Steve Lukather / LUKE(1997)
【『バンドマンのソロ作品には良いのがあまり無い』と思っている人達に聴いてほしいアルバム】
TOTOのアルバムはベスト盤を聴いたぐらいの僕だけど、最近になって何となく購入したこのスティーヴ・ルカサーのソロアルバムはお気に入りの1枚になっている。
正直、有名なバンドに在籍しているメンバーのソロ作品は微妙なものが多いと思っていて、僕の周りにもそう思っている人達ってけっこういてたりする。
何人かの人間が集まってぶつかり合いながらもお互いの個性を発揮し、時間を掛けて産み出すものには“バンドマジック”が存在していると僕は思っていて、それは絶対に間違いないだろう。
だけど、そんな中でもたまに所属バンドに居る時よりも自分のやりたい事を100%自由にやれて名作を産み出せるミュージシャンがいて、そういうアルバムを発見した時は“いちプレイヤー”としての才能や実力がハッキリと分かって面白いし、彼らが在籍しているバンドの聴き方も変わるキッカケになったりする。
そんな“新たな発見”となった1枚がこのスティーヴ・ルカサーの3rdで、歌はピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアみたいな声質で深みがあるし、ギターも“先ず楽曲ありき”な作り方で弾きまくらないけど味があって曲に色を添えているのが伝わってきて、とてもバランスのとれたアルバムだと思う。
楽曲はカントリーテイスト溢れるものがあったりAORなものがあったりストレートなロックを聴かせてくれたりと王道なサウンドではあるけれど、どれも物凄くクオリティーが高くて何度もリピートしたくなってしまう。
M5なんかはAメロがボブ・ディランの『天国への階段』みたいに聴こえたりして、彼のバックグラウンドを感じる事ができる。
そして、最終曲のM11でのグルーヴィーな演奏は彼のギタリストとしての本領を発揮しているだろうし、ハイライトに相応しい名曲だ。
昔から活躍しているベテランバンド達が90年代に出した作品ってあまり良いのが無かった記憶があって、個人的にはそんなアルバムよりもこのスティーヴ・ルカサーのソロ作品の方が音楽的によっぽど良いと感じた。
(60~80年代にデビューしたミュージシャンで90年代に発表して個人的にお気に入りだったのがポール・ロジャース『マディ・ウォーター・ブルース』やゲイリー・ムーア『スティル・ゴット・ザ・ブルース』等)
これを機に、スティーヴ・ルカサーの他のソロ作品とTOTOのオリジナルアルバムを本格的に聴いていこうと思っている。
- アーティスト: スティーヴ・ルカサー
- 出版社/メーカー: ソニーレコード
- 発売日: 1997/06/11
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る