JOHN MAYER TRIO / TRY!(2005)
もう何年も前、アメリカのローリング・ストーン誌で“現代の三大ギタリスト”という特集が組まれ、デレク・トラックス、元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテ、それに今回紹介するジョン・メイヤー(John Mayer)の3人が挙げられていた。
“三大ギタリスト”という名前の由来は1960年代で、その頃はエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジの“元ヤードバーズ”という1つのバンドに所属していた3人から来ている。
“三大ギタリスト”=“世界のギタリストTOP3”と思われるかもしれないが、決してそういうワケでは無くて、他にも優れたギタリストがたくさんいる中で、メディアが勝手に作り上げたものだと僕は思っている。
そして、“現代の三大ギタリスト”と呼ばれる人達に対しても同じように感じていて、メディアが話題作りのためにやってるところが少なからずあるだろう。
紹介されている3名のギタリストはもちろん僕も大好きだし、素晴らしいミュージシャンなのは間違いない。
そんな中でも、特に“凄い”と個人的に感じるのがジョン・メイヤーで、彼が2005年に結成した、その名もズバリ“ジョン・メイヤー・トリオ(JOHN MAYER TRIO)”での演奏には驚愕したのを覚えている。
この頃の僕はブルースを中心にドップリ浸っていて、デレク&ザ・ドミノス、オールマン・ブラザーズ・バンド、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドなどの60~70年代のブルージーなギターサウンドを好んで聴いていた時期だった。
このジョン・メイヤー・トリオは当時の衛星放送でライヴ映像が流れていたのを偶然観て知ったんだけど、それまでジョン・メイヤーなんて名前ぐらいしか知らなかったので、何となく『アメリカの一般大衆ウケする“無難な人”なのかな』なんて偏見があった。
……が、ところがどっこい(笑)、この人の演奏はバリテクで、ギターはブギウギしてるし小刻みなカッティングもソロも“飛び跳ねる感じ”がとても心地好い。
しかも、一向に休まずギターを縦横無尽に弾きまくってるのに、歌も渋く味があって、めちゃ上手いという。
どっちかひとつだけでも物凄い才能なのに、ソングライティング能力にも長けている。
彼を支えるトリオ編成は、ザ・フーのジョン・エントウィッスル(←最高のベーシスト!)亡き後にバンドのサポートメンバーになったピノ・パラディーノ、それにキース・リチャーズのソロ作品など大御所ミュージシャンとの共演を重ねてきたドラマーのスティーヴ・ジョーダン。
ギター、ベース、ドラムという3つの楽器のみで全ての曲を演奏し、高度な技術で繰り広げられるジャムセッションには圧倒されてしまった。
やってることは70年前後のブルースロックと同じで、何ひとつ新しいことなんてやってない。
それでも、こういう音楽をやってる人達ってこれから先も絶対に居なくならないだろうし、欲してるリスナーもいてるはずだ。
今だとコンピューターを駆使して“足りない音”を追加できて、よりスタジオ音源に近い演奏ができたりとライヴの可能性が広がっているように感じるし、僕も『結果的に良くなるなら何やっても良い』と考える人間なので、そういうのは大賛成だ。
ただ、“生身の人間がぶつかり合い、予定調和に無い演奏”がライヴの醍醐味であるのも知ってるので、このジョン・メイヤー・トリオのようなバンドは、いつの時代でも聴衆を熱狂させてくれる力があると思っている。
Good Love Is On The Way(LIVE)
https://youtu.be/XlhxG9O54n8
Gravity(LIVE)
https://youtu.be/r1f6QZdw3fc
Try(LIVE)
https://youtu.be/OfVedKbAqOA
Try: John Mayer Trio Live in Concert
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