THE VERVE / VERVE E.P.(1992)
この5月はほとんど読書ばかりして過ごしていたので、そんな時にBGMとしてロックを流すと、どうやら自分の耳が“ロック耳”になっているようで、音にばかり意識が集中してしまう。
そりゃ~もう何年もの間ロックを中心に音楽をずっと聴き続けてきたんだから、自然とそうなっていたのは何ら不思議ではないか。……なんて妙に納得していたのである(笑)。
読書(特に小説)に集中するのにジャズが自分には最適だと感じていて、アダルトな雰囲気が本の世界により入り込みやすくしてくれていたのかもしれない。
……というわけで、最近はロックを聴いてなかったが、そんな僕を再び引きずり戻してくれたのがイギリスはウィガン出身のザ・ヴァーヴ(THE VERVE)の初期作品で、今週に入ってからはヴァーヴとボーカリストであるリチャード・アシュクロフトのソロ作品ばかり聴いて過ごしている。
1年ほど前にもヴァーヴのことを書いたけど、あの記事はあんまり良くなかったんで(汗)、今回は彼らの初期作品についてじっくり考察してみようと思う。
僕にとってヴァーヴというバンドは“最強のサイケデリックバンド”のひとつだし、今回改めて聴き直してみて、初期の彼らがやっていた音楽というのは他に例を見ないほど稀有な存在だと感じた。
こういう音楽性とポテンシャルの高さで同等のレベルにあるバンドといえば、これも以前に書いた初期マーキュリー・レヴぐらいしか思い浮かばない。
1stアルバムを世に出す前年の92年に3枚のシングル(“All In The Mind”、“She's A Superstar”、“Gravity Grave”)を立て続けに発表したが、今では貴重な品なので、僕が今手元に持っているこれらの音源は編集盤やベスト盤で聴いている。
(VERVE E.P.)
(NO COME DOWN(B SIDES & OUTTAKES))
この2枚と2005年に発売されたベスト盤で初期の音源が網羅できる。
ヴァーヴはデビュー当時から1stフルアルバムまではそうとう“イッちゃってる音楽”をやっていた人達で、実際にメンバーもそうとうイッちゃってた人達とのことだ。
まあ、そうでなければこんなヤバい音楽を生み出すことなんて絶対に出来ないし、それに音を聴いているだけでも個々のメンバーがどれだけアクが強くて個性的なのかが伝わってくる。
メンバー全員の技量も申し分無いし、とりわけギターのニック・マッケイヴは90年代にデビューしたギタリストの中で一番個性的な音を出すミュージシャンだと思っている。
それに、初期ヴァーヴの一番の特長として僕が感じているのは、妖しい音楽なのに“メロディーがしっかりしている”ということだ。やはりこれは、彼らが英国ロックの伝統をしっかりと受け継いでいるからに他ならない。
幻覚・幻聴を感じさせるサイケデリックミュージックに耳馴染みの良いメロディーを混ぜ合わせた彼らの音は、今聴いても唯一無二の存在だ。
All In The Mind
https://youtu.be/S_3GqfaOKBY
One Way To Go
https://youtu.be/6dMYO4W61e8
She's A Superstar
https://youtu.be/1xIGyp9efXU
Gravity Grave
https://youtu.be/66Hu-tx1urg
T6/4 19:30-23:00