LONELY BOY (『ロンリー・ボーイ』スティーヴ・ジョーンズ自伝)
2017年に海外で出版された元セックス・ピストルズ(SEX PISTOLS)のギタリスト、スティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)の自伝。その日本版が5年越しでやっと発売された。
スティーヴ・ジョーンズ自身の生い立ちから始まり、バンド結成〜解散、その後のキャリアについて余すところなく語り尽くしている。
無名時代からというか、小さい頃から窃盗癖があり、大物ミュージシャンのライヴ会場に忍び込んでは楽器や機材を盗めるだけ盗んできたのを自白していて、その中にはキース・リチャーズのコートやデヴィッド・ボウイのマイクなど、写真や映像で見たことのあるような代物が書かれていた。
そして、後でそのことを知ったキース・リチャーズがブチ切れていたそうだ(笑)。
ピストルズやプロフェッショナルズで活動を共にしてきたドラマーのポール・クックが彼にとって長年の親友で、こんな滅茶苦茶な奴によく愛想を尽かさないでいられるな、と感心してしまう(笑)。
ジョニー・ロットンとの確執についても語られており、このバンドは短命で終わらざるをえなかったのが読んでいたらよく分かる。
この自伝を読みながら、初めてセックス・ピストルズのアルバムを聴いた時の衝撃や、映像を観た瞬間のことを思い出していた。
正直にいうと、『もうピストルズは語り尽くされた感があるし、もういいかな』なんて思っていたのだが、当事者しか知らない話も満載で、川田倫代さんによる翻訳の上手さもあり、“本を読んでいる”というよりも“スティーヴ・ジョーンズ自身の口から直接語られている”という感覚でストレスなくスラスラとページを進められた。
翻訳も勿論だがスティーヴ・ジョーンズ自身の気取ってない雰囲気がそのまま投影されているように感じたし、他のミュージシャンや著名人の自伝と比べても読み易く、且つ内容も70年代のロック全盛期を中心に語られているため、この時代のイギリスやアメリカの音楽シーンを知るにも貴重な資料となっている。
「昔の音楽の良さが分からない」という人や「パンクって何が良いの?」と思っている音楽ファンもこの自伝を読んだら、きっと興味を持つんじゃないかな。
(※あまりに過激な内容や表現が多々あるため、それに耐えられる人だけお勧めします 笑)
USA TOUR 1978
https://youtu.be/3DzInmObqXA
Anarchy In The USA (LIVE 1978)
https://youtu.be/GEYs3oYn50w
New York (LIVE 1978)
https://youtu.be/kXCvQDCc0Zc