THE VERVE / A NORTHERN SOUL (1995)
最近はもうあまり音楽を聴く時間が無くなってしまったが、そんな中でも相変わらず聴いているのがザ・ヴァーヴ(THE VERVE)だったりする。
日本ではそれほど人気も知名度もないバンドかもしれないが(強いて言えば3rdアルバムが知られているくらい)、僕の中ではヴァーヴといえば90年代にデビューしたバンドでトップ3に入るほど大好きだ。
というわけで、そんなザ・ヴァーヴが95年に発表した2ndアルバム“A NORTHERN SOUL”について今回書き綴ってみる。
(2nd“A NORTHERN SOUL”)
当ブログで何度も“ヴァーヴ愛”を語っているが、『何で日本であまり人気が無いんだろう?』と改めて考えていた。
まあ、SpotifyやCDで聴きながらそんなことを考えてはいたが、『そりゃ売れんやろ』という結論に達したわけであり(笑)。
僕自身がサイケデリックロックに傾倒していたのもあり、言ってしまえばシューゲイザーなんかもサイケデリックミュージックの進化系のひとつだし、初期のヴァーヴは特にシューゲの影響下にあったため、初めて彼らの1stアルバムを聴いた時から“究極のサイケデリックバンド”だと思っているし、その気持ちは僕の中で今も変わっていない。
ただ、サイケデリックっていまいち日本では浸透しない音楽のような気もして、歌モノになって復活した3rdだけは一般のリスナーにも受け入れられたのは納得したというか。
確か、最初に聴いたのが3rdで、その次に1stを聴いてブッ飛んでしまい(笑)、……で、そうなったら勿論2ndも聴きたくなるのは当然なわけで。
だけど、その頃はどのレコード屋にもこの2ndアルバムが置いてなかったため、結構な間が空いたのを覚えている。
やっと見つけた2nd『ア・ノーザン・ソウル』というアルバムの第一印象は、ジャケ裏に写っていたベーシスト、サイモン・ジョーンズのファッションに一目惚れしてしまった、ということだ(笑)。
この写真に写っている彼のファッションに憧れて、同じような赤いコーデュロイのパンツを探し回ったのは良い思い出だ。
アルバムに並んだ楽曲をひと通り聴いた感想はというと、“ちょうど1stと3rdの中間”という印象だった。
1stよりも音全体が鮮明になり、より“ロック色”が強くなっている。と同時に、相変わらずお得意の“サイケ全開曲”もあったりと、今聴き返すと転換期を迎えていたのも理解できる。
M5のアルバムタイトルと同一の楽曲“A Northern Soul”が一番のお気に入りで、グチャグチャのサイケデリックワールドをこれでもかというぐらいに展開している。
やはり彼らにはインプロヴィゼーション全開の楽曲が合っているように感じるし、演奏能力や“ヴァーヴというバンドにしか鳴らせない音”があって、残念ながらそれは3rd『アーバン・ヒムズ』ではほぼ消え去っていたのが残念でならない。
それでも、リチャード・アシュクロフトが中心となって作られたであろう“歌モノ”の楽曲群も名曲が散りばめられていたり、そしてストレートなリフ主体のロックンロールを披露したりと、彼らの歴史の中で一番バラエティーに富んだアルバムとなっている。
そうやって聴いていると、決して万人受けはしないかもしれないが、やっぱりこのアルバムも“イッちゃってる”1stと並んで“最高の1枚”であることは間違いない。
しかし、このアルバムから“History”がシングルカットされた頃には、既に彼らは一度目の解散をしていたため、ヴァーヴというバンドは存在していなかった。
日の目を見る前に一度目の解散を果たしてしまった彼らだが、もしこのまま復活していなかったとしたら、“90年代初頭に登場したマニアックなバンド”としてほんの僅かのロックリスナー達の記憶に残っただけで終わっていただろう。
A Northern Soul
https://youtu.be/6F2KTpnGJ1I
On Your Own (LIVE 1995)
https://youtu.be/KxBJJIeIJ3g
This Is Music
https://youtu.be/PgsPAsno4OU
Stormy Clouds
https://youtu.be/ISt2zpysAmk
History
https://youtu.be/2jmf9UQ3YIs
LOVE.