シューゲさんのまったり音楽日記

I'm “Shoege san”. I'm music bloger. 個人的にお勧めの音楽やライブ体験記、それに日常の面白そうな出来事をひたすら書き連ねてます。コメントを頂いたら、お返事できそうなものだけさせていただくので、宜しくお願いします。

“RIDEという名の旅”の巻

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2019年8月16日に世界同時発売されたライド(RIDE)の新作“THIS IS NOT A SAFE PLACE”。


最近はSpotifyで音楽を聴くことが多くなったので、ライドの新譜もCDで購入するのは一旦保留にしようかと思っていた。


……が、やっぱり僕にとって一番好きなバンドなんでね。夕方に梅田のディスクユニオンへ足を運び、ちゃんと盤で聴くことにしちゃったよ。



この新譜を聴きながら、今までライドをはじめとする沢山の音楽を聴いてきた自分自身を見つめ直していた。


……なので、今回はライドの新譜のレビューよりも、僕がライドというバンドを通して感じてきたことを書き綴っていく。






ライドがデビューしたのは1990年で、一度目の解散をしたのが96年。


僕が彼らの音に触れたのはそれからだいぶ経ってからのことだったので、その頃にはもうライドというバンドの存在すらこの世に無かった。


あるのは、彼らが現役時代に残していた音源のみ。


初期に発表した2枚のEPをひとつにした“SMILE”から入り、その後に聴いた1stアルバム“NOWHERE”で完全にノックアウトされてしまった。


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(1st『ノーホエア』)


以前にも書いたが、このアルバムを聴いた瞬間、波に襲われるような衝撃を受けてしまった。


脳の“眠っていた部分”が目覚めるような感覚に陥ったのを覚えている。

ロックを聴いてきて特別な体験をしたことは今までに何度も何度もあったが、『ノーホエア』を初めて聴いた時がダントツで一番強烈だった。

たまに『ああ……記憶喪失になって、またこのアルバムを初めて聴いてみたい』なんて思う時があるほどだった。



これも以前に書いたが、僕はメインボーカル&ギターのマーク・ガードナーのソロライヴを2003年に観ている。

その時のマークはアコースティックギターの弾き語りで一人でステージに立っていて、それは僕にとって思い出深い最高のライヴのひとつになった。

ファンの期待に応えるため、彼はライドの名曲を思う存分に披露してくれた。


そして、もう一人のボーカル&リードギター担当のアンディ・ベルに至ってはオアシスにベーシストとして加入していたが、僕はオアシスのライヴを一度も生で観たことが無い。

アンディはオアシスでもいくつか楽曲を提供していたが、全く印象に残らなかったのが正直な感想だ。


世界中のありとあらゆるスタジアムを満員にして、それこそ大金が彼の手に入っただろう。


だけど、これは僕の想像だけれど、行く先々でアンディはライドの熱狂的なファンに声を掛けられていたんじゃないかと思う。



「またライドをやってほしい!」と。



マーク・ガードナーもアンディ・ベルも、新しい土地へ行く度にそう言われてきたはずだ。


その時に、解散してから何年も経って、初めて彼ら自身がやってきたことの大きさに気付いたのではないか。


音楽を辞めたベースのスティーヴ・ケラルトにしても、他のバンドにサポートメンバーとして参加したドラムのローレンス・コルバートにしても、ずっと言われてきたはずだ。



僕はそう思っている。





ライドが再結成したのは2014年11月で、翌2015年から本格的に活動をスタートさせ、僕はその時に初めてずっと好きだったバンドを生で観ることができた。



メンバーは歳をとり、顔には皺が増えて、髭を生やしていた。


アルバム『ノーホエア』を筆頭に初期の楽曲も披露してくれたが、90年代当時に活動していた頃の彼らのライヴ音源やブートレッグ、それに映像で観ていた“若さ”は、当たり前だけどそこには無かった。



それでも、ステージを通して“彼らが歩んできた道程”を僕は肌で感じた。


バンドの再結成って間違いなくお金が絡んでいるのは確かだけど、それ以上に“もう一度このメンバーで一緒にやれる喜び”があるはずだ。




2017年には5thアルバム“WEATHER DIARIES”を発表し、ライヴを観られただけでなく、彼らの新曲まで聴けるなんて、想像もしていなかった。




彼らの歩みを僕は“RIDEという名の旅”のように感じている。




昨日には復帰作第2弾で、通算6枚目のアルバム『ディス・イズ・ノット・ア・セイフ・プレイス』を発表した。


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新譜を聴きながら、



『ああ~~、ライドを好きで本当に良かった……』



なんて感慨にふけっていた。




僕は、彼らの音楽と生き方から、多くのことを学び続けている。







Seagull (1990)
https://youtu.be/In9yq3oNqCg


Leave Them All Behind (LIVE1992)
https://youtu.be/E2jRRXou_D4


Charm Assault (2017)
https://youtu.be/nW_lRP2RqX8


Clouds Of Saint Marie (2019)
https://youtu.be/BRv1I2a8CFE


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T8/18 0:00-12:00

SANTANA(サンタナ)

どうも、皆さん。お久しぶりです。


最近になり、ようやくロック畑へと舞い戻ってきたシューゲさんです(笑)。


6~7月はほとんどジャズばかり聴いてたからね。







今回ご紹介するのはギタリストのカルロス・サンタナ率いる、その名も“サンタナ(SANTANA)”なのである。


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サンタナといえば“ラテンロック”と言われる音楽性で、コンガをはじめとする南米風のリズムを土台とし、そこにカルロス・サンタナのギターが縦横無尽に飛び交うのを専売特許としているバンドだ。




サンタナを知ったのは、確か1969年に行われた伝説の“ウッドストックフェスティバル”での映像で観たのが最初だったと記憶している。


当時の僕は60~70年代のロックを片っ端から聴いていたので、その勢いでサンタナの1stアルバムを購入した。




……しかし、初めて聴いた頃は『よく分からん』というのが正直な感想だったりする。

(こういうの、よくあります。笑)




どうにもこのアダルトな雰囲気というのか、当時の僕はロックに“ヤンチャさ”を求めていたところがあったんだろう。ローリング・ストーンズとかセックス・ピストルズみたいなね。


だけど、サンタナがやってる音楽や彼の佇まいってのは“大人が楽しむ音楽”という匂いがプンプンしていたというか。そんな感じだった。


そういうわけで、サンタナには苦手意識が僕の中に芽生えてしまい、長い間まともに聴くことが無かったのである。





そんな僕がサンタナの良さに気付いたキッカケが、初期フリートウッド・マックの代表曲“Black Magic Woman”のライヴバージョンを偶然耳にした時だ。


会社帰りの車中でFMラジオを流していたらこの曲が掛かり、そのまま音の世界にトリップしていったのを覚えている。


このライヴバージョンはメドレー形式になっていて、ストーンズの“Paint It Black”もやっていたのだが、それまで僕がサンタナに対して感じていた印象を覆してくれる演奏だった。


相変わらずラテンのリズムが鳴り響いていたが、サンタナのギターソロに導かれて曲が目まぐるしく変化していき、まるで渦巻くブラックホールにでも吸い込まれていきそうなトリップミュージックを展開していたのだ。

(注:このライヴバージョンはYouTubeにありませんでした)





この演奏をキッカケに、もう一度サンタナを真剣に聴こうと決め、丁度その頃輸入盤でスタジオアルバムが5枚入った“ORIGINAL ALBUM CLASSICS”が発売されていたので、購入し聴いていった。



その中の1枚にアルバム“CARAVANSERAI(キャラバンサライ)”が入っていて、もう、これを聴いた瞬間にサンタナがどれだけ凄いバンドなのかが思い知らされてしまった。


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キャラバンサライ』はアルバムを通して一大メドレー形式に仕上がっている。


再生した瞬間に虫の鳴き声が聴こえ、ジャケットに描かれているジプシーが“巡礼の旅”をしているかのような壮大さに満ち溢れていた。


ほとんどの楽曲がボーカル無しのインストゥルメンタルミュージックで占められていて、そんな中でもM5“Song Of The Wind(邦題『風は歌う』)”を聴いた時の衝撃は今も忘れられない。


この曲がアルバムのハイライトとなって、徐々に徐々に盛り上がっていく様は圧巻の一言だ。




キャラバンサライ』を中心に他のアルバムも聴いていき、それまでサンタナに抱いていた“ラテンロック”というイメージが見事に覆されていったのだ。



大体、音楽に限らず“本当に優れたもの”っていうのは、理屈じゃないと思うんだよね。


いろんな知識を得ることで、自分の中で固定観念が生まれ、何かと理由付けしたりウンチク垂れたりしてしまいがちになるけれど、ジャンルとか関係無しに響いてくるものっていうのがサンタナのギターや楽曲にはあるんだと感じた。




キャラバンサライ』は夏になると無性に聴きたくなる。


真夏の夜に聴く『風は歌う』のギターミュージックはこのクソ暑い毎日に一瞬の風が吹き抜けていく、そんなアルバムだ。









Song Of The Wind
https://youtu.be/XdmevPWZTRg


Take Me With You
https://youtu.be/r9njlPv9BPE


Black Magic Woman ~ Gypsy Queen(LIVE)
https://youtu.be/mgN1ORdG4P8


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T8/16 18:00-22:00

“読書と映画とビル・エヴァンスと”の巻

今回はまた思い付くままに書くので、面倒くさいと思われた方はスルーして下さい。











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(先日撮った写真です)



よく見ると虹が二重になっている。


“ダブルレインボー”というらしい。


これを見たのは人生でほんの数回しかないのでラッキー♪


……と思い、調べてみると、“今までの苦労が報われる”、“これから幸運が訪れる”という意味があるとのこと。



確かに、最近そんな感じかもな~~。







少し前のことだが、7月7日にシネリーブル梅田にて映画『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』を観賞した。


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映画の感想を書こうとしたが、どうにも上手くまとめられなかった。

それまでビル・エヴァンスのアルバムをまともに聴いたのって代表作の『ワルツ・フォー・デビィ』と『アンダーカレンツ』、それにマイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』ぐらい。

彼が生前に残した膨大な作品の、ほんの一部分しか知らなかったため、簡単に書けなかった。


多分、気取った文章を書こうと躍起になってたというか、背伸びして無理にやろうと考えていたのかもしれない。



感じたままにササッと書けば良かったんだろうけれど、ひとつのブログを書くのにかなりのエネルギーと時間を消費するため、“ササッと”というわけにはいかないのが本音だ。





最近、ブログ以外にも、部屋に居る時は執筆活動をしているので、気付いたら1日が終わっている、なんてことがある。



今は、執筆活動を最優先にしている。




“書く”だけでは表現力や創造力に限界があるから、間にひたすら読書をして、知識を得る。



読書だけでなく、映画やテレビから刺激を受けるよう、意識して観賞している。



そして、何よりも大事なのが、実際に人と会って話すこと。

これが一番の刺激になるし、深い話ができる人と一緒に居ることで、新たな気付きや発見がある。



そうやって外から得た知識や経験を、創作に生かしている。







書いて、読んでもらって、伝える。


自分の思い描いているものを理解してもらうってのは、本当に難しい。



ブログを書いてても、毎回頭を悩ませているし。


『どう表現したらちゃんと伝わるかな……』と。


実際に、今も悩みながら書いてるし(苦笑)。




だけど、やり甲斐がある。


まさか、自分が文章を書くようになるとは思いもしなかったし、苦しい時もたくさんあるけれど、それでも“表現する”ということが好きなんだろうな、きっと。


書き始めたら、自分が納得できるまで時間を忘れて書き続けているし。



終わったら全身の力が抜けて完全に脱力してしまう。



読んでくれてる人が人生の貴重な時間を費やしてくれてるんだから、自分はそれ以上のものを書かないといけない。僕はそう思って書いている。







……というワケで、今回はビル・エヴァンスの曲を。


読書中はジャズばかり流しているので。



では、これから執筆がんばります!









BILL EVANS TRIO / My Foolish Heart
https://youtu.be/g-jsW61e_-w


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T8/13 9:00-22:00

ノマル30周年記念イベント“30th-Miracle”(2019.7.20)

2019年7月20日(土)、大阪市内にあるノマル(Gallery Nomart)の30周年記念イベントへ行ってきた。


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ディレクターの林聡(はやし・さとし)さんが1989年に版画工房ノマルエディションを設立し、現在の“ギャラリーノマル”に改名したのは10年前の2009年だったとのこと。

今回はその版画工房ノマルエディションから数えて丁度30周年を迎えたイベントだ。



ノマルの存在を知ったのはアシッド・マザーズ・テンプル(Acid Mothers Temple、以下AMT)の河端一(かわばた・まこと)さん繋がりだった。

2017年の暮れにAMTのホームページを閲覧していた時、ギャラリーノマルという場所でライヴをやると知り、それから今日に至っている。




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大阪中之島美術館の菅谷富夫さんと芸術について熱く語り合い、時折笑いを交ぜながらも興味深い話をたくさん聴けて、特に“アートとお金について”の話はとても考えさせられた。





トークが終わり、引き続き.es(ドットエス)のピアニストであるsaraさんのソロライヴへ。


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この夜のsaraさんの演奏はシンプルで、だけど鍵盤とペダルだけでも“美”と“狂気”が混在するピアノを披露してくれた。

saraさんの演奏を聴きながらギャラリー内を見渡して思ったが、ここに何度も足を運んでいるうちに、自分の感性が以前にも増して何倍も研ぎ澄まされているように感じた。

それは、きっと林さんやドットエスのsaraさんと橋本孝之さん、ノマルのスタッフや作家さん達、そしてここに来ているお客さん達からいつもたくさん刺激をもらい、芸術だけでなく人生観についてまで深く考えるようになったからだろう。





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僕がノマルについて知っているのは、長い歴史の、ほんのごく一部分にしか過ぎない。



だけど、ここで体験してきたことは全てが特別で、それは今もずっと続いている。






オーナーの林さんに



「いつもたくさん学ばせて頂いてます。ここはもう、僕の中で“ホーム(家)”だと思っていますよ」



と、感謝の気持ちをお伝えした。








イベント中は毎日いろんなゲストの方が来られるので、出来る限り足を運び、楽しみながら学ばせて頂こうと思っている。






ノマル、30周年おめでとう!




そして、これからもよろしく!!







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T7/31 7:30-19:00

映画『ローズ』

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最近はピアノ曲を中心に聴いている。

ベット・ミドラー(Bette Midler)の“The Rose”を久々聴き、何度も聴いてるうちに涙が止まらなくなった。


そして、彼女が主演した映画『ローズ』を先日やっと観賞した。

お恥ずかしながらベット・ミドラーはこの曲しか知らなかったのだが、映画を観たら彼女のロックスターぶりに度肝を抜かれてしまい、それからはこの作品のサントラをひたすらリピートしている。



ジャニス・ジョプリンをモデルにした“ローズ”という人物の生き方は、正直すぎて、自分に嘘をつけられない人間だ。

自分勝手な振る舞いばかりするのでいつも周囲の人達を困らせてしまい、その度に「どうして分かってくれないの?」と泣き叫ぶため、誰も彼女に付いていけなくなり、孤独になってしまう。


映画を観ていて『誰もこんなワガママなやつに付いていけるわけないよなぁ……』と思っていたが、それと同時に『俺も20歳前後の頃はこんな感じやったな……』と、何だかローズというキャラクターに妙に共感してしまっていた。


愛情に飢えていて、いつも他人の愛を欲しているせいで周りが見えなくなっている、刹那的な生き方しかできない人。

俺にも似たところがあるから彼女の気持ちってすごくよく分かるんだけど、さすがに人生経験積んできたからな。




……と、そう思いながらも、最近の出来事を思い返してみると、やっぱり俺も自己中心的でワガママな人間なんやろな。

なんて思い当たる節があったりするから、他人のことを偉そうに言えなかったりするのである(汗)。



今なら『もうちょっと相手の気持ちになって考えてあげようよ』と言いたくなるシーンばかりなのだが、『人間って皆こういうもんなのかもな』なんてことも思ってしまった。



映画を観ていて感じたのは、『こういう生き方しかできない人ってのが居るんだよ』ってことで、それは自分にも少なからず当てはまるんだろう。


今の自分は以前に比べて他人の気持ちを深く考えられるようにはなったと思っているけれど、人間って誰しも完璧じゃないしね。社会の中で生きて、他人と関わっていれば必ずいざこざはあるし、誰も傷つかせない人なんて居るわけ無いし。




色々書いたけど、まあ、人間には“愛”が必要なんだということ。


これは間違いないね。










Bette Midler / The Rose
https://youtu.be/CB4EgdpYlnk


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T7/21 11:00-22:00

HURRICANE#1 / Only The Strongest Will Survive(1999)

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ライド(RIDE)のギター/ボーカルを担当していたアンディ・ベルが96年に一度バンドを解散し、新たに結成したのがHurricane#1(「ハリケーン・ナンバーワン」と読む)で、今回はこのバンドが99年にリリースした2ndフルアルバム“ONLY THE STRONGEST WILL SURVIVE”について書いていく。



ライド在籍中からギャラガー兄弟率いるオアシスへの憧れが強かったアンディ・ベル。

94年に行われたライドのライヴCDを所有しているが、この頃のアンディの歌い方はガナリ気味で、聴いてると『ああ、オアシスになりたかったんだな……』というのがひしひしと伝わってくる。

ただ、甘いメロディーを奏でるライドの音楽性と、アンディともう一人のボーカリストであるマーク・ガードナーの二人は浮遊感漂うドリーミーな歌唱法なせいもあり、オアシスのリアム・ギャラガーのような典型的な“ロックボーカリスト”とはあまりにもかけ離れているので、この頃のライヴでの歌い方は違和感しかなかった。


ハリケーン#1がデビューした当時のインタビュー記事を読むと、ライド在籍中のアンディは「これはライドの曲ではないからボツにしなきゃ」と出来上がった楽曲を取捨選択していたのが分かる。

アンディやマーク・ガードナーの歌声ではストレートなロックンロールをやるには野性的なパワーに欠けるし、理想とする音を出せていない現実にフラストレーションが溜まりに溜まっていたんだろう。



そんなわけで、ライド解散後すぐに結成されたハリケーン#1は“オアシスに憧れていた”アンディ・ベルが、オーディションで選んだアレックス・ロウをボーカリストに迎え入れた“ロックンロール・バンド”だ。


97年に発表した1stアルバムは全英1位を獲得し、オアシスのような(……というか、影響受けまくり!)サウンドを鳴らしていて、特にアレックス・ロウの歌声はロッド・スチュワートリアム・ギャラガーを足して割ったようだった。

ロッド・スチュワートのようなしゃがれたハスキーボイスに、リアム・ギャラガーのような声を合わせ持ったアレックス・ロウの歌声、これがめちゃくちゃカッコイイ。



しかし、1stに収録されている楽曲は“超名曲”と“並の曲”が両極端だと感じていて、アルバムの完成度でいえば圧倒的に2ndの方が良いと思っている。




……ただし、これまた厄介なことに、この2ndもまた“煮え切らないアルバム”なのも事実だ。


それは、先行シングルカットされた2曲(“Rising Sign”と“Only The Strongest Will Survive”)はアルバム用に新たにリミックスされていて、しかもその出来映えがシングルバージョンよりも悪くなっていたという……(泣)。


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(“Rising Sign”シングル)


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(“Only The Strongest Will Survive”シングル)


この2曲のシングルバージョンは本当に超名曲で、特に“Rising Sign”は最強のロックナンバーのひとつだというぐらい気に入ってるし、今でもたまに無性に聴きたくなりCDをラックから取り出すほどだ。

“Only The Strongest Will Survive”のシングル盤は民族風にアレンジが施され、しっとりとした音作りは南国にでも居るかのような爽やかな風を感じさせてくれる。

そして何よりも驚きなのが、このシングル2曲は9分近くもある長尺曲であるにも関わらず、最後までグイグイと引っ張り全く飽きさせない力がある。



……ちなみに“Rising Sign”のアルバムバージョンはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインケヴィン・シールズがリミックスを担当しているが、この出来がなぁ~~……。


『ケヴィン先生、やっちゃったよ!!』と思ってしまったほどのモノである(汗)。




シングルバージョンの2曲ばかり書いてしまったけれど、この2ndアルバムには他にもかなりの名曲が散りばめられている。

“Rising Sign”と双璧を成す名曲“Separation Sunday”をはじめ、ストーンズ在籍時代のミック・テイラーを彷彿とさせるギターを堪能できる“What Do I Know ?”、それに、当時のアンディ・ベルの奥さんでモデル兼ミュージシャンだったイーダがバッキング・ボーカルを務めている“Afterhours”など、どれも本当に素晴らしい。





この2ndは評論家からの評判が悪かったようで、傷ついたアンディ・ベルはアルバム発売後すぐオアシスに加入し(しかもベーシストで!)、そのままハリケーン#1は解散してしまった。

(現在はアンディ抜きで再結成し、アレックス・ロウは新しいメンバー達と一緒に活動している)






このアルバムは今でも思い出してはよく聴くし、2枚のシングルも一緒に聴いている。


そして、聴くたびにいつも『もし俺がこのアルバムのプロデューサーなら、“Rising Sign”と“Only The Strongest Will Survive”の2曲は絶対にシングルバージョンを入れてるだろうな』なんてことを考えてしまうのである。




良いアルバムなんだけどなぁ……。



“名盤になりそこねたアルバム”なんだよな。



ホント、勿体無い。










Rising Sign(Single Version)
https://youtu.be/rE5MvOW4Mzk


Only The Strongest Will Survive(Single Version)
https://youtu.be/WdEAtaI2ZfU


Separation Sunday
https://youtu.be/GYsvvpGtBhQ


What Do I Know?
https://youtu.be/ICiHnC0z7NQ


Afterhours
https://youtu.be/RKaNDAWU5SU


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T7/16 0:00-12:00

THE ROLLING STONES / Angie

……なんか昨夜のブログで「EL TEN ELEVENのことを書く」とか言ってたけど、先ほど京都テレビの『洋楽天国+』でローリング・ストーンズ特集をやっていたので、急遽予定変更!(笑)

番組内でストーンズのPVをひたすら流していたが(地上波で珍しい!)、約50分の放送で、しかもCM入りまくりだったので彼らの歴史のほんの一部しか流れていなかった(当たり前だけど……)。



そんな中でも特に印象に残ったのが、番組の最後に流れた“Angie(邦題『悲しみのアンジー』)”で、この曲は73年に発表された当時、レコードが100万枚以上も売れて、ここ日本でも和製フォークブームに乗っかってヒットした楽曲だ。



確かに『悲しみのアンジー』は名曲だし、それに異論は無いんだけれど、ちょっと待てえぇぇ~~~~いぃぃっ!!

ストーンズにはライヴで演奏されない隠れた超名曲がたくさんあるのをファンは知っているし、特にスローナンバーやバラードは秀でている楽曲が多いから、『アンジー』ばかりが世間で取り上げられるのはどうかと俺なんかは思うんよね。

当ブログでも以前紹介した“Winter”や“Time Waits For No One”、それに“Wild Horses”や“Moonlight Mile”なんかは個人的には『アンジー』よりも好きだったりするのだが……。

ラジオ受けするかとか、シングル向けかとか、そんなんで一般のリスナーに知れ渡らないってのがあるんだろうな、う~~む……。




まあ、そんな感じで『悲しみのアンジー』は僕の中では“特別好きなストーンズのバラード”ってワケでも無かったし、他にも素晴らしい楽曲があるんだぞ!……と言いたくなるんだけど、それでも今回この番組で久々『アンジー』のPVを観ていたら、『やっぱ名曲やわぁ~~』と思ってしまったのである、うむ(笑)。




いずれ“個人的に好きなストーンズの名バラードランキング”をやりたいと思っているが、その前に他のバンドを色々紹介したいので、7月もお楽しみに♪(笑)











Angie(Version1)
https://youtu.be/RcZn2-bGXqQ


Angie(Version2)
https://youtu.be/GlSbQNHHy50


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T7/5 7:30-9:00

“人生のリセット”の巻

久しぶりのブログです。


何書こうかな~~と考えていたが、最近の出来事を少し振り返ってみようと思う。


なので、音楽の話は今回無し!









先週、ちょっとした一人旅に出ていた。


以前からやってみたかったんだけど、タイミング的にも「今だ!」と思ったので、ぶら~~っと気の向くままに、目的も無く行ってきた。


ただ、自分のことを誰も知らない場所へ行きたかった。


何というか、今ある全ての物事から一旦距離を置いて解放されたくなった。




思いつきで荷造りして、一人で行けるところまで行ってみよう。

そんなノリだったので、向かった先で「さあ、これから何処へ行こうかな」とその時の気分で勢いに任せるようにした。



今までの半生を振り返ってみると、ずっと『これをやらなきゃ』とか『こうしなきゃいけない』なんてことにいちいち拘りすぎていた気がする。


どこに行くのも、何をするにも、誰かに合わせて付いて行ったり。


そうでなくても、決められた場所に向かうだけだったり。


それはそれで楽しいけれど、今回のようにあても無く旅に出るってのはドキドキ感やワクワク感が何十倍もあった。


次に何が起こるか分からない、どんな体験ができるか分からない、未知の世界に入り込む感じ。




こうやって一旦立ち止まって人生を見直すのってすごく大事だと思ったね。







この6月も色々ありすぎて、本当に自分の人生は波乱万丈…………というか波乱づくしなんだけど、今はそれすらも楽しめている僕がいる。



ホンマ、なかなか濃い~~~~人生やわ(笑)。








明日で6月も終わりか……。


1ヶ月の最後ぐらいはまたいつものような音楽記事をアップするので、お楽しみに!


明日書く予定のバンドの音源を1曲だけ先に載せときます。


最近のお気に入り♪










EL TEN ELEVEN / Fanshawe
https://youtu.be/rdDPHbjyApw


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T6/30 0:00-21:00

TEDESCHI TRUCKS BAND live at あましんアルカイックホール(2019.06.11)

2019年6月11日(火)、尼崎市のあましんアルカイックホールにて行われたテデスキ・トラックス・バンド(TEDESCHI TRUCKS BAND)のライヴレビュー。


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2,000年以降に登場した中でも世界一有名なブルースギタリストであるデレク・トラックスが、奥さんのスーザン・テデスキと一緒に活動しているバンドだ。

こうやってライヴに行くと決めた時、ふと『そういや、超有名なプロのブルースライヴって今回が初めてかも……』なんてことを思いながら会場に向かっていた。

他に観た本格的なブルースギタリストってジョニー・ウィンターぐらいだったかもしれない。





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会場へたどり着くと、お客さん層がかな~~り高くて圧倒されてしまったのである(汗)。

開演前の列に並びながら、『こういうシブイ音楽を熱心に聴いている人達って20~30代にはあまりいないんだろうな……』なんてことを考えていた。









ライヴは予定時間の19時ジャストに始まった。


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1階席で観ていたが、う~~~~む……ビミョーに遠い!(汗)

初めて観たローリング・ストーンズよりも遠いかも……。俺が今まで観てきたライヴってけっこう近い場所で観てたんやなぁと再確認してしまった。


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計12人編成の大所帯バンドで、ツインドラム、キーボード、ベース、コーラス&バッキングボーカルが3人、ホーンセクションが3人、それにボーカル&ギターのスーザン・テデスキとスライドギターのデレク・トラックスという、音楽的にも視覚的にもゴージャスなステージだ。



デレクはトレードマークとなっている赤いボディのギブソンSGを指弾きで、優しく“撫でる”ように弾いていた。

生で聴くデレクのスライドギターは極上のブルースサウンドで、指先から天に向かって飛翔していくように美しい。

その音を生で聴いていると、大好きで昔よく聴いたオールマン・ブラザーズ・バンドのスライドギタリスト、デュアン・オールマンの華麗なボトルネック奏法を思い出させてくれる。

デレク・トラックスをはじめジョン・メイヤーやゲイリー・クラークJr.など、こうやって2019年の現代でも伝統的なブルースを継承している人達がたくさんいるのは嬉しいし、貴重な存在だ。



スーザン・テデスキの歌ってほとんど聴いたことが無かったが、とにかくハスキーで声がよく伸びる。白人女性のカントリー/ブルースシンガーではミック・テイラーと一緒にやってたカーラ・オルソンが好きだけど、スーザンの声やギターソロはカーラに近いタイプだったので聴きやすかった。



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僕はデレクがスーザンと結婚する以前に結成していた“デレク・トラックス・バンド”時代の音源はずっと前から聴いていて、2枚組ライヴ盤“roadsongs”を通勤中の車内でヘヴィロテしていた時期がある。アルバムに収録されていた代表曲の“Down In The Flood”が流れた瞬間に鳥肌が立つほどの興奮を覚え、この曲はいつか絶対に生で聴きたいとずっと思っていた。



そして、ライヴの5曲目。


デレクの静かなソロから“Down In The Flood”が始まり、この曲を聴いている間はもう夢見心地になっていた。

演奏が終わった瞬間、『もっと続いてくれ!』なんて寂しくなったほどだ。



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ビッグバンドの演奏は完璧で、寸分の狂いも無い。

CDやSpotifyで聴いていたアレンジと基本的に同じはずなのに、こうして生で聴くとその瞬間にしか生まれないグルーヴがある。

特に、ホーンセクションやツインドラムの力強さは必聴で、会場内に流れるこの空気感まではパッケージングできないものだと感じ、改めてライヴの醍醐味を教えてくれた。




照明や演出もピタリと演奏に合わせてくる。



全てが完璧な、プロフェッショナルな集団だ。





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アンコールを含め約2時間、最高のブルースを堪能することができた。




今回のライヴを観て、自分のルーツである古いロックンロールやブルースを思い出させてくれたな。


こうやって今でもブルースを受け継いでいる人達がいて僕らを熱狂させてくれるのは嬉しいし、他にも素晴らしいミュージシャン達がいるので、これからもライヴ会場へ足を運びたい。


きっと“その瞬間”にしか生まれない感動に巡り会えるだろうから。











Midnight In Harlem(LIVE)
https://youtu.be/6GkdCiqsFUI


Everybody's Talkin'(LIVE)
https://youtu.be/kiWbBC0SouU


Signs, High Times(LIVE)
https://youtu.be/3wQJkEl1xno


Down In The Flood
https://youtu.be/dt-_5Nct5HY


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T6/29 12:30-22:00

秘部痺れ live at 戦国大統領(2019.06.07)

サイケデリックミュージックに興味のある方は是非ご一読下さい。





2019年6月7日(金)、大阪市内にあるライブハウス“戦国大統領”にて行われた秘部痺れ(ヒブシビレ)とPresidents(プレジデンツ)のライヴに行ってきた。


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秘部痺れは関西を中心に活動しているバンドで、今回は2ndフルアルバム発売記念ライヴという名目で開催された。

つい先日までUKツアーを行っていたという彼らの存在を僕が知ったのはAcid Mothers Temple河端一(かわばた・まこと)さん繋がりだ。河端さんのライヴで秘部痺れのベーシストである821(ハニィ)さんを知り、今回やっと観ることができたというわけだ。

そして、この夜のライヴでは、昨年1月にギャラリーノマルで観た河端さんとコンビを組んでいたliquidbiupil(リキッドビウピル)さんの演出を再び観られるのも楽しみだった。








定刻の20時丁度にPresidentsのライヴが始まった。


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ドラム、ベース、ギター、それにパーカッションの4人編成のインストバンド(ラスト2曲でもう一人ギタリストが参加)。

2,000年代に活躍したニューヨークのポストロックバンド、ラプチャー(最近、再結成した?)のようなカホンが入ったり、かと思えば、ギターはサンタナばりのラテンロックやフュージョン寄りのジェフ・ベック、それにジミ・ヘンドリックスばりのダイナミックさもゴチャ混ぜにしたようなサウンドを思う存分披露していた。

とにかくメンバー全員の“気持ち良い”という感情がそのまま聴衆にも伝わってくる演奏が魅力的だったな。


この時点でかなり満足してしまうと同時に、『何でこんな凄いバンドが人知れず存在してるんや?!』と不思議でしょうがなかった……。






Presidentsのライヴ後、リキッドビウピルさんに挨拶すると、ノマルで一度しか会ってなかった僕のことを覚えてくれていたので超感激してしまったのである(笑)。

あの時のライヴがどれだけ素晴らしかったかを熱く語り、「もう一度あの演出を観たいと思ってました!」と正直に自分の気持ちを伝えた。

リキッドビウピルさんが言うには「前回の演出は“アメリカ式”でしたが、今回は“ヨーロッパ式”なんですよ」とのことで、演出に使用する機材からして全く違う物を使われていた。60年代のピンク・フロイドなどが使ってた演出機材と同じものらしい。







そして、束の間の休憩の後、秘部痺れが登場。





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最初の一発目から、超絶爆音!!(笑)


とにかく、音圧が激しすぎて皮膚にビリビリと“当たる”という表現がピッタリくる。それほどまでにデカイ音の塊が身体にぶつかってくる。


秘部痺れはギター、ベース、ドラムの三人編成なので、先ほど観たPresidentsよりも単純に楽器の数が少ない分、音数が物足りなくなるのではと思っていた。

……が、それどころか、逆に音がブ厚すぎて、ドラムなんかはマシンガンでも乱射しているかの如く、音に全く“隙間”が無い。


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リキッドビウピルさんによる“ヨーロッパ的演出”も絶妙で、まるで音に合わせて調合したカクテルみたいだ。

炭酸水のように泡が弾け飛ぶその様は“サイケデリックシャワー”とでもいうような色彩を放ち続ける。




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感覚が麻痺してくるほどの超音量を耳にしていると、音が重た過ぎるほど重たいのに、身体がどんどん浮遊していくような錯覚に襲われていく。

この状態は、Acid Mothers Temple以来に味わう感覚だ。



この爆音ライヴを観ながら『日常生活で耳が痛くなるような騒音ではこんな感覚にならないのは、何故なんだろう?』と、そんな疑問が頭に浮かんだ。

そして、僕が感じたのは『どんなに大きな音を出していても、そこにはちゃんと音階があって、リズムがあって、時折メロディーが挟まっているからなんじゃないか』ということだ。

どんなに大きな音を出しても、そこにはちゃんと“音楽”が存在している。



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急遽アンコールをやることになったのか、レッド・ツェッペリンの“Communication Breakdown”をこれまた爆音で演奏していた(笑)。

ツェッペリンの楽曲なのに、何故かディープ・パープルのライヴアルバム“LIVE IN JAPAN”にでも収録されていそうな音だった。








ライヴ後はずっと耳鳴りが治まらず、こんなのは久しぶりだった。



日本のアンダーグラウンドシーンは本当に面白いバンドが沢山いるし、僕らが住んでいる街の地下で今夜も鳴り響いている。



そこには、メジャーで活躍しているバンドには無い魅力を持つミュージシャンやアーティストが活躍していて、これからも僕たちに刺激的な体験をさせてくれるはずだ。








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T6/13 16:00-22:00

THE SMITHS(ザ・スミス)

今回は80年代のイギリスを代表するバンド、ザ・スミス(THE SMITHS)について。

というのも、昨日(2019年6月5日)に大阪ステーションシネマにて公開中の映画『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』を観賞したので、映画の感想も交えつつ僕なりに“ザ・スミス”をここらで書いていこうと思う。




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僕がザ・スミスを知ったのは、確かストーン・ローゼズのインタビュー記事からだったと記憶している。インタビュアーとのやり取りの中で“ザ・スミス”という単語を何度か目にしていたので、そこから興味を持ったんだろう。

それまで80年代のバンドといえばガンズ&ローゼズのような所謂(いわゆる)“産業ロック”と言われるものばかりが巷で流れていて、僕自身も好んで聴いていた。

そんな僕が、ストーン・ローゼズがキッカケとなり、インディーシーンと呼ばれる少々マニアックな、だけどメジャーレーベルのバンドには無い、何だか生々しくてリアルに響く世界観というか音作りに惹かれてしまった。

まあ、こういうところが自分でも捻くれているんだと思っている(笑)。





そんなワケで、ザ・スミスの1st“The Smiths”、2nd“Meat Is Murder”、3rd“The Queen Is Dead”、そして編集盤“Louder Than Bombs”をほぼ同時に購入し、聴いていく。




しかし、タイトルを見た時点で『このバンドは危ない……』と思ってしまった。



“Meat Is Murder(食肉は殺戮だ)”、“The Queen Is Dead(女王は死んだ)”というアルバムタイトル。


シングル“Panic”では、軽快なリズムとメロディーに合わせて“Hang the DJ!(DJを絞首刑にしろ!)”というフレーズをボーカルのモリッシーが子どもとシンガロングしているのを聴いた時は、『まともな神経の持ち主じゃない』と思ってしまったのは当然だろう。






そして、トドメとなったのが彼らのアルバムに書かれていた日本語のライナーノーツの一文。2ndアルバムの最後に



“なお、この時点で自殺したスミス信者は6人になる”



これを読んだ瞬間、『ザ・スミスに本気になると、自分もこうなる』と感じてしまい、すぐさまスミスのアルバムを全て処分した。




十代の頃の僕は感化されやすい性格だったし、ロックンロールが孤独だった自分を救ってくれていたので、音楽に対する依存度も尋常ではなかった。

そんな状態でこのザ・スミスイアン・カーティス率いるジョイ・ディヴィジョンにのめり込むのは恐怖以外の何物でもなかった。




彼らの、特にボーカルのモリッシーの言葉って、ほとんど聴き取れなくても、歌ってる内容もほとんど分からなくても、伝わってくるものがあったんだろう。

どんなに美しいメロディーで覆っても、彼が放つ強烈な“毒”が感じられた。

ずっと音と向き合っていると、その“人となり”というか、“人間”が見える瞬間があって、モリッシーの持つ毒に当時の僕が付いていける心の余裕なんて無かった。





それからはザ・スミスを聴いても、深く聴き込まないようにしていた。



それでも、彼らが素晴らしい楽曲を残していたのは間違いないし、聴けばジョニー・マーが奏でる繊細なメロディーはやはり秀逸だ。

そして、モリッシーの“ヨーデル唱法”ともいえるあの独特な歌い方は超個性的だし、こんなバンドは他に無い。







どう考えても凄いしロック史に残るバンドだと分かっているんだけど、初めて本気でこのバンドに惹かれたのは、昨夜観た映画『イングランド・イズ・マイン』のおかげかもしれない。


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ザ・スミス結成前のモリッシーを描いた映画で、ひたすら暗くて孤独な物語だった。

史実とは違う部分もあるとのことだが、それでもこの作品からは“ザ・スミス愛”が感じられたし、僕みたいにハンパな気持ちでこのバンドを聴いている人をも惹き付けてくれた。

何故、モリッシーがあんな“毒”を持つようになったか。映画を観て、初めて理解できた。


ティーブン・モリッシーという人間が現実に合わせられず、打ちのめされるだけ打ちのめされて、神経をズタズタに破壊されていく。


最後には、ある種の開き直りがあったんだろう。



その姿は、『もう、これしか無い』って感じだ。





この映画を観て、僕は初めてザ・スミスを本当に好きになったような気がする。










This Charming Man
https://youtu.be/cJRP3LRcUFg


Hand In Glove
https://youtu.be/hcys6BMJ5Vw


The Queen Is Dead
~ There Is A Light That Never Goes Out
~Panic
https://youtu.be/YS3UMjNUqFM


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T6/8 16:00-0:00

THE VERVE / VERVE E.P.(1992)

この5月はほとんど読書ばかりして過ごしていたので、そんな時にBGMとしてロックを流すと、どうやら自分の耳が“ロック耳”になっているようで、音にばかり意識が集中してしまう。

そりゃ~もう何年もの間ロックを中心に音楽をずっと聴き続けてきたんだから、自然とそうなっていたのは何ら不思議ではないか。……なんて妙に納得していたのである(笑)。

読書(特に小説)に集中するのにジャズが自分には最適だと感じていて、アダルトな雰囲気が本の世界により入り込みやすくしてくれていたのかもしれない。







……というわけで、最近はロックを聴いてなかったが、そんな僕を再び引きずり戻してくれたのがイギリスはウィガン出身のザ・ヴァーヴ(THE VERVE)の初期作品で、今週に入ってからはヴァーヴとボーカリストであるリチャード・アシュクロフトのソロ作品ばかり聴いて過ごしている。


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1年ほど前にもヴァーヴのことを書いたけど、あの記事はあんまり良くなかったんで(汗)、今回は彼らの初期作品についてじっくり考察してみようと思う。



僕にとってヴァーヴというバンドは“最強のサイケデリックバンド”のひとつだし、今回改めて聴き直してみて、初期の彼らがやっていた音楽というのは他に例を見ないほど稀有な存在だと感じた。

こういう音楽性とポテンシャルの高さで同等のレベルにあるバンドといえば、これも以前に書いた初期マーキュリー・レヴぐらいしか思い浮かばない。




1stアルバムを世に出す前年の92年に3枚のシングル(“All In The Mind”、“She's A Superstar”、“Gravity Grave”)を立て続けに発表したが、今では貴重な品なので、僕が今手元に持っているこれらの音源は編集盤やベスト盤で聴いている。


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(VERVE E.P.)


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(NO COME DOWN(B SIDES & OUTTAKES))


この2枚と2005年に発売されたベスト盤で初期の音源が網羅できる。




ヴァーヴはデビュー当時から1stフルアルバムまではそうとう“イッちゃってる音楽”をやっていた人達で、実際にメンバーもそうとうイッちゃってた人達とのことだ。

まあ、そうでなければこんなヤバい音楽を生み出すことなんて絶対に出来ないし、それに音を聴いているだけでも個々のメンバーがどれだけアクが強くて個性的なのかが伝わってくる。

メンバー全員の技量も申し分無いし、とりわけギターのニック・マッケイヴは90年代にデビューしたギタリストの中で一番個性的な音を出すミュージシャンだと思っている。

それに、初期ヴァーヴの一番の特長として僕が感じているのは、妖しい音楽なのに“メロディーがしっかりしている”ということだ。やはりこれは、彼らが英国ロックの伝統をしっかりと受け継いでいるからに他ならない。




幻覚・幻聴を感じさせるサイケデリックミュージックに耳馴染みの良いメロディーを混ぜ合わせた彼らの音は、今聴いても唯一無二の存在だ。









All In The Mind
https://youtu.be/S_3GqfaOKBY


One Way To Go
https://youtu.be/6dMYO4W61e8


She's A Superstar
https://youtu.be/1xIGyp9efXU


Gravity Grave
https://youtu.be/66Hu-tx1urg


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T6/4 19:30-23:00

“苦しみと優しさの交響曲”の巻

どうにもブログの間隔が空きすぎている。

書けることもあるはずなのに、まとまらない。

ちょっと今現在の頭の中を整理してみようと思う。



超個人的な話だし、暗い内容なので、読みたくない方は絶対スルー!!









久しぶりに酒を呑んでいる。

先日行われたジーザス&メリー・チェインのライヴで久々に呑んでから、勢いがついたのかもしれない。

酒で羽目外しまくった過去があるから、それ以来、呑まなくなってたんだけどなぁ……。

久々に『死ぬまで呑んでやろうか』という気分になってしまった。






どうしようもない孤独、不安。

普段は気にしないようにしていたことが、一気に襲いかかってきた感じだ。

少し前に書いたけど、これを乗り越えるのがなぁ……。




ちょっとした一言で誤解を招く。

僕自身、今までたくさん傷つけられてきた。

そして、たくさん傷つけてきた。





ホント、ちょっとした一言。

それで、それまでの評価が180度変わってしまうこともある。




だけど、しょうがない。

無難な発言ばかりしていれば『どうでもいい奴』になるし、そんなのは居ても居なくてもどっちでも良い人だ。



しかし、言い過ぎるとトラブルの原因になってしまう。



よく友達のEさんと「何でも“バランス”が大事」だという話をするけど、ホントそう思う。


自分は100%完璧な人間じゃないから羽目を外すこともあるし、失言することもある。そして、それは他の人にも当てはまる。

だけど、失言や失態で失った信用は、なかなか元には戻せないのも知っている。



そんな時に自暴自棄になる。





何だかワケが分からなくなり、アルコールに逃げたのかもしれない。





何となく“Better Sweet Symphony”を聴きたくなってしまった。



“苦しみと優しさの交響曲”。











THE VERVE / Better Sweet Symphony
https://youtu.be/1lyu1KKwC74


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T 5/29 16:00-19:00

JESUS AND MARY CHAIN live at 心斎橋BIG CAT(2019.05.20)

2019年5月20日(月)、大阪は心斎橋BIG CATにて行われたジーザス&メリー・チェイン(THE JESUS AND MARY CHAIN)のライヴ。


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シューゲイザーの始祖”ともいえる彼らの姿を初めて拝めるということもあり、会場入りする前からかなりテンションが上がっていた。







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会場では他のライヴでも見かけた人がチラホラ……(笑)。

みんな音楽を愛して、必要としている人達ばかりだ。

もちろん、僕もその中の1人だ。









定刻を10分過ぎた、19時10分ちょうどにメンバーが登場し、幕を開ける。



オープニングナンバーは現時点での最新作である“DAMAGE AND JOY”の1曲目“Amputation”をオープニングナンバーに持ってきた。


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ジーザス&メリー・チェイン(以下ジザメリ、JAMC)はギターのウィリアム(兄)とボーカルのジム(弟)の“リード兄弟”のバンドで、他のパートはメンバーチェンジを何度もしている。

以前にはライドのドラマーであるローレンス・コルバートや、ラッシュのベーシストだったフィリップ・キングなども在籍していたとのことだ。

(……というか、ひょっとしてこの日のベースってそのフィリップ・キングだったのでは?!知っている方、教えて下さい!!)




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今回のライヴは各アルバムの代表曲を網羅してくれるという内容で、ベストヒッツ的な選曲だった。

そのおかげで最近はジャズばかりほとんど聴いていた僕だったが、JAMCは1st“PSYCHO CANDY”と7th“DAMAGE AND JOY”、それにシングル曲を集めた“21 SINGLES”しか直前に聴いてなかったにも関わらず、十分楽しめるセットリストだった。





生でJAMCのライヴを観て、実際に音を聴いてみて、とにかく兄のウィリアム・リードのギターが想像していた以上にノイジーでキンキン鳴り響いていたのが印象的だった。


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(ギターのウィリアム・リード)


ウィリアムの周辺はスピーカーやライト、それにオレンジのアンプがまるで結界のように張り巡らされていて、バリアーで囲まれているかのように見えた。

『ここは俺の領域だから、誰も入ってくるな!!』とでも言っているかのように黙々と、歪んで、歪んで、歪みまくったギターノイズを掻き鳴らす。

このギターノイズがまた曲者(くせもの)で、大音量でひとつ間違えれば公害かと思えるほど耳障りに聴こえるはずなのに、ひたすらスウィーティーで、まるで刺激の強いキャンディーを五感で味わっているかのようだ。

スタジオヴァージョンの何十倍も攻撃的で、そして甘い。

一聴すると矛盾したギターサウンドが、後のシューゲイザーと呼ばれる音楽シーンに受け継がれていったのは、レコードやCDの音源で聴くよりも、生で聴いた方がずっと説得力があると感じた。





そして、弟のジム・リードはマイクのコードをくるくると手に巻きながら前屈みになり歌い上げる。


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(ボーカルのジム・リード)


兄のウィリアムのギターノイズがとにかく大きくて会場全体を多い尽くすほどの大音量なのに、よくこんな状況で音を外さずメロディーを歌い上げることが出来るもんだと不思議でしょうがなかった。








兄弟揃って演奏中はほとんど俯(うつむ)いている。



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甘美なメロディー、轟音、そして足元を見るかのように俯きながら黙々と演奏していく。



まさしく“シューゲイザー”そのものだった。








アンコールの1曲目に大好きな“Just Like Honey”を演奏してくれ、この曲だけ女性ボーカルが加わっていた。


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女性ボーカルが居るのなら、マジー・スターのホープ・サンドヴァルとデュエットした“Sometimes Always”も演奏してくれたら良かったのに……。


名曲なのに、残念!


また次の機会に聴かせてくれ!!









ラストは“I Hate Rock'n'Roll”でライヴを締め括った。



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ライヴ中は『こんな破壊的な音を1984年とか85年に初めて生で聴いた人達って、一体どう感じたんだろ?!』なんてことを何度も思ってしまった。


きっと、ものすごい衝撃が襲ってきたに違いないし、それこそマイ・ブラッディ・ヴァレンタインをはじめとする後のバンド勢に引き継がれていっただけのエネルギーに満ち満ちていたんだろう。







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個人的には初期の“Just Like Honey”と“Some Candy Talking”には一番感動したな。



だって、JAMCの楽曲で一番よく聴いたから。



ホント、生で聴けて鳥肌が立ったよ。






こうやって好きなバンドを実際に生で観られる日が来るなんて、生きてて良かったと心の底から思えたし、これから生きる活力になるね。










In A Hole (LIVE1985)
https://youtu.be/z50jjb4iAzE


Never Understand
https://youtu.be/b2bzrCCKDwc


Just Like Honey
https://youtu.be/7EgB__YratE


Some Candy Talking
https://youtu.be/oIIdLAQ3nvc


I Hate Rock'n'Roll
https://youtu.be/Mlu4F4SRjyk


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MEW / Satellites

前回書いた通り、最近はほぼジャズとブルースばかり聴いて過ごしている。

というのも、部屋に居てる時はここんとこずっと読書しかしていないので、まあ、それに合ったBGMを選んでいるためだ。

久しぶりに“ロックミュージック”と呼ばれるジャンルの音楽をほとんど聴いてないけれど、そんな中でも唯一聴いているのがデンマークを代表するバンドMEW(ミュー)で、昨年行われた来日公演のセットリストに添った曲順がSpotifyに収録されていたのでそればかりリピートしている。



MEWについては当ブログ内で何度か書いているが、今聴いても相変わらず僕の心を捕らえて離さない魅力を放ち続けている人達だ。

そして、こうやってベストヒッツ的な選曲(といっても、昨年のライヴはアルバム“FRIENGERS”全曲を完全再現したものだったけれど)を聴いて、一番気に入ってるのがアルバム“+-”のオープニングナンバー“Satellites”だ。


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(アルバム“+-(プラス・マイナス)”)


各アルバム内に名曲が目白押しのMEWだけど、個人的には彼らの代表曲“Am I Wry? No”にも匹敵する超名曲だと思っている。

北欧の冷たい景色を連想させるようなバンドイメージや楽曲で、太陽が燦々と輝く季節には合わないと勝手に思っていたが、イヤフォンを着けてこの『サテライツ』を聴いてると、また新しい何かが始まるような、そんな高揚感に包まれる。





今回、本当はアルバム“+-”についてガッツリ書こうかと思ったけど、ジャズばかり聴いてるので(笑)、またいつか。ということで。









Satellites
https://youtu.be/VawIB4N_gmM


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