Nomart Spring Live “immersion #2” Part①(2019.03.28)
2019年3月28日(木)、大阪市にあるギャラリーノマル(Gallery Nomart)にて行われたライヴイベント“immersion #2”。
今回のフライヤーを初めて見た時から、ずっとこの日を楽しみにしていた。
それは、ちょうど1年前の2018年3月28日に、ここノマルで行われたライヴに出演されたジョン・クラウスバウアー(John Krausbauer)+鈴木花織の二人が放つドローンミュージックに魅了されてしまったからだ。
(2018年のライヴレビュー)
https://shoegazer1990.hatenablog.com/entry/2018/04/01/211059?_ga=2.74114770.1947094162.1523076954-1379661237.1511483358
ジョン氏と鈴木氏の“Estatic Music Band”をはじめとする三つのデュオが出演した今回のライヴについて書き残していく。
定刻の20時になり、ノマルオーナーの林聡さんが今夜のライヴについて軽く説明をされていたが、出演順を逆に言われており、舞台裏から.es(ドットエス)saraさんの
「林さ~~ん!順番が逆です~~!!」
という声が響いてきた(笑)。
……なんか、林さんの言い間違いをsaraさんがそっとツッコむというのも毎回観ているような気がするのだが?!
それも“阿吽の呼吸”みたいに息ピッタリなのである(笑)。
ということで、先ずはそのsaraさん(ピアノ)とチェロ奏者のkiyoさんという女性二人のデュオからライヴがスタートした。
普段、ドットエスでコンビを組んでいる橋本孝之さんが放つサックスやハーモニカなどの音は荒々しく吼える演奏に対し、kiyoさんのチェロは静謐(せいひつ)で、極端なほど印象が違う。
攻撃的な橋本さんの音とパフォーマンスを毎回観ていた分、チェロという楽器を使い、冷たい空気が迫ってくる感覚は、大袈裟でなく180度違っているようにみえた。
saraさん独特のピアノ演奏も、kiyoさんの音と共鳴するように、今夜は静かに会場内を包んでゆく。
すると、kiyoさんはいきなりチョッパーベースばりに親指で弦を跳ねる。
ここから、クラシック音楽をルーツにする二人が、“完全即興”という未知の世界へと僕らを連れていく。
ピアノの調律弦を爪弾いたのが合図のように、そこから少しずつ空間がねじ曲がっていく。
会場内を静寂の音で包み込む。
次に登場したのは、普段は“秘部痺れ(ヒブシビレ)”というバンドでベーシストとして活動している821(ハニィ)さんとFuji-Yukiさんのデュオ“Sarry”。
ライヴというよりも“儀式”と呼んだ方がしっくりくる。そんなステージを披露していた。
真っ黒な衣装に身を包んだ、呪術的なパフォーマンス。
ハニィさんの低音とFuji-Yukiさんの高音は、まるで悪魔払いの儀式のようにも見えた。
(目を瞑って、ずっと音に耳を傾けていたジョン・クラウスバウアーさん)