映画『グリーンブック』
『グリーンブック』を観て、もう1週間も経つのか……。
音楽系の映画だったので、僕なりに感想を書きたいと思う。
この話に惹かれたのは、実話だったからだ。それも、1962年という時代の話。
僕はロックを中心に音楽を聴いてるから、1962年といえばビートルズがイギリスでデビューした年で、その年の終わりにローリング・ストーンズが結成されたと認識している。
つまり、僕らが普段から耳にしている洋楽は、まだ産声を上げたばかりで、世界はおろかアメリカにも浸透していなかったと考えている。
それまでもエルヴィス・プレスリーやバディ・ホリーといった歌手は活躍しているが、彼らのルーツであるチャック・ベリーやリトル・リチャード、それにマディ・ウォーターズをはじめとする黒人ブルースマン達の書籍を読んできて、ハッキリとした人種差別が当時のアメリカにはあったというのは知っていた。
映画『キャデラック・レコード』には50~60年代の黒人ブルースマン達が受けた差別が描かれていたし、何となく“分かったつもり”になってた程度だった。
この『グリーンブック』は更に深く切り込んでいる。
“グリーンブック”というのも、特に差別が酷かったアメリカ南部を旅する黒人が食事できる場所や宿泊できるモーテルなどの施設が書かれているガイドブックのことで、それ以外の場所に立ち入るようなら警察沙汰になるという、劇中は白人至上主義が生々しく描かれていた。
それでも、この映画はテーマが重いのに、暗くなりすぎず、どちらかというとテンポ良く軽快に魅せてくれる描写が多かった。
主演を務めたトニー役のヴィゴ・モーテンセンと黒人ピアニスト、ドナルド・シャーリー役のマハラーシャ・アリのやり取りが絶妙で、笑えるシーンも多くストレス無く最後まで観賞できた。
この作品の監督がピーター・ファレリーと分かり、『もしや!』と思い観賞後にパンフレットを見たら、“ファレリー兄弟”として弟のボビー・ファレリーと一緒にコメディ映画で活動していた人だったので、テンポの良さや会場を笑いに包んでくれるシーンも納得してしまった。
僕は高校生の頃に衛星放送でやっていたファレリー兄弟の初監督作『ジム・キャリーはMr.ダマー』を偶然観て、『こんなに笑える映画があるんや!』と衝撃を覚えたほどだったので、まさかファレリーの最新作とは知らずに観賞できて、これがまた最高の作品だったのが嬉しかった。
考えさせられるテーマで、だけどエンターテイメントとしても優れた映画だ。
映画ファンはもちろん、音楽ファンだけでなく、『何か面白い刺激ないかな~』なんて思ってる人にもお勧めできる。
いや~~、映画って本っっっ当に良いもんですねぇ~~!!
それでは皆さん、サイナラ、サイナラ、サイナラ♪
Blue Skies
https://youtu.be/rGrU0jAdeVs
Bridge Over Troubled Water
https://youtu.be/pDEyBw_N2bA
60(70)80