THE PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND / EAST WEST (1966)
今回はポール・バターフィールド・ブルース・バンド(The Paul Butterfield Blues Band)が1966年に発表した彼らの2ndアルバム“EAST WEST”について。
このアルバムについて書こうと決めたのは、昨日、今年初のディスクユニオン大阪へ行った時のこと。
レコードコーナーでやたらイキの良いブルースが流れているなと思い、聴き覚えはあるのだがどうしても思い出せず、スマホのアプリ“シャザム”を使って表示されたのがこのアルバムの1曲目“Walkin' Blues”だった。
昔、好きでよく聴いていたアルバムだったのに、パッと出てこなかったという。
そんなことがあり、何年ぶりか分からないくらい久しぶりにアルバムを聴き返したのだが、白人がプレイしているブルースで僕が知っている限りでは一番黒いノリを体現している連中だと感じた。
以前から当ブログで書いている通り、僕の原点はローリング・ストーンズで、彼らも黒人のブルースから多大な影響を受けたバンドだ。
他にもエリック・クラプトン率いるヤードバーズやデレク&ザ・ドミノスをはじめ、60年代にデビューした白人ブルースバンドは一通り聴いていると思うが、良くも悪くも、どのバンドも黒人の重たいリズムに比べるとノリが“軽く”て、そんなポップでキャッチーな音が当時の世界中の若いリスナーにウケたのだろう。
しかし、このバンドはそんなお洒落に洗練された連中とは違い、音が“黒い”のだ。
この感覚は実際に聴いて感じるしかないと思うし、他のバンド勢や当時の音に触れてみないと理解できないかもしれない。
バンド名にもなっているポール・バターフィールド(ボーカル&ハーモニカ)と、最高のブルースギタリストであるマイク・ブルームフィールドが中心となったグルーヴ感はストーンズやサンタナなどにも音を聴けば確実に影響を与えているのが分かるし、特に、アルバムタイトルにもなっているラストトラック“East-West”に至ってはストーンズの“Can't You Here Me Knocking”の元ネタになっている。
実際、初めて“East-West”を聴いた時、『うわっ!ストーンズ、ここからパクッたんか!』と思ったし(笑)。
2nd“EAST WEST”を聴いてマイク・ブルームフィールドは僕のお気に入りのギタリストの一人になったのだが、このアルバムを最後に彼はバンドから脱退し、その後はアル・クーパーと一緒にやったり、ソロへ転向し、結局、ドラッグのオーバードーズ(過剰摂取)により死亡する。
正直、ソロ転向後のアルバムを聴いてもこの“EAST WEST”のような感動や興奮は得られなかった。
それでも、ほんの僅かの期間であっても、永遠に残る名演を残してくれたおかげで僕の音楽的感性もより深まったし、発表から55年も経った今でも、このアルバムは僕の胸を熱くさせてくれている。
Walkn' Blues
https://youtu.be/5Xd_7OsCs7Q
Work Song
https://youtu.be/xO2JAA47Mgk
East-Weat
https://youtu.be/NvWvOwLCWGg
East-Weat (LIVE1966)
https://youtu.be/TnN6_I1z-2E