020年6月9日(火)、大阪の梅田クアトロにてデンマークを代表するバンド、MEW(ミュー)のライヴへ……
……行くはずだったが、コロナウイルスの影響で延期となってしまった。
このライヴ、めちゃくちゃ楽しみにしていたのに残念すぎる(泣)。
しかし、延期の日程も発表されているので(大阪は2021年1月19日)、その頃にはコロナが収束していると願って気長に待っていよう。
今回のライヴは2005年に発表した“MEW, And The Glass Handed Kites”の15周年記念ツアーだったので、ライヴレビューの代わりにこのアルバムについて再考察してみようと思う。
MEWは特に好きなバンドのひとつで、個人的にもこのアルバムが一番のお気に入りだったりする。
90年代、インディーズ時代に母国デンマークで2枚のアルバムを発表していたMEWだが、世界デビューを飾ったのは2003年の“Friengers”で、この頃から欧米をはじめ、ここ日本でも紹介されていった。
そして、僕がMEWの存在を知ったのが2005年のサマーソニックで、そこで彼らのステージを偶然観て、北欧独特の冷たく、ドリーミーな世界観に一発で持っていかれてしまったのだ。
この話は以前に当ブログにも書いたはずなので、また機会があればご覧頂けたらと思う。
サマソニで観たMEWのライヴが8月15日で、このアルバムが発売されるのが9月と知り、何の先入観も無しに生で聴いた楽曲の衝撃が忘れられずにいた。
サマソニの翌日に早速“Friengers”を購入し、ライヴでも演っていた曲もあり、何度もリピートした。
だが、それ以上に一ヶ月後に発売される予定のアルバム“MEW, And The Glass Handed Kites”が楽しみでしょうがなかった。
ライヴで完全に惹き込まれた瞬間があり、それが“MEW, And The 〜”収録のM6“Special”とM7“The Zookeeper's Boy”の流れで、その静と動の対比があまりに完璧だったからだ。
その時は気付かなかったが、今思い返すとレッド・ツェッペリンの“The Song Remains The Same”から“Rain Song”の流れにも通ずる壮大な組曲のようで、曲調や創造している音世界は全く違えど、演奏のダイナミズムは似ていると僕は感じている。
そうして聴いたこのアルバムはM1“Circuitry Of The Wolf”からまるでプログレッシブロックばりの“一大組曲”が展開していき、相当な期待をしていたのをはるかに凌駕した出来で、『完璧だ!!』と思わされた。
僕も今までにいろんなミュージシャンの音楽を聴いてきたが、“完璧”とまで思わせてくれたアルバムは数えるほどしかなかった気がする。
それでも、このアルバムに関しては個々の楽曲全てが素晴らしく、通して聴くことで何十倍にも輝きが増す作品となっている。
ハッキリ言って、欠点が無い。
このアルバムが中古屋で格安で売られているのを見る度に腹が立ってしょうがない。
こういう“本物”にこそお金を投資する価値があると僕は思っている。
色々書いたが、延期となったこの“MEW, And The Glass Handed Kites”15周年記念ツアーでは、是非とも完全再現してほしい。
それは、このアルバムを初めて聴いた時からずっと願っていたことだから。
Fox Cub 〜Apocalypso 〜
Special 〜The Zookeeper's Boy
https://youtu.be/zqt8-FJsdQU
A Dark Design
https://youtu.be/2alIDMo8CCA
The Seething Rain Weeps For You
https://youtu.be/7fbNVPWut-Y
LOVE