Phil Collins / NO JACKET REQUIRED (1985)
今回はフィル・コリンズが1985年に発表した“NO JACKET REQUIRED”に収録されている“Take Me Home”を通して、僕の個人的な想いを書き綴る。
MV(ミュージックビデオ)で好きなものはいくらでもあるが、ひとつだけ選ぶとすればフィル・コリンズの“Take Me Home”と昔から断言していて、それは今も変わらない。
このMVが好きな理由は、映像と音楽だけで世界中を旅しているような気分に浸れるからだ。
冒頭でフィル・コリンズが家を出て車に乗り、旅立っていく。
ニューヨーク、ハリウッド、ロンドン、パリ、東京、シドニー……世界中のあらゆる場所で撮られた『テイク・ミー・ホーム』のMVは、1985年という年の、世界の風景を記録した映像集のようだ。
まだケータイもDVDも存在しておらず、パソコンもほとんどの家庭に無く、テレビもアナログ。
今の時代と比べれば不便だろうけれど、そこに映る空や太陽は今も昔も変わらない。
だけど、富士山や夕日を背にして歌うフィル・コリンズを観ていると、二度と戻ってこない瞬間を捉えているように見える。
何となしに眺めていた景色が、その後何十年も覚えていることってある。
このMVを観ていると、その感覚に近い気がする。
歌詞も心の琴線に触れるものがたくさんある。
“不安そうな顔をしないで”
“自分のやることは自分で探す”
“くよくよ悩むのはもうやめたよ”
“生まれてこのかたずっと縛られていた”
これらの歌詞は、自分の生き方を求めて遠くへ行った人へ、そして、今の僕自身に送りたい。
不安で押し潰されそうになったら、良い音楽を聴いて心を落ち着かせたらいい。
どんなに遠くへ行っても、大切な人を想う気持ちは変わらない。
今も僕達は、二度と戻ってこない一瞬を生きている。
『テイク・ミー・ホーム』のMVを観るたびに、僕はそんな風に思っている。
Take Me Home
https://music.youtube.com/watch?v=sRY1NG1P_kw&feature=share
One More Night
https://music.youtube.com/watch?v=V3bwo3zg1kk&feature=share
LOVE