シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

John Squire(ジョン・スクワイア)

今回はザ・ストーン・ローゼズ(THE STONE ROSES)のギタリスト、ジョン・スクワイア(John Squire)の思い出を書き連ねよう。


f:id:shoegazer1990:20180903230444j:plain


先ずは、ジョン・スクワイアの経歴を簡単にご紹介。



1984年にストーン・ローゼズを結成。


89年に1st“THE STONE ROSES”でアルバムデビュー。


f:id:shoegazer1990:20180903233624j:plain
(1stアルバム期)

作曲だけでなくレコードのジャケットアートも担当していた彼は“根っからのアーティスト”だった。

94年末に2ndアルバム“SECOND COMING”を発表するも、96年3月にバンドを脱退。


f:id:shoegazer1990:20180903233752j:plain
(2ndアルバム期)

ローゼズ脱退後、直ぐにザ・シーホーセズ(THE SEAHORSES)を結成し、97年にアルバムデビュー。
99年初頭には2ndアルバムの完成と発売予定も噂されたが、メンバー間の不和により、いきなり解散する。


f:id:shoegazer1990:20180903233827j:plain
(シーホーセズ時代)


その後はシーホーセズ時代のドラマーだったマーク・ヒーニー、元ザ・ヴァーヴのベーシストのサイモン・ジョーンズ、それに当時若干19歳の元モデルだったダンカン・バクスターをボーカルに迎え“リラクタンス”というバンドを結成。……するも、これまた活動が軌道に乗らず、レコードデビューすら無いまま解散。



(リラクタンスの記事)

https://shoegazer1990.hatenablog.com/entry/2021/05/10/RELUCTANCE_%28%E3%83%AA%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%29_%E3%80%88John_Squire%27s_Skunkworks%E3%80%89



長い沈黙を経て2002年に突如ソロアーティストとして自らボーカルをとり2枚のソロアルバムを発表。……するも、今度は「音楽への情熱を失ってしまった」と言い残し、2004年頃からは完全に音楽を辞め、画家として活動するようになる。


f:id:shoegazer1990:20180903233938j:plain
(ソロアーティスト時代)


f:id:shoegazer1990:20180903234015j:plain
(画家時代)


長い間、音楽を辞めていた彼だったが、2011年にストーン・ローゼズが再結成し、現在に至る……。
(しかし、これも再解散してるっぽい?!)




……と、長いキャリアのわりに発表したアルバム枚数や音源が極端に少なすぎるミュージシャンで、ローゼズというバンドもジョン・スクワイア自身もファンの期待をことごとく裏切ってくれた(泣)。

ホント、期待を何度裏切ってくれた人か分からない。

ローゼズがとっくに解散してからファンになった僕がそう思うぐらいだから、リアルタイムでファンだった人達のガッカリ感はそんなモンじゃないんだろうな……。



それなのに、何故か今でもこの人のことが好きな自分がいる。


僕にとってもストーン・ローゼズというバンドは何だかんだ言ってもやはり特別な存在で、それというのも80年代以降のロックといえば巷でヒットしてるガンズ・アンド・ローゼズやMr.ビッグ、それにボン・ジョヴィなど流行りのバンドしか知らなかった自分の世界を一気に開花させてくれた人達だったからだ。

ローリング・ストーンズがきっかけでロックファンになった高校生の頃、当時通ってたレコード屋の店長に勧められたストーン・ローゼズの“Sally cinamon”のシングルを聴いたおかげで『……あっ、こんな良い曲やってるバンドがいてるんだ!』と思い、それから本格的に80年代以降に登場したバンドの音楽を聴くようになったし、それが無ければシューゲイザーやドリームポップと言われる音楽にたどり着くことがなかったかもしれない。

そう考えるとこのローゼズとの出会いは物凄く大きくて、自分の中では“小さなビッグバン”が起こったんだと思っている。



それに、彼の佇まいや髪型だけでなく、ファッションセンスはもちろん、優しそうな顔も好きだったし、見るからに内向的で、1人で自分の世界に浸るのが好きなタイプだったのも魅力を感じた。



あと、何と言ってもやはり彼の産み出した楽曲やギターフレーズからは、ずっと聴き続けていると“ジョン・スクワイアという人間”を覗き込める瞬間があって、それでますます好きになっていった。

そして、彼が関わった全てのアートワークを自身で手掛けていたのも、絵を描くのが昔から大好きだった僕の感性にぴったりとマッチしたもんだから、どんなにダメダメでも嫌いになれない自分がいてるんよね。


f:id:shoegazer1990:20180904001301j:plain
f:id:shoegazer1990:20180904001319j:plain
f:id:shoegazer1990:20180904001330j:plain
f:id:shoegazer1990:20180904001344j:plain
(ジョンが手掛けたアートワーク)




僕が初めて生でジョン・スクワイアを観たのは、ストーン・ローゼズが再結成してから2年後の2013年サマーソニック大阪に出演した時だった。


この頃の僕は精神的にもぼろぼろの状態だったんだけど、『ジョン・スクワイアに逢える!!』という気持ちだけで会場へ行ってたのを覚えている。


彼らがトリを務めるマウンテンステージの周辺を昼過ぎからうろうろし、万が一、ジョンに逢えた時に、彼が聴いたら絶対に気に入るだろうと思って用意したサンタナのアルバム『キャラバンサライ』を鞄に入れてずっと探していた。
(やはりというか、どこにも居なかったけど)


そして、人波を掻き分けて最前列に行き、それもちょうどジョンの目の前の位置に陣取った。少しでも彼を近くで観ていたいという気持ちだけでやれたんだから、我ながら大したもんだと思う。


自分でもこの時に初めて気付いたことがあって、僕はストーン・ローゼズというバンドが好きだけど、それ以上に『ジョン・スクワイアという人間が好きなんだ』ということがハッキリと分かってしまった。



初めて生で観たジョン・スクワイアは僕が知ってるジョンより少し髪を伸ばしていたが、やっぱり最高にカッコ良かった。

ギタリストとしてはまだまだリハビリ中といった感じで無難な演奏をしてたのはしょうがない。

それでも、ソロアーティストとしてのジョンでも無く、シーホーセズのジョンでも無く、“ストーン・ローゼズのギタリストとしてのジョン・スクワイア”を生で観ることができたのは本当に嬉しかったし、ほんの数メートル先で黙々とギターを弾き続けている彼を観て、『ジョン、またこのメンバーでバンドをやれて本当に良かったなぁ……』なんて感極まり涙が流れた。





去年、2017年にストーン・ローゼズ日本武道館で単独公演を行い、それも僕の友人から誕生日プレゼントとしてチケットを頂いた。



『私よりストーン・ローゼズが好きだし、その日は行けなくなったので、自分は翌日の追加公演に行きます』



と言って渡されたそのチケットを握りしめて、自分の足で初めて日本武道館へ行き、今思い返すとそこから人生が大きく好転していったような気がする。



ホント、自分を支えてくれている友人たちをはじめ、今まで出会ったたくさんの人達に感謝してるし、人生のドン底にいた時に再結成して生で観ることができたジョン・スクワイアイアン・ブラウン、レニ、マニのストーン・ローゼズのメンバーは裏切られても嫌いになれないだろうし、ずっと好きでいるんだろうな。









THE STONE ROSES / Waterfall(LIVE)
https://youtu.be/iJhq5rTGGns


THE SEAHORSES / Love Is The Law(LIVE)
https://youtu.be/f2sCiKoqKN4


JOHN SQUIRE / MARK HEANEY / SIMON JONES(JAM)
https://youtu.be/gOKFKQ7cf1s


f:id:shoegazer1990:20180904005947j:plain


(THE STONE ROSESの記事)
https://shoegazer1990.hatenablog.com/entry/2019/03/01/THE_STONE_ROSES_/_The_Stone_Roses%281989%29?_ga=2.107596738.1947094162.1523076954-1379661237.1511483358