映画『クロウ 飛翔伝説』とシューゲイザーバンドMEDICINE(メディスン)
今回はブランドン・リー主演の映画『クロウ 飛翔伝説』とアメリカのシューゲイザーバンド、メディスン(MEDICINE)について書き綴っていく。
主演のブランドン・リーは香港映画スターのブルース・リーの息子で、この映画の撮影中に事故死したという、彼の遺作であり、曰く付きの作品だ。
ブランドン・リー主演だと『ラピッド・ファイアー』という作品しか観たことが無く、この『クロウ』で彼が亡くなった話は知っていたのだが、どうにも観ようという気にはなれずにいた。
それは『ラピッド・ファイアー』があまりに普通のアクション映画で、父親譲りのカンフーアクションも見せてはいたが、観賞後に『ああ、この人もやっぱり親の七光りなのか……』と感じたため、遺作もつまらなかったらどうしようという不安しかなかったからだ。
しかし、この『クロウ』は映画ファンの間でマニアックな人気があるのも後々知ることになり、サウンドトラックに関してもナイン・インチ・ネイルズやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、それにキュアーなどそうそうたる顔ぶれが名を連ねており、それも長いあいだ心に引っ掛かっていた。
それでも『ラピッド・ファイアー』の印象が強過ぎたために『ガッカリしたらどうしよう』となかなか観る気になれなかったのだ(苦笑)。
そして、つい先日やっと意を決し『クロウ 飛翔伝説』を観賞したのである(笑)。
映画を観た感想は…………「超絶最高!!」の一言(笑)。
『何でもっと早よ観んかったんやろ?!』と心底後悔してしまった。
Blu-rayのトップメニュー画面から全体に流れるダークな雰囲気とBGMで『コレは良い作品なんじゃないか』と感じたし、映画の冒頭シーンからそのゴシックホラーな世界観に惹かれた。
遂に『ラピッド・ファイアー』での汚名を返上してくれたのである(笑)。
ブランドン・リーのスラッとした筋肉質な肉体美と妖艶(ようえん)な演技に魅了されてしまい、ブルース・リーの息子云々(うんぬん)は関係なく、“アクションスター、ブランドン・リー”と言える存在感を放っていた。
得意のアクションもカンフーを封印し、スタイリッシュにキメまくっていた。
『この人、今も生きてたら一体どんな作品を残していたんだろう?』と思うと同時に、これが遺作になったのが残念でならなかった。
更に冒頭にも書いた通り、この映画にはアメリカのバンド、メディスンが登場している。
悪党共の巣窟である建物の下がライブハウスで、そのステージの上で彼らは代表曲“Time Baby Ⅲ”を演奏していた。
話では聞いたことはあったがすっかり忘れていたので、このシーンは俺みたいなシューゲイズ好きにはたまらんかったよ(笑)。
しかし、オーディオコメンタリーで制作者の話を聴いて知ったのが、当初はイギリスのカーヴに出演してもらう予定だったが、都合がつかずメディスンに変更したということだ。
正直言って、カーヴが演奏しているバージョンも観たかった……。
ちなみにブルース・リーには二人の子どもがいて、シャノン・リーというブランドンの妹がいる。
そして、このシャノン・リーさんは2002年にメディスンが再結成した際、新ボーカリストとして加入したそうだ。
映画内でメディスンが演奏しているシーンを観ながら、そんな話をふと思い出してしまった。
世界的カンフーアクションスターであるブルース・リーの遺伝子たちがあのメディスンと関わっていた……。
昔の香港映画を観て育ち、シューゲイザーという音楽に魅了された僕にとって、何だか不思議なご縁を感じたのだった。
Time Baby Ⅲ
https://youtu.be/DorLHLxvrFM
Miss Drugstore
https://youtu.be/RQw-Lf-Duro
One More
https://youtu.be/zmT12GyXBbc
LOVE