ドラマ『世紀末の詩』とJohn Lennon “Love”
今から2年前、『小説を書こう』と決めた頃、野島伸司が脚本を担当したドラマ『世紀末の詩』の小説版を購入したのだが、その表現力や世界観に圧倒されてしまい、50ページほど読み進めた後、続きを読めなくなっていた。
『天才というのはこういう人のことを言うのか!!』と感じ、正直に告白すると、読むのが怖くなってしまったのだ。
なんせこっちは『さあ、今から頑張って自分のオリジナル作品を書いていこう!』と意気込んでいた矢先に、いきなり頂点を見せつけられたような気がしたからだ。
音楽で例えるなら、『今からプロになってやっていこう』と志した者がビートルズに挑むような感覚と同じだと思った。
それはあまりにも無謀な挑戦に思えたし、『自分にここまで出来るのか?』と考えさせられた作品でもあった。
そのため、『世紀末の詩』の続きを読めなくなった僕は、再び読める覚悟ができるようになるまで、この作品を封印したのだ。
奈落の底に突き落とされたおかげで、本をはじめ、映画や他の人達が書いた文章だけでなく、普段の生活全般において、それまで以上に“考察する力”を養えたと実感している。
今年に入ってやっと自分でも頭に描いたものが形に出来るようになり、noteで自作の短編小説を発表し、『もう一度、挑戦してみよう』と覚悟を決め、2年振りに『世紀末の詩』の続きを読み始めた。
もちろん凄いのは今でも変わらないが、2年前に感じた圧倒的な壁はいつの間にか取り除かれたように感じ、抵抗なく読破できたのだった。
それも、この『世紀末の詩』にもう一度挑戦したい、という気持ちが心の奥底にずっと残っていたからだと思っている。
この作品が指標となっていたからこそ、自分で書いた作品に納得がいかず、ひたすらボツにしていったのだと思う。
今回、読破できたことでまた自信がついたし、これからもっともっと良い作品を作りたいと刺激になった。
ちなみに、TVドラマ版の主題歌がジョン・レノンの“Love”だというのも今回初めて知り、この曲を久々に聴いたのだった。
ドラマ版はまだ第1話しか観ていないが、この曲と野島伸司の生み出す世界が自然とマッチしているように感じたし、寂しげに歌い上げるジョンの声がより一層、作品を盛り上げていた。
そして、映像で観て、また新しい壁を突きつけられたのである。
『俺はまだまだやな』と思わされたが、壁をブチ壊すまでやってやろうと良い目標が出来た。
最近よく思うのが、映画、小説、絵画、それに音楽といった芸術はそれぞれ分野も違うが、共通する部分も沢山あると感じている。
やはり、優れた作品に触れれば触れるほど感性がより磨かれるし、これからも素晴らしい作品に出合って刺激をもらい、吸収して自分の人生に活かしていこうと思う。
Love
https://youtu.be/7er_xx7Wmg8
LOVE. CALL ME.