THE ROLLING STONES / A BIGGER BANG (2005)
先日発表されたニューシングルがキッカケとなり、またローリング・ストーンズを中心に聴く日々を過ごしている。
ただ、ストーンズのスタジオ盤を聴く時はいつもなら“黄金期”と呼ばれるミック・テイラーがメンバーだった頃(正確にはその前年である68年から)と、81年の“TATOO YOU”までで、それ以降の作品といえば『ついでに聴いてやるか』程度の扱いだった。
だが、今回は83年の“UNDERCOVER”以降の作品ばかりを聴き返していて、こうして改めて聴いていると新たな発見もあったりするから面白いものだ。
そんなわけで、今回ご紹介するのは現時点でのオリジナルスタジオアルバム最新作である“A BIGGER BANG”について書いていこう。
最新作といっても2005年の作品なので、もう15年(!)も経ってしまっている。
その間にブルースのカバーアルバムも出してはいるが、オリジナルアルバムはこれ以降出ていない。
バンド自体は毎年のようにツアーを組んだりと精力的に活動しているので気にならないし、寧ろオリジナル曲だけでも膨大なストックがあるため、新作を出さなくても全然構わないというのが正直な意見だったりする。
この『ア・ビガー・バン』は発売日に購入して当時はよく聴いたしお気に入りの1枚だったが、どうしても60~70年代のストーンズの楽曲と比べてしまうと見劣りしてしまい、今では数年に1回しか聴いていない。
だが、今このアルバムにこうして真剣に耳を傾けていると、最高にグルーヴィーでロックンロールしていて、単純にカッコイイのだ。
全16曲で収録時間も約64分と、レコードだと2枚組のボリュームになるため、途中で聴くのが疲れてしまい後半の楽曲の印象が薄くなっていた。
……が、中盤から後半にかけてまたストーンズ節が炸裂しており、キース・リチャーズのリフから始まりチャーリー・ワッツのドラムが絡む王道のパターンで、ミック・ジャガーは彼独特の粘っちい歌声を披露し、ロン・ウッドはソロで好き放題に弾きまくっている。
最高やん!!と、思ってしまった(笑)。
そして、後半の楽曲の良さを知った後、再び前半の楽曲を聴き返してみると、これまた以前より輝きを増しているように感じるのだ。
バラード曲はミック主導の元で作られたと思われるが、それでもこのメンバーが集まって演奏するとストーンズの音になるのだから、やはり“バンドマジック”が存在している。
サポートミュージシャンを最小限に抑えてほぼバンドメンバーだけで演奏しているし、何より聴いているとメンバー全員楽しんでいるのがこっちにまで伝わってくる。
ところで、僕はこの作品が『ストーンズ最期のオリジナルスタジオアルバムになるんじゃないかな』と当時思っていた。
彼らのデビューアルバムのUK盤ジャケットにはバンド名もアルバムタイトルも付いておらず、暗闇の中にメンバーが写っていたが、『ア・ビガー・バン』でも同じように写っているのを見て、これがラストアルバムになる予感がしたのだ。
しかし、ストーンズは今も転がり続け、ニューアルバムのレコーディングも進めている。
ホント、とんでもない連中だ。
これから先、このアルバムが再評価されるなんてことはなかなか無いだろうし、話題になることもあまり無いだろうが、円熟味を増した連中が鳴らす正統派ロックンロールは2000年以降の若いリスナーにも感じるものがあるはずだ。
Rough Justice
https://youtu.be/LVQmSEoO27M
Driving Too Fast
https://youtu.be/OXZZsa4WI4s
Look What The Cat Dragged In
https://youtu.be/dOj-Yjs7Vi0
Streets Of Love (LIVE)
https://youtu.be/UfA2hODCVAI
Oh No, Not You Again (LIVE)
https://youtu.be/Bo447TqA5Nw
5/10 18:00-0:00