ROXY MUSIC / AVALON (1982)
最近、ミュージシャンやバンドのキャリアを逆から遡っていく“逆聴き”にハマっている。
(“逆聴き”というのは僕が勝手に作った造語だが、ラストアルバムから1stアルバムに近付くにつれてどんどん音がマニアックになっていく様が感じられて面白いので、皆さんも是非一度お試しあれ 笑)
……というワケで、今回はロキシー・ミュージック(ROXY MUSIC)が1982年に発表したラストアルバム“Avalon”について。
名プロデューサーとして知られているブライアン・イーノが在籍していたバンドということでこのロキシー・ミュージックを聴き始めたが、イーノが在籍していた初期の音楽はとにかくひと癖もふた癖もある“変な音楽”を演っていたため、これがなかなか取っ付きにくかった。
今ではその革新的な音楽性の凄さが分かるし、どの楽器も洗練されていて、“変な音楽”のはずなのに、実はそれが計算し尽くされているのも彼らの楽曲を聴いて伝わってくるのだが、それに気付くまでに随分と時間が掛かってしまった。
今年に入ってからコロナウイルスの影響もありプライベートで外出する機会が減ったため、その間にロキシー・ミュージックのアルバムをひたすら逆聴きしていた時期があったのだが、とりわけこのラストアルバム『アヴァロン』をよく聴いていた。
奇抜な音楽を演っていた初期とは打って変わり、ロキシーの後期はAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック=“大人向けのロック”という意味)的で、どちらかというと“洗練されたポップミュージック”という印象が強い。
もう一人の“ブライアン”であるボーカルのブライアン・フェリーの歌も大人の落ち着いた雰囲気を醸し出しており、ジャケットのアートワーク同様に神秘的な音に包まれている。
ロキシー・ミュージックの各アルバムを聴いているうち、個人的にはこの『アヴァロン』が今のところ一番好きで何度もリピートしている。
熱狂的なロキシーファンからすれば初期のグラムロックを演っていた音楽性を好むのだろうが、“聴きやすさ”や“グッドメロディー”という分かり易さ、取っ付き易さという点で僕はこのラストアルバムが気に入ってるのだと思う。
(実際、今もこの『アヴァロン』を聴きながらブログを書いているが、『何でこんなに素晴らしい音楽を作れるんだろう?』と思いながら感動していたりする(笑)。いやマジで)
朝の通勤中に空を眺めながら聴くのも良し、夜空を見上げながら聴くも良し。
とりわけ月を眺めながら聴いているとこのアルバムは染みるね。
あと、このロキシー・ミュージックのアルバムアートワークはどれもインパクト大で、僕はこの『アヴァロン』をCDで所有してはいるが、こういうアートワークこそやはりレコードで持っていたいと思わされてしまう。
もし出来るのであれば、このアルバムが発売された1982年にタイムスリップして、レコード屋で『アヴァロン』のジャケットを手に取って、アートワークを眺めながら針を落とし、耳を傾けてみたい。
リアムタイムでこんなに素晴らしいアルバムを聴いていた人達が羨ましいと、本気で思ってしまう。
More Than This
https://youtu.be/kOnde5c7OG8
Avalon
https://youtu.be/bpA_5a0miWk
True To Life
https://youtu.be/8qOqoFd4SVs
LOVE