JOY DIVISION(ジョイ・ディヴィジョン)
ずっと前から気になっていた映画『コントロール』を観た。
この作品は23歳の若さで亡くなったジョイ・ディヴィジョン(JOY DIVISION)のボーカル、イアン・カーティスの伝記映画で、彼の妻が書いた原作を元に映像化したものだ。
僕がジョイ・ディヴィジョンを聴いたのは18歳頃だったと記憶している。
先日書いたハッピー・マンデーズやストーン・ローゼズが中心となった“マンチェスターブーム”から80~90年代の英国ロックを探求し始めた頃に、ニュー・オーダーを聴いたのがそもそものキッカケだった。
ニュー・オーダーはイアン・カーティスが自殺しこの世を去った後、残されたメンバーで結成したバンドで、インディーダンスという音楽の心地好さを僕に教えてくれた人達だ。
そうなると、自然と前身バンドであるジョイ・ディヴィジョンの存在が気になるのは当然で、中古レコード屋で見つけた彼らの1stアルバム“UNKNOWN PLEASURES”を迷わずに購入した時のことは今でもハッキリと覚えている。
しかし、このアルバムはニュー・オーダーのダンスミュージックを気に入って聴いていた僕の予想を大きく裏切り、粗削りな“パンク”だったのだ。
そして、何よりもイアン・カーティスの歌声は狂人的で、陰鬱さが蔓延するその音世界には全く“救い”が感じられず、歌詞も分からないのに『これにハマってしまうとヤバいことになる……!!』という拒絶反応が起きてしまい、直ぐにアルバムを手離してしまった。
そんな過去の出来事があったのに、今再びジョイ・ディヴィジョンを聴いてるんだから、自分の中で冷静にイアン・カーティスという人間を観られるだけの余裕が出来るようになったんだと感じている。
映画『コントロール』で語られているイアン・カーティスは、僕が初めてジョイ・ディヴィジョンを聴いて感じた通りの人物だった。
登場する人々も、街も、物語も、そしてイアン・カーティス自身も陰があり、幸せな場面でも哀しみに満ちている。
ナレーションは一切無く、登場人物が発する言葉と感情のみで語られた作品。
それでも、全編モノクロームで撮られたこの作品は、排他的であるにも関わらず、全てが美しいのだ。
彼の生涯は、ずっとこの映画のような世界だったんだろうな。
Discorder
https://youtu.be/9ryJB-FF_Jg
Isolation
https://youtu.be/SyZoOSrldR4
Love Will Tear Us Apart
https://youtu.be/zuuObGsB0No
Transmission
https://youtu.be/6dBt3mJtgJc