PINK FLOYD / Arnold Layne
ピンク・フロイド(PINK FLOYD)といえばプログレッシブロックを代表するバンドだったり、『狂気』や『ザ・ウォール』といったアルバムが何千万枚ものセールスを記録したりといったモンスターバンドで、中心人物は歌詞やアルバムコンセプトを担当しているロジャー・ウォーターズ(ボーカル&ベース)が在籍していたことで有名だ。
核になっているのは間違いなくロジャー・ウォーターズの創り出す世界観で、それが多くの人達の共感を呼び世界的なバンドになった。
このバンドにはもう一人、ロジャーと双璧を成す人物がいて、デヴィッド・ギルモア(ボーカル&ギター)の深みのある歌声とギタープレイに魅了された僕は、どっちかというと“ギルモア派”だ。
ロジャー派かギルモア派かでフロイド人気って分かれるところがあるけれど、彼ら二人とリック・ライト(キーボード)とニック・メイスン(ドラム)も居なければ“フロイド・サウンド”は成立しなかったと思っている。
そんな世界的なバンドであるピンク・フロイド。実は、デビュー当時には全く別の人物が中心になっていた、というのは世間から忘れ去られているのかもしれない。
それがシド・バレット(ボーカル&ギター)で、僕が初めてフロイドの曲を聴いたのは、彼が中心になっていた時期のデビューシングル“Arnold Layne(アーノルド・レーン)”だった。
(シド・バレット)
洋楽に興味を持ち始めた頃、ちょうどテレビで放送していたロックヒストリー番組を観ていたら、『アーノルド・レーン』のイメージビデオが流れ出し、その映像は不気味さ全開で脳にまで強烈な刺激が襲ってきた。
フロイドがデビューしたのは1967年で、ちょうどサイケデリックロックというジャンルが誕生した年になる。
彼らは実験的な音作りやライヴで照明の使い方など演出にも凝っていた人達で、初期ピンク・フロイドの音と映像から入った僕は、正直『怖えぇ……っ!!』と思ったほどだ。
だけど、この時の番組を録画していた僕はなぜかその後、何度も何度もリピートして喰い入るように観てしまっていた。
何だかホラー映画を彷彿とさせる世界観に魅了されてしまったのか、特に『アーノルド・レーン』の“気持ち悪いビデオ”を繰り返し観ていたのだ。
今思い返せば、あの時に僕の中でサイケデリックの扉が開かれたんだろうな、きっと。
Arnold Layne
https://youtu.be/PFEU_BQL6dc