シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

RIDE / NOWHERE(1990)

【生まれて初めて体験した“覚醒する衝撃”】


f:id:shoegazer1990:20171221014325j:plain


自分は16歳の頃にローリング・ストーンズのライブ映像をテレビで観たのがキッカケでロックに目覚め、高校生の頃はストーンズを中心に60~70年代の名盤と言われるアルバムと、当時WOWOWで特集していたMTV時代のバンド(ボン・ジョビ、Mr.ビッグ、エアロスミス、Guns N' Roses、KISS等)を中心に聴いていた。
その頃にとあるレコード屋の店長と親しくなり、ストーン・ローゼズブラック・クロウズを教えてもらい、それからは80~90年代のアメリカンオルタナティブロックやイギリスのインディーレーベルのバンド等も聴く様になり、しばらくしてマイ・ブラッディ・ヴァレンタインやライド等の“シューゲイザー”と呼ばれるジャンルの存在を知る事になった。

マイブラの『ラブレス』を聴いた時は正直言ってよく分からなかった。だけど、何となく毎日聴いていた感じだった。

その後、当時は廃盤になってたと思われるライドの1st『ノーホエア』を中古屋で発見し、購入。帰宅して直ぐにCDを再生した瞬間、アルバムジャケット通りの“音の波”が襲いかかってくる錯覚に陥ってしまった。

生まれて初めて体験する“轟音”。

このアルバムは全編に渡ってメロディーが他の盆百のバンドと比べ物にならないぐらい飛び抜けて素晴らしいが、最初に聴いた時は『ああ、良い音楽だな』なんて思う隙すら与えてくれなかった。

今まで生きてきて、映画やドラマを観たりサッカーなどのスポーツで感動して涙を流した事が何度もあったけれど、このアルバムを聴いた時はそれまでの人生で感じた事のない衝撃が襲いかかってきたのを今でもハッキリと覚えている。

本当に“覚醒”する様な体験。

脳ミソの眠っている部分がこのアルバムを聴いた事によって目覚める様な感覚。

このアルバムで何かを感じた人達は“自分のそれまでの価値観を根底から覆されるぐらいの衝撃を受けた”と僕は思っている。皆、それぐらいの体験をしたはずだ。

個々の楽曲は言うまでもなく素晴らしく、1曲目“Seagull”から完全にこのアルバムの世界に入り込める。

ただ、自分は今までいろんな人達にこのアルバムを貸したりしてきたけど(それこそバンドブーム世代の人や日本の音楽しか聴かない人、洋楽好きでもハードロック中心に聴いてる人、流行りの音楽が好きな人、それにプロミュージシャンなど)、この世界観が分かる人と分からない人がハッキリと分かれるというのを知った。

勿論、人それぞれ好みはあるし、それは音楽ジャンルにも当てはまるからべつに良いと思っている。
だけど、このアルバムを聴いて“何かを感じた人”は確実に自分の中の“何か”が変わるはずだ。

僕のレビューを読んでこのアルバムが気になった人は、一聴してみる価値はありますよ。

(このアルバムを聴く時はヘッドフォンをして、できるだけ大きな音で聴く事をお勧めします。ドライブ中にBGM代わりとして軽々しく聴けるタイプの音楽ではないし、ハードディスクに取り込んで聴くなんてしない様に!徹底して考え抜かれた“曲間”も台無しになるので、絶対にやらないで下さい)

Nowhere

Nowhere

f:id:shoegazer1990:20171221014812p:plain