シューゲさんのまったり音楽日記

洋楽中心に1記事につき3〜5分程度で読める内容にしているので、気になったミュージシャンがいれば添付してある音源をご視聴頂けたら幸いです。

I MAX映画『ブレードランナー ファイナル・カット』

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9月12日(木)、TOHOシネマズなんばにて上映中の映画『ブレードランナー ファイナル・カット』IMAXをKさんと観賞した。


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IMAX上映されると知った時、『これは絶対に観なければ!!』と思った。




今から37年前の1982年に公開された『ブレードランナー』。

この映画を観たことが無い方は「レンタルなどで観られる作品を、わざわざ映画館で観るのに意味はあるのか?」なんて思われるだろうが、『ブレードランナー』こそ映画館で、しかもIMAXという大画面と大音響で楽しむべき作品だ。






先ずは『ブレードランナー』をご存知ない方のために、簡単な解説を。




舞台は、2019年(←今年ですよ!)のロサンゼルス。


タイレル社が開発した“レプリカント”と呼ばれるアンドロイドが宇宙の過酷な環境で労働させられていたが、ある時反乱を起こし、5体のレプリカントが地球へやってきた。

そのレプリカント達を処理するため、主人公のデッカード(ハリソン・フォード)が活躍するという話。




今回、観賞したのを含めて『ブレードランナー』は3~4回観たことになるが、また新たな衝撃と感動が押し寄せてきた。


アドベンチャーゲームばりに探偵の要素あり、アクションシーンあり、ラブロマンスあり、ヒューマンドラマありと、ひとつの鍋に片っ端からいろんな素材をブチ込んでいるような作品だ。


しかも、それらが全て“近未来の世界”で描かれている。




こう書いただけだと「他の映画にも、そんなのいくらでもある」と思われるだろうが、『ブレードランナー』が未だにカルト的な人気があるのは、あの世界観に他ならない。



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監督のリドリー・スコットはもちろん、イメージデザインを担当したシド・ミードが創り出した世界は、今観ても全然古臭さを感じない。

ヴァンゲリスの音楽も最高だし、今回、映画館で観て『完璧だ!』と思わされた。





そして、レプリカントのリーダーであるロイ・バッティを演じたルトガー・ハウアーさんが今年7月に逝去されたとニュースで知ったが、改めて観てホント強烈なインパクトを残してくれている。


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レプリカントの寿命はたったの4年。


誕生してから数年の間に感情が芽生えるという。


身体能力は人間よりもズバ抜けて、知能も優れている。


だけど、彼らは宇宙での貴重な労働力として、過酷な状況で働かされていて、それを事あるごとに人間に訴えかける。





今回、久々に観賞して、「どうせ映画の話だろ」という訳にはいかないと僕は感じた。



レプリカント達が死への恐怖に怯え、どうにかして自分達が少しでも長く生きられるようにと必死になっている姿や、仲間が死んで泣き叫び、苦しみ、哀しみ、怒りを露にしている姿は、「これって、人間以上に人間らしいんじゃないか」と感じてしまった。


一人のレプリカントが人間社会に潜り込んで働いてるシーンがあるが、彼らも“人”への憧れがあったんだろうし、寿命などの細かなことを除けば“人間”と何も変わらない。


どっちかというと、映画に出てくる“人間”の方が、より無表情で、無感情のようにも見えてしまった。






初めて観賞した時は何となく画面を観ていただけだったし、その後も世界観が好きで観ていた感じだったが、今回やっと深いところまで理解できたような気がした。




難しい内容だし、一度観ただけでは何が何だか分からないかもしれないが、映像や世界観だけでなく、ずっと語り継がれるだけの魅力がある作品だと改めて感じた。









IMAX『ファイナル・カット』予告編
https://youtu.be/UNILYK8zIfg


End Titles
https://youtu.be/wQMwfoXg5JE


Love Theme
https://youtu.be/WWS747M7UnQ


Blade Runner Blues
https://youtu.be/RScZrvTebeA


Rachel's Song
https://youtu.be/H_JbhI7fk0g


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T9/16 14:30-22:00

The Japanese House live at UMEDA CLUB QUATTRO(2019.9.4)

2019年9月4日(水)、梅田クアトロにてザ・ジャパニーズ・ハウス(The Japanese House)の大阪公演に行ってきた。


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ジャパニーズ・ハウスはロンドンを拠点に活動をしている女性シンガーソングライターのアンバー・ベインという人のソロプロジェクトで、今年デビューアルバムを出したばかりの新人アーティストだ。




昔は毎年のようにデビューする新人ミュージシャンで一人でもお気に入りを見つけていたものだが、ここ数年は新しいミュージシャンをほとんど追っかけなくなっていた。

今年でもう2010年代が終わるんだからな~。2000年初頭にデビューしたストロークスやヴァインズなんかも既に20年近く前になると思うと、何とも時の流れは早いもんだと実感してしまう。


ちなみに、ここ数年では個人的にウルフ・アリスが一番のお気に入りで、彼らと同じダーティー・ヒット・レーベルからデビューしたのがこのジャパニーズ・ハウスさんだ。





今回は彼女の初来日公演を、友人のBさんと行った時のレビュー。








予定時刻を少し過ぎた19時15分頃にメンバーが登場。





ジャパニーズ・ハウスことアンバー・ベイン(ボーカル&ギター)の他に、ドラム、ベース、キーボードのバンド編成。


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アンバー・ベインさんは左利きで、ジミ・ヘンドリックスのように右用のストラトキャスターを左に持ち替えて弾いていた。



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ストラトの特徴を生かした音で、クリーンなギターサウンドが会場内を包み込む。

いかにも2000年以降の音といった感じで、ビーチ・ハウスやライ、それにザ・XXなどと共通する心地好さがある。


ドリームポップにも通ずる彼女の歌と曲調で、1曲目から観客は早くも酩酊している。





……が、モニターの返しが悪いのか、アンバーさんが曲の途中で演奏をストップさせた。



皆「えっ?!」となってしまったが、バンドも観客も気を取り直して2曲目へ突入。



しかし、ここでもまた直ぐにアンバーさんは演奏を止めたため、拍手を送る人達もいたが、正直言って僕は何だか拍子抜けしてしまった。



自分たちの音が聴こえにくかったのか、アンバーさんは人一倍“音”に拘るミュージシャンなのか、それは僕には分からない。

だけど、ライヴという場でやるからにはどんなに劣悪な環境だったとしても、お客さんを相手にして演奏しているというのを忘れちゃいけないのではないか。

一度なら『しょうがない』と思えるかもしれないが、2曲続けてこれは興醒めするよ。

しかも、冒頭の2曲だからね。聴いてる側は気持ち良くなっていたんだから、勢いで乗りきってほしかったな。






プロで初っぱなからこれだけ躓いたライヴは初めてだったが、その後は順調に進行していった。


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透明感がありながらもほんの少し濁りのある彼女の歌声は、優しいポップな曲調と相まって、聴いていてとても気持ちが良い。


何気にギターも上手くて、味のあるギターソロも随所に聴かせてくれたが、あくまで曲の“味付け”程度に抑えていた。

僕としてはもっと彼女のギターを前面に押し出した楽曲も聴いてみたいと思ったので、これからどう化けていくかも楽しみだと思った。

長髪のブロンドヘアー、それに左でギターを弾いている姿を観ていると、たまにニルヴァーナカート・コバーンっぽく見えたりもした。




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アンコール無しの約1時間でライヴ終了。



プロのワンマンで1時間のライヴは初だったが、同じような雰囲気の曲が多いため、これが2時間とかだと間延びしそうだったので、1時間でちょうど良い感じだった。



あと、アンコールをやらないってのも良いね。


ほとんどのライヴでアンコールがお約束になってるのはどうだかな~~、といつも思っていたので、今回のシンプルなステージで展開していった彼女のライヴは潔さがあったな。





短い時間でトラブルがあったりとハラハラさせてくれたが、夢心地な気分にさせてくれたザ・ジャパニーズ・ハウスことアンバー・ベインさん。



これからどうなっていくか、非常に楽しみなミュージシャンだ。











You Seemed So Happy(LIVE)
https://youtu.be/7ZP2SqUpgec


Maybe You're The Reason
https://youtu.be/dEzYD4ZielY


Faraway
https://youtu.be/0I9wnh80T9A


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T9/13 20:00-23:00

映画『ロケットマン』

2019年8月30日(金)、エルトン・ジョン(Elton John)の半生を描いた映画『ロケットマン』を観賞した。


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ということで、今回は映画の感想と、ついでに僕がエルトン・ジョンを知った経緯について語りたいと思う。






エルトンの音楽を初めて聴いたのは、アメリカのテレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でのスタジオ演奏だった。

『ポール&チェイン』という曲をやっていて、多分、85年辺りの映像だったと思う。

ポップな曲調で軽快に歌い、最後の方でエルトンが足でピアノを叩く仕草が印象に残っていた。




その後、毎週のように通っていたレコード屋の店長とエルトンの話になり、


エルトン・ジョンは作詞家の人とコンビを組んで名曲をいっぱい生み出してたんやけど、途中でいちど仲が悪くなってコンビを解消してな~。そっからのエルトンはヒット曲にも恵まれんで、同じ作詞家に戻ってきてもらってからまた良い曲を作っとんねん、これが」


と、その仙人のような風貌をした店長さんは語っていたのだった(笑)。




エルトンの楽曲に関しては前述の『ポール&チェイン』と、映画『あの頃ペニー・レインと』の劇中で歌われていた“Tiny Dancer”が僕の中で一番印象に残っている。

だけど、その2曲ぐらいしかまともに聴いておらず、2枚組のベストアルバムも所有してはいたものの、流し聴きしていた程度だった。

あと、何年も前にエルトンの伝記を読んだりもしたが、それでも彼にのめり込むことはなかった。


ただ、最近の彼の写真を見ていると、昔のような派手さは無く、自然体でとても良い顔をしていると感じていた。


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そんな、ほとんどエルトン・ジョンにハマらなかった僕だが、今回の映画を観たら彼の魅力に気付けるんじゃないかという気が、何となくだけどしていた。

昨年に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』みたいに、映画鑑賞後に曲を聴くと印象が変わっていたような、ミュージシャンの伝記映画ってそういう魅力を伝えてくれるんじゃないかという期待感があったからだ。



結果的に『ロケットマン』は、『ボヘミアン・ラプソディ』と双璧を成すほどの傑作映画に仕上がっていると僕は感じた。


何の予備知識も無く観賞したが、所々ミュージカルが挿入されテンポ良く物語が展開していったので、2時間があっという間に過ぎていた。

正直、スタッフロールが流れた時には『えっ?!もう終わり?もっと先を観たい!!』と思ったほどだ。


ミュージカルの演出も超ド派手で、エルトンの名曲に合わせて全ての登場人物や舞台までもフル活用し“エルトン・ジョンという人間”を演出していたのは、今までに観たことが無いエンターテイメント作品だった。


クイーンのフレディ・マーキュリーを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』とはまた一味違う演出やテンポだけど、それがかえって良かったんだと思う。


エルトン・ジョン役を務めた主演のタロン・エガートン自身の声で全曲歌っていて、これが聴いてて何の違和感も無い。めちゃくちゃ歌上手いです、ハイ。


ストーリーの流れ自体は在り来たりな“ロックスターの孤独、転落から復活”に見えるかもしれないが、それでもエルトン・ジョンにしかない生き様が描かれているし、この映画を観ることで変に彼を神格化するわけでも無く、ひとりの人間としての弱い部分をさらけ出していて、それが一番心に残った。



あと、劇中で効果的に使用される楽曲のおかげで、やはり鑑賞後に“聴き方”が180度変わってしまったね。



ミュージシャンの伝記映画としても、エンターテイメントとしても超一級品の作品に仕上がっている。




100点満点中100点だな、うむ。



超オススメ。










Tiny Dancer
https://youtu.be/yYcyacLRPNs


Saturday Night's Alright (For Fighting)
https://youtu.be/NagnbRHdh-0


Roketman
https://youtu.be/DtVBCG6ThDk


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NOMART “30th - Miracle vol.2 / On the Wall”オープニングパーティー

2019年8月24日(土)、大阪市内にあるギャラリーノマル(Gallery Nomart)にて行われたノマル30周年記念イベント。


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“Miracle vol.2”と題された今回のオープニングパーティーで感じたことを書き綴っていく。






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会場に入ると、過去30年間に発表された各作家の作品が壁一面に、所狭しと並んでいる。



そして、招待された多くの人、人、人……。



あまりの眩(まばゆ)さに終始圧倒されっぱなしで、まるでお伽(とぎ)の国のような非現実的な空間がそこに広がっていた。




一気に30年もの長い歴史を“魅せられた”ようだった。





地球や宇宙の歴史からすると、人間の一生なんて、ほんの一瞬。


だけど、人が積み重ねていく30年という年月は、果てしなく長い道程だ。


展示されている作品群だけでなく、この日集まった人たちとの“繋がり”がノマルという歴史の全てを物語っていた。




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食事は高槻市にあるFOR THE TABLEというお店の提供で、味はもちろん、見た目も華やかだった!





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オーナーの林聡さんとアーティストの方々。





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パーティー中に行われた即興ライヴの模様。.es(ドットエス)のsaraさんと橋本孝之さん、それに詩人/美術評論家建畠晢さんによるポエトリー・リーディングを展開。




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林さんとノマルスタッフの皆さん。




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手作りの“仮面ライダーバッジ”を身に付けている!(笑)




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左から、1年ぶりに再会した台湾人作家のチャンさん、この日大活躍してくれたkikiさん、音楽誌などで執筆をされているキノシタさん、そして僕。






ノマルへ来る度に毎回ものすごい刺激を受けているが、この夜の出来事は「グワーーーッ!!」と脳天を直撃し、打ちのめされてしまった。


たった1日の出来事だったはずなのに、10年分ぐらいの体験をした気分だ。



パーティー中やこの後に参加させて頂いた二次会でも、僕はたくさんの人達と話しながら様々な思いを巡らせていた。



“続ける”ってことがどれだけ大変なのかを考えさせられたと同時に、好きなことを生業にするというのは、生半可な気持ちでは出来るわけがない。



オーナーの林さんや作家さん達の作品を観ていて、僕はそう感じていた。







実は、今回のブログはこのギャラリーノマル内で書いている。


一度、この空間で各アーティストの作品を肌で感じながら書いてみたいという衝動に駆られたためだ。



そこには、30年という途方もない時間の流れを感じると共に、作品を発表した作家さん達だけでなく、林さんをはじめとするスタッフの方々、それにアートが大好きなファンの人達が作り上げてきた歴史が、今もここに刻まれている。









.es LIVE


2012年11月24日
https://youtu.be/gaJCXmIKGig


2011年4月23日
https://youtu.be/kJvVFy-X92o


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T9/2 18:30-0:00

“RIDEという名の旅”の巻

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2019年8月16日に世界同時発売されたライド(RIDE)の新作“THIS IS NOT A SAFE PLACE”。


最近はSpotifyで音楽を聴くことが多くなったので、ライドの新譜もCDで購入するのは一旦保留にしようかと思っていた。


……が、やっぱり僕にとって一番好きなバンドなんでね。夕方に梅田のディスクユニオンへ足を運び、ちゃんと盤で聴くことにしちゃったよ。



この新譜を聴きながら、今までライドをはじめとする沢山の音楽を聴いてきた自分自身を見つめ直していた。


……なので、今回はライドの新譜のレビューよりも、僕がライドというバンドを通して感じてきたことを書き綴っていく。






ライドがデビューしたのは1990年で、一度目の解散をしたのが96年。


僕が彼らの音に触れたのはそれからだいぶ経ってからのことだったので、その頃にはもうライドというバンドの存在すらこの世に無かった。


あるのは、彼らが現役時代に残していた音源のみ。


初期に発表した2枚のEPをひとつにした“SMILE”から入り、その後に聴いた1stアルバム“NOWHERE”で完全にノックアウトされてしまった。


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(1st『ノーホエア』)


以前にも書いたが、このアルバムを聴いた瞬間、波に襲われるような衝撃を受けてしまった。


脳の“眠っていた部分”が目覚めるような感覚に陥ったのを覚えている。

ロックを聴いてきて特別な体験をしたことは今までに何度も何度もあったが、『ノーホエア』を初めて聴いた時がダントツで一番強烈だった。

たまに『ああ……記憶喪失になって、またこのアルバムを初めて聴いてみたい』なんて思う時があるほどだった。



これも以前に書いたが、僕はメインボーカル&ギターのマーク・ガードナーのソロライヴを2003年に観ている。

その時のマークはアコースティックギターの弾き語りで一人でステージに立っていて、それは僕にとって思い出深い最高のライヴのひとつになった。

ファンの期待に応えるため、彼はライドの名曲を思う存分に披露してくれた。


そして、もう一人のボーカル&リードギター担当のアンディ・ベルに至ってはオアシスにベーシストとして加入していたが、僕はオアシスのライヴを一度も生で観たことが無い。

アンディはオアシスでもいくつか楽曲を提供していたが、全く印象に残らなかったのが正直な感想だ。


世界中のありとあらゆるスタジアムを満員にして、それこそ大金が彼の手に入っただろう。


だけど、これは僕の想像だけれど、行く先々でアンディはライドの熱狂的なファンに声を掛けられていたんじゃないかと思う。



「またライドをやってほしい!」と。



マーク・ガードナーもアンディ・ベルも、新しい土地へ行く度にそう言われてきたはずだ。


その時に、解散してから何年も経って、初めて彼ら自身がやってきたことの大きさに気付いたのではないか。


音楽を辞めたベースのスティーヴ・ケラルトにしても、他のバンドにサポートメンバーとして参加したドラムのローレンス・コルバートにしても、ずっと言われてきたはずだ。



僕はそう思っている。





ライドが再結成したのは2014年11月で、翌2015年から本格的に活動をスタートさせ、僕はその時に初めてずっと好きだったバンドを生で観ることができた。



メンバーは歳をとり、顔には皺が増えて、髭を生やしていた。


アルバム『ノーホエア』を筆頭に初期の楽曲も披露してくれたが、90年代当時に活動していた頃の彼らのライヴ音源やブートレッグ、それに映像で観ていた“若さ”は、当たり前だけどそこには無かった。



それでも、ステージを通して“彼らが歩んできた道程”を僕は肌で感じた。


バンドの再結成って間違いなくお金が絡んでいるのは確かだけど、それ以上に“もう一度このメンバーで一緒にやれる喜び”があるはずだ。




2017年には5thアルバム“WEATHER DIARIES”を発表し、ライヴを観られただけでなく、彼らの新曲まで聴けるなんて、想像もしていなかった。




彼らの歩みを僕は“RIDEという名の旅”のように感じている。




昨日には復帰作第2弾で、通算6枚目のアルバム『ディス・イズ・ノット・ア・セイフ・プレイス』を発表した。


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新譜を聴きながら、



『ああ~~、ライドを好きで本当に良かった……』



なんて感慨にふけっていた。




僕は、彼らの音楽と生き方から、多くのことを学び続けている。









Seagull (1990)
https://youtu.be/In9yq3oNqCg


Leave Them All Behind (LIVE1992)
https://youtu.be/E2jRRXou_D4


Charm Assault (2017)
https://youtu.be/nW_lRP2RqX8


Clouds Of Saint Marie (2019)
https://youtu.be/BRv1I2a8CFE


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T8/18 19:30-0:00

SANTANA(サンタナ)

どうも、皆さん。お久しぶりです。


最近になり、ようやくロック畑へと舞い戻ってきたシューゲさんです(笑)。


6~7月はほとんどジャズばかり聴いてたからね。







今回ご紹介するのはギタリストのカルロス・サンタナ率いる、その名も“サンタナ(SANTANA)”なのである。


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サンタナといえば“ラテンロック”と言われる音楽性で、コンガをはじめとする打楽器を用いた南米風のリズムを土台とし、そこにカルロス・サンタナのギターが縦横無尽に飛び交うのを専売特許としているバンドだ。




サンタナを知ったのは、確か1969年に行われた伝説の“ウッドストックフェスティバル”での映像で観たのが最初だったと記憶している。


当時の僕は60~70年代のロックを片っ端から聴いていたので、その勢いでサンタナの1stアルバムを購入した。




……しかし、初めて聴いた頃は『よく分からん』というのが正直な感想だったりする。

(こういうの、よくあります。笑)




どうにもこのアダルトな雰囲気というのか、当時の僕はロックに“ヤンチャさ”を求めていたところがあったんだろう。ローリング・ストーンズとかセックス・ピストルズみたいなね。


だけど、サンタナがやってる音楽や彼の佇まいってのは“大人が楽しむ音楽”という匂いがプンプンしていたというか。そんな感じだった。


そういうわけで、サンタナには苦手意識が僕の中に芽生えてしまい、長い間まともに聴くことが無かったのである。





そんな僕がサンタナの良さに気付いたキッカケが、初期フリートウッド・マックの代表曲“Black Magic Woman”のライヴバージョンを偶然耳にした時だ。


会社帰りの車中でFMラジオを流していたらこの曲が掛かり、そのまま音の世界にトリップしていったのを覚えている。


このライヴバージョンはメドレー形式になっていて、ストーンズの“Paint It Black”もやっていたのだが、それまで僕がサンタナに対して感じていた印象を覆してくれる演奏だった。


相変わらずラテンのリズムが鳴り響いていたが、サンタナのギターソロに導かれて曲が目まぐるしく変化していき、まるで渦巻くブラックホールにでも吸い込まれていきそうなトリップミュージックを展開していたのだ。

(注:このライヴバージョンはYouTubeにありませんでした)





この演奏をキッカケに、もう一度サンタナを真剣に聴こうと決め、丁度その頃輸入盤でスタジオアルバムが5枚入った“ORIGINAL ALBUM CLASSICS”が発売されていたので、購入し聴いていった。



その中の1枚にアルバム“CARAVANSERAI(キャラバンサライ)”が入っていて、もう、これを聴いた瞬間にサンタナがどれだけ凄いバンドなのかが思い知らされてしまった。


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キャラバンサライ』はアルバムを通して一大メドレー形式に仕上がっている。


再生した瞬間に虫の鳴き声が聴こえ、ジャケットに描かれているジプシーが“巡礼の旅”をしているかのような壮大さに満ち溢れていた。


ほとんどの楽曲がボーカル無しのインストゥルメンタルミュージックで占められていて、そんな中でもM5“Song Of The Wind(邦題『風は歌う』)”を聴いた時の衝撃は今も忘れられない。


この曲がアルバムのハイライトとなって、徐々に徐々に盛り上がっていく様は圧巻の一言だ。




キャラバンサライ』を中心に他のアルバムも聴いていき、それまでサンタナに抱いていた“ラテンロック”というイメージが見事に覆されていったのだ。



大体、音楽に限らず“本当に優れたもの”っていうのは、理屈じゃないと思うんだよね。


いろんな知識を得ることで、自分の中で固定観念が生まれ、何かと理由付けしたりウンチク垂れたりしてしまいがちになるけれど、ジャンルとか関係無しに響いてくるものっていうのがサンタナのギターや楽曲にはあるんだと感じた。




キャラバンサライ』は夏になると無性に聴きたくなる。


真夏の夜に聴く『風は歌う』のギターミュージックはこのクソ暑い毎日に一瞬の風が吹き抜けていく、そんなアルバムだ。









Song Of The Wind
https://youtu.be/XdmevPWZTRg


Take Me With You
https://youtu.be/r9njlPv9BPE


Black Magic Woman ~ Gypsy Queen(LIVE)
https://youtu.be/mgN1ORdG4P8


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T8/16 18:00-22:00

“読書と映画とビル・エヴァンスと”の巻

今回はまた思い付くままに書くので、面倒くさいと思われた方はスルーして下さい。











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(先日撮った写真です)



よく見ると虹が二重になっている。


“ダブルレインボー”というらしい。


これを見たのは人生でほんの数回しかないのでラッキー♪


……と思い、調べてみると、“今までの苦労が報われる”、“これから幸運が訪れる”という意味があるとのこと。



確かに、最近そんな感じかもな~~。







少し前のことだが、7月7日にシネリーブル梅田にて映画『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』を観賞した。


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映画の感想を書こうとしたが、どうにも上手くまとめられなかった。

それまでビル・エヴァンスのアルバムをまともに聴いたのって代表作の『ワルツ・フォー・デビィ』と『アンダーカレンツ』、それにマイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』ぐらい。

彼が生前に残した膨大な作品の、ほんの一部分しか知らなかったため、簡単に書けなかった。


多分、気取った文章を書こうと躍起になってたというか、背伸びして無理にやろうと考えていたのかもしれない。



感じたままにササッと書けば良かったんだろうけれど、ひとつのブログを書くのにかなりのエネルギーと時間を消費するため、“ササッと”というわけにはいかないのが本音だ。





最近、ブログ以外にも、部屋に居る時は執筆活動をしているので、気付いたら1日が終わっている、なんてことがある。



今は、執筆活動を最優先にしている。




“書く”だけでは表現力や創造力に限界があるから、間にひたすら読書をして、知識を得る。



読書だけでなく、映画やテレビから刺激を受けるよう、意識して観賞している。



そして、何よりも大事なのが、実際に人と会って話すこと。

これが一番の刺激になるし、深い話ができる人と一緒に居ることで、新たな気付きや発見がある。



そうやって外から得た知識や経験を、創作に生かしている。







書いて、読んでもらって、伝える。


自分の思い描いているものを理解してもらうってのは、本当に難しい。



ブログを書いてても、毎回頭を悩ませているし。


『どう表現したらちゃんと伝わるかな……』と。


実際に、今も悩みながら書いてるし(苦笑)。




だけど、やり甲斐がある。


まさか、自分が文章を書くようになるとは思いもしなかったし、苦しい時もたくさんあるけれど、それでも“表現する”ということが好きなんだろうな、きっと。


書き始めたら、自分が納得できるまで時間を忘れて書き続けているし。



終わったら全身の力が抜けて完全に脱力してしまう。



読んでくれてる人が人生の貴重な時間を費やしてくれてるんだから、自分はそれ以上のものを書かないといけない。僕はそう思って書いている。







……というワケで、今回はビル・エヴァンスの曲を。


読書中はジャズばかり流しているので。



では、これから執筆がんばります!









BILL EVANS TRIO / My Foolish Heart
https://youtu.be/g-jsW61e_-w


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T8/13 9:00-22:00

ノマル30周年記念イベント“30th-Miracle”(2019.7.20)

2019年7月20日(土)、大阪市内にあるノマル(Gallery Nomart)の30周年記念イベントへ行ってきた。


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ディレクターの林聡(はやし・さとし)さんが1989年に版画工房ノマルエディションを設立し、現在の“ギャラリーノマル”に改名したのは10年前の2009年だったとのこと。

今回はその版画工房ノマルエディションから数えて丁度30周年を迎えたイベントだ。



ノマルの存在を知ったのはアシッド・マザーズ・テンプル(Acid Mothers Temple、以下AMT)の河端一(かわばた・まこと)さん繋がりだった。

2017年の暮れにAMTのホームページを閲覧していた時、ギャラリーノマルという場所でライヴをやると知り、それから今日に至っている。




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大阪中之島美術館の菅谷富夫さんと芸術について熱く語り合い、時折笑いを交ぜながらも興味深い話をたくさん聴けて、特に“アートとお金について”の話はとても考えさせられた。





トークが終わり、引き続き.es(ドットエス)のピアニストであるsaraさんのソロライヴへ。


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この夜のsaraさんの演奏はシンプルで、だけど鍵盤とペダルだけでも“美”と“狂気”が混在するピアノを披露してくれた。

saraさんの演奏を聴きながらギャラリー内を見渡して思ったが、ここに何度も足を運んでいるうちに、自分の感性が以前にも増して何倍も研ぎ澄まされているように感じた。

それは、きっと林さんやドットエスのsaraさんと橋本孝之さん、ノマルのスタッフや作家さん達、そしてここに来ているお客さん達からいつもたくさん刺激をもらい、芸術だけでなく人生観についてまで深く考えるようになったからだろう。





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僕がノマルについて知っているのは、長い歴史の、ほんのごく一部分にしか過ぎない。



だけど、ここで体験してきたことは全てが特別で、それは今もずっと続いている。






オーナーの林さんに



「いつもたくさん学ばせて頂いてます。ここはもう、僕の中で“ホーム(家)”だと思っていますよ」



と、感謝の気持ちをお伝えした。








イベント中は毎日いろんなゲストの方が来られるので、出来る限り足を運び、楽しみながら学ばせて頂こうと思っている。






ノマル、30周年おめでとう!




そして、これからもよろしく!!







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T7/31 7:30-19:00

映画『ローズ』

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最近はピアノ曲を中心に聴いている。

ベット・ミドラー(Bette Midler)の“The Rose”を久々聴き、何度も聴いてるうちに涙が止まらなくなった。


そして、彼女が主演した映画『ローズ』を先日やっと観賞した。

お恥ずかしながらベット・ミドラーはこの曲しか知らなかったのだが、映画を観たら彼女のロックスターぶりに度肝を抜かれてしまい、それからはこの作品のサントラをひたすらリピートしている。



ジャニス・ジョプリンをモデルにした“ローズ”という人物の生き方は、正直すぎて、自分に嘘をつけられない人間だ。

自分勝手な振る舞いばかりするのでいつも周囲の人達を困らせてしまい、その度に「どうして分かってくれないの?」と泣き叫ぶため、誰も彼女に付いていけなくなり、孤独になってしまう。


映画を観ていて『誰もこんなワガママなやつに付いていけるわけないよなぁ……』と思っていたが、それと同時に『俺も20歳前後の頃はこんな感じやったな……』と、何だかローズというキャラクターに妙に共感してしまっていた。


愛情に飢えていて、いつも他人の愛を欲しているせいで周りが見えなくなっている、刹那的な生き方しかできない人。

俺にも似たところがあるから彼女の気持ちってすごくよく分かるんだけど、さすがに人生経験積んできたからな。




……と、そう思いながらも、最近の出来事を思い返してみると、やっぱり俺も自己中心的でワガママな人間なんやろな。

なんて思い当たる節があったりするから、他人のことを偉そうに言えなかったりするのである(汗)。



今なら『もうちょっと相手の気持ちになって考えてあげようよ』と言いたくなるシーンばかりなのだが、『人間って皆こういうもんなのかもな』なんてことも思ってしまった。



映画を観ていて感じたのは、『こういう生き方しかできない人ってのがいるんだよ』ってことで、それは自分にも少なからず当てはまるんだろう。


今の自分は以前に比べて他人の気持ちを深く考えられるようにはなったと思っているけれど、人間って誰しも完璧じゃないしね。社会の中で生きて、他人と関わっていれば必ずいざこざはあるし、誰も傷つかせない人なんているわけ無いし。




色々書いたけど、まあ、人間には“愛”が必要なんだということ。


これは間違いないね。










Bette Midler / The Rose
https://youtu.be/CB4EgdpYlnk


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T7/21 11:00-22:00

HURRICANE#1 / Only The Strongest Will Survive(1999)

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ライド(RIDE)のギター/ボーカルを担当していたアンディ・ベルが96年に一度バンドを解散し、新たに結成したのがHurricane#1(「ハリケーン・ナンバーワン」と読む)で、今回はこのバンドが99年にリリースした2ndフルアルバム“ONLY THE STRONGEST WILL SURVIVE”について書いていく。



ライド在籍中からギャラガー兄弟率いるオアシスへの憧れが強かったアンディ・ベル。

94年に行われたライドのライヴCDを所有しているが、この頃のアンディの歌い方はガナリ気味で、聴いてると『ああ、オアシスになりたかったんだな……』というのがひしひしと伝わってくる。

ただ、甘いメロディーを奏でるライドの音楽性と、アンディともう一人のボーカリストであるマーク・ガードナーの二人は浮遊感漂うドリーミーな歌唱法なせいもあり、オアシスのリアム・ギャラガーのような典型的な“ロックボーカリスト”とはあまりにもかけ離れているので、この頃のライヴでの歌い方は違和感しかなかった。


ハリケーン#1がデビューした当時のインタビュー記事を読むと、ライド在籍中のアンディは「これはライドの曲ではないからボツにしなきゃ」と出来上がった楽曲を取捨選択していたのが分かる。

アンディやマーク・ガードナーの歌声ではストレートなロックンロールをやるには野性的なパワーに欠けるし、理想とする音を出せていない現実にフラストレーションが溜まりに溜まっていたんだろう。



そんなわけで、ライド解散後すぐに結成されたハリケーン#1は“オアシスに憧れていた”アンディ・ベルが、オーディションで選んだアレックス・ロウをボーカリストに迎え入れた“ロックンロール・バンド”だ。


97年に発表した1stアルバムは全英1位を獲得し、オアシスのような(……というか、影響受けまくり!)サウンドを鳴らしていて、特にアレックス・ロウの歌声はロッド・スチュワートリアム・ギャラガーを足して割ったようだった。

ロッド・スチュワートのしゃがれたハスキーボイスに、リアム・ギャラガーの声を合わせ持ったアレックス・ロウの歌声、これがめちゃくちゃカッコイイ。



しかし、1stに収録されている楽曲は“超名曲”と“並の曲”が両極端だと感じていて、アルバムの完成度でいえば圧倒的に2ndの方が良いと思っている。




……ただし、これまた厄介なことに、この2ndもまた“煮え切らないアルバム”なのも事実だ。


それは、先行シングルカットされた2曲(“Rising Sign”と“Only The Strongest Will Survive”)はアルバム用に新たにリミックスされていて、しかもその出来映えがシングルバージョンよりも悪くなっていたという……(泣)。


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(“Rising Sign”シングル)


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(“Only The Strongest Will Survive”シングル)


この2曲のシングルバージョンは本当に超名曲で、特に“Rising Sign”は最強のロックナンバーのひとつだというぐらい気に入ってるし、今でもたまに無性に聴きたくなりCDをラックから取り出すほどだ。

“Only The Strongest Will Survive”のシングル盤は民族風にアレンジが施され、しっとりとした音作りは南国にでも居るかのような爽やかな風を感じさせてくれる。

そして何よりも驚きなのが、このシングル2曲は9分近くもある長尺曲であるにも関わらず、最後までグイグイと引っ張り全く飽きさせない力がある。



……ちなみに“Rising Sign”のアルバムバージョンはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインケヴィン・シールズがリミックスを担当しているが、この出来がなぁ~~……。


『ケヴィン先生、やっちゃったよ!!』と思ってしまったほどのモノである(汗)。




シングルバージョンの2曲ばかり書いてしまったけれど、この2ndアルバムには他にもかなりの名曲が散りばめられている。

“Rising Sign”と双璧を成す名曲“Separation Sunday”をはじめ、ストーンズ在籍時代のミック・テイラーを彷彿とさせるギターを堪能できる“What Do I Know ?”、それに、当時のアンディ・ベルの奥さんでモデル兼ミュージシャンだったイーダがバッキング・ボーカルを務めている“Afterhours”など、どれも本当に素晴らしい。





この2ndは評論家からの評判が悪かったようで、傷ついたアンディ・ベルはアルバム発売後すぐオアシスに加入し(しかもベーシストで!)、そのままハリケーン#1は解散してしまった。

(現在はアンディ抜きで再結成し、アレックス・ロウは新しいメンバー達と一緒に活動している)






このアルバムは今でも思い出してはよく聴くし、2枚のシングルも一緒に聴いている。


そして、聴くたびにいつも『もし俺がこのアルバムのプロデューサーなら、“Rising Sign”と“Only The Strongest Will Survive”の2曲は絶対にシングルバージョンを入れてるだろうな』なんてことを考えてしまうのである。




良いアルバムなんだけどなぁ……。



“名盤になりそこねたアルバム”なんだよな。



ホント、勿体無い。










Rising Sign(Single Version)
https://youtu.be/rE5MvOW4Mzk


Only The Strongest Will Survive(Single Version)
https://youtu.be/WdEAtaI2ZfU


Separation Sunday
https://youtu.be/GYsvvpGtBhQ


What Do I Know?
https://youtu.be/ICiHnC0z7NQ


Afterhours
https://youtu.be/RKaNDAWU5SU


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T7/16 0:00-12:00

THE ROLLING STONES / Angie

……なんか昨夜のブログで「EL TEN ELEVENのことを書く」とか言ってたけど、先ほど京都テレビの『洋楽天国+』でローリング・ストーンズ特集をやっていたので、急遽予定変更!(笑)

番組内でストーンズのPVをひたすら流していたが(地上波で珍しい!)、約50分の放送で、しかもCM入りまくりだったので彼らの歴史のほんの一部しか流れていなかった(当たり前だけど……)。



そんな中でも特に印象に残ったのが、番組の最後に流れた“Angie(邦題『悲しみのアンジー』)”で、この曲は73年に発表された当時、レコードが100万枚以上も売れて、ここ日本でも和製フォークブームに乗っかってヒットした楽曲だ。



確かに『悲しみのアンジー』は名曲だし、それに異論は無いんだけれど、ちょっと待てえぇぇ~~~~いぃぃっ!!

ストーンズにはライヴで演奏されない隠れた超名曲がたくさんあるのをファンは知っているし、特にスローナンバーやバラードは秀でている楽曲が多いから、『アンジー』ばかりが世間で取り上げられるのはどうかと俺なんかは思うんよね。

当ブログでも以前紹介した“Winter”や“Time Waits For No One”、それに“Wild Horses”や“Moonlight Mile”なんかは個人的には『アンジー』よりも好きだったりするのだが……。

ラジオ受けするかとか、シングル向けかとか、そんなんで一般のリスナーに知れ渡らないってのがあるんだろうな、う~~む……。




まあ、そんな感じで『悲しみのアンジー』は僕の中では“特別好きなストーンズのバラード”ってワケでも無かったし、他にも素晴らしい楽曲があるんだぞ!……と言いたくなるんだけど、それでも今回この番組で久々『アンジー』のPVを観ていたら、『やっぱ名曲やわぁ~~』と思ってしまったのである、うむ(笑)。




いずれ“個人的に好きなストーンズの名バラードランキング”をやりたいと思っているが、その前に他のバンドを色々紹介したいので、7月もお楽しみに♪(笑)











Angie(Version1)
https://youtu.be/RcZn2-bGXqQ


Angie(Version2)
https://youtu.be/GlSbQNHHy50


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T7/5 7:30-9:00

“人生のリセット”の巻

久しぶりのブログです。


何書こうかな~~と考えていたが、最近の出来事を少し振り返ってみようと思う。


なので、音楽の話は今回無し!









先週、ちょっとした一人旅に出ていた。


以前からやってみたかったんだけど、タイミング的にも「今だ!」と思ったので、ぶら~~っと気の向くままに、目的も無く行ってきた。


ただ、自分のことを誰も知らない場所へ行きたかった。


何というか、今ある全ての物事から一旦距離を置いて解放されたくなった。




思いつきで荷造りして、一人で行けるところまで行ってみよう。

そんなノリだったので、向かった先で「さあ、これから何処へ行こうかな」とその時の気分で勢いに任せるようにした。



今までの半生を振り返ってみると、ずっと『これをやらなきゃ』とか『こうしなきゃいけない』なんてことにいちいち拘りすぎていた気がする。


どこに行くのも、何をするにも、誰かに合わせて付いて行ったり。


そうでなくても、決められた場所に向かうだけだったり。


それはそれで楽しいけれど、今回のようにあても無く旅に出るってのはドキドキ感やワクワク感が何十倍もあった。


次に何が起こるか分からない、どんな体験ができるか分からない、未知の世界に入り込む感じ。




こうやって一旦立ち止まって人生を見直すのってすごく大事だと思ったね。







この6月も色々ありすぎて、本当に自分の人生は波乱万丈…………というか波乱づくしなんだけど、今はそれすらも楽しめている僕がいる。



ホンマ、なかなか濃い~~~~人生やわ(笑)。








明日で6月も終わりか……。


1ヶ月の最後ぐらいはまたいつものような音楽記事をアップするので、お楽しみに!


明日書く予定のバンドの音源を1曲だけ先に載せときます。


最近のお気に入り♪










EL TEN ELEVEN / Fanshawe
https://youtu.be/rdDPHbjyApw


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T6/30 0:00-21:00

THE SMITHS(ザ・スミス)

今回は80年代のイギリスを代表するバンド、ザ・スミス(THE SMITHS)について。

というのも、昨日(2019年6月5日)に大阪ステーションシネマにて公開中の映画『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』を観賞したので、映画の感想も交えつつ僕なりに“ザ・スミス”をここらで書いていこうと思う。




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僕がザ・スミスを知ったのは、確かストーン・ローゼズのインタビュー記事からだったと記憶している。インタビュアーとのやり取りの中で“ザ・スミス”という名前を何度か目にしていたので、そこから興味を持ったんだろう。

それまで80年代のバンドといえばガンズ&ローゼズのような所謂(いわゆる)“産業ロック”と言われるものばかりが巷で流れていて、僕自身も好んで聴いていた。

そんな僕が、ストーン・ローゼズがキッカケとなり、インディーシーンと呼ばれる少々マニアックな、だけどメジャーレーベルのバンドには無い、何だか生々しくてリアルに響く世界観というか音作りに惹かれてしまった。

まあ、こういうところが自分でも捻くれているんだと思っている(笑)。





そんなワケで、ザ・スミスの1st“The Smiths”、2nd“Meat Is Murder”、3rd“The Queen Is Dead”、そして編集盤“Louder Than Bombs”をほぼ同時に購入し、聴いていく。




しかし、タイトルを見た時点で『このバンドは危ない……』と思ってしまった。



“Meat Is Murder(食肉は殺戮だ)”、“The Queen Is Dead(女王は死んだ)”というアルバムタイトル。


シングル“Panic”では、軽快なリズムとメロディーに合わせて“Hang the DJ!(DJを絞首刑にしろ!)”というフレーズをボーカルのモリッシーが子どもとシンガロングしているのを聴いた時は、『まともな神経の持ち主じゃない』と思ってしまったのは当然だろう。






そして、トドメとなったのが彼らのアルバムに書かれていた日本語のライナーノーツの一文。2ndアルバムの最後に



“なお、この時点で自殺したスミス信者は6人になる”



これを読んだ瞬間、『ザ・スミスに本気になると、自分もこうなる』と感じてしまい、すぐさまスミスのアルバムを全て処分した。




十代の頃の僕は感化されやすい性格だったし、ロックンロールが孤独だった自分を救ってくれていたので、音楽に対する依存度も尋常ではなかった。

そんな状態でこのザ・スミスイアン・カーティス率いるジョイ・ディヴィジョンにのめり込むのは恐怖以外の何物でもなかった。




彼らの、特にボーカルのモリッシーの言葉って、ほとんど聴き取れなくても、歌ってる内容もほとんど分からなくても、伝わってくるものがあったんだろう。

どんなに美しいメロディーで着飾っても、彼が放つ強烈な“毒”は拭いきれない。

ずっと音と向き合っていると、その“人となり”というか、“人間”が見える瞬間があって、モリッシーの持つ毒に当時の僕が付いていける心の余裕なんて無かった。





それからはザ・スミスを聴いても、深いところまで聴き込まないようにしていた。



それでも、彼らが素晴らしい楽曲を残していたのは間違いないし、聴けばジョニー・マーが奏でる繊細なメロディーはやはり秀逸だ。

そして、モリッシーの“ヨーデル唱法”ともいえるあの独特な歌い方は超個性的だし、こんなバンドは他に無い。







どう考えても凄いしロック史に残るバンドだと分かっているんだけど、初めて本気でこのバンドに惹かれたのは、昨夜観た映画『イングランド・イズ・マイン』のおかげかもしれない。


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ザ・スミス結成前のモリッシーを描いた映画で、ひたすら暗くて孤独な物語だった。

史実とは違う部分もあるとのことだが、それでもこの作品からは“ザ・スミス愛”が感じられたし、僕みたいにハンパな気持ちでこのバンドを聴いている人をも惹き付けてくれた。

何故、モリッシーがあんな“毒”を持つようになったか。映画を観て、初めて理解できた。


ティーブン・モリッシーという人間が現実に合わせられず、打ちのめされるだけ打ちのめされて、神経をズタズタに破壊されていく。


最後には、ある種の開き直りがあったんだろう。



その姿は、『もう、これしか無い』って感じだ。





この映画を観て、僕は初めてザ・スミスを本当に好きになったような気がする。










This Charming Man
https://youtu.be/cJRP3LRcUFg


Hand In Glove
https://youtu.be/hcys6BMJ5Vw


The Queen Is Dead
~ There Is A Light That Never Goes Out
~Panic
https://youtu.be/YS3UMjNUqFM


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T6/8 16:00-0:00

THE VERVE / VERVE E.P.(1992)

この5月はほとんど読書ばかりして過ごしていたので、そんな時にBGMとしてロックを流すと、どうやら自分の耳が“ロック耳”になっているようで、音にばかり意識が集中してしまう。

そりゃ~もう何年もの間ロックを中心に音楽をずっと聴き続けてきたんだから、自然とそうなっていたのは何ら不思議ではないか。……なんて妙に納得していたのである(笑)。

読書(特に小説)に集中するのにジャズが自分には最適だと感じていて、アダルトな雰囲気が本の世界により入り込みやすくしてくれていたのかもしれない。







……というわけで、最近はロックを聴いてなかったが、そんな僕を再び引きずり戻してくれたのがイギリスはウィガン出身のザ・ヴァーヴ(THE VERVE)の初期作品で、今週に入ってからはヴァーヴとボーカリストであるリチャード・アシュクロフトのソロ作品ばかり聴いて過ごしている。


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1年ほど前にもヴァーヴのことを書いたけど、あの記事はあんまり良くなかったんで(汗)、今回は彼らの初期作品についてじっくり考察してみようと思う。



僕にとってヴァーヴというバンドは“最強のサイケデリックバンド”のひとつだし、今回改めて聴き直してみて、初期の彼らがやっていた音楽というのは他に例を見ないほど稀有な存在だと感じた。

こういう音楽性とポテンシャルの高さで同等のレベルにあるバンドといえば、これも以前に書いた初期マーキュリー・レヴぐらいしか思い浮かばない。




1stアルバムを世に出す前年の92年に3枚のシングル(“All In The Mind”、“She's A Superstar”、“Gravity Grave”)を立て続けに発表したが、今では貴重な品なので、僕が今手元に持っているこれらの音源は編集盤やベスト盤で聴いている。


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(VERVE E.P.)


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(NO COME DOWN(B SIDES & OUTTAKES))


この2枚と2005年に発売されたベスト盤で初期の音源が網羅できる。




ヴァーヴはデビュー当時から1stフルアルバムまではそうとう“イッちゃってる音楽”をやっていた人達で、実際にメンバーもそうとうイッちゃってた人達とのことだ。

まあ、そうでなければこんなヤバい音楽を生み出すことなんて絶対に出来ないし、それに音を聴いているだけでも個々のメンバーがどれだけアクが強くて個性的なのかが伝わってくる。

メンバー全員の技量も申し分無いし、とりわけギターのニック・マッケイヴは90年代にデビューしたギタリストの中で一番個性的な音を出すミュージシャンだと思っている。

それに、初期ヴァーヴの一番の特長として僕が感じているのは、妖しい音楽なのに“メロディーがしっかりしている”ということだ。やはりこれは、彼らが英国ロックの伝統をしっかりと受け継いでいるからに他ならない。




幻覚・幻聴を感じさせるサイケデリックミュージックに耳馴染みの良いメロディーを混ぜ合わせた彼らの音は、今聴いても唯一無二の存在だ。









All In The Mind
https://youtu.be/S_3GqfaOKBY


One Way To Go
https://youtu.be/6dMYO4W61e8


She's A Superstar
https://youtu.be/1xIGyp9efXU


Gravity Grave
https://youtu.be/66Hu-tx1urg


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T6/4 19:30-23:00

“苦しみと優しさの交響曲”の巻

どうにもブログの間隔が空きすぎている。

書けることもあるはずなのに、まとまらない。

ちょっと今現在の頭の中を整理してみようと思う。



超個人的な話だし、暗い内容なので、読みたくない方は絶対スルー!!









久しぶりに酒を呑んでいる。

先日行われたジーザス&メリー・チェインのライヴで久々に呑んでから、勢いがついたのかもしれない。

酒で羽目外しまくった過去があるから、それ以来、呑まなくなってたんだけどなぁ……。

久々に『死ぬまで呑んでやろうか』という気分になってしまった。






どうしようもない孤独、不安。

普段は気にしないようにしていたことが、一気に襲いかかってきた感じだ。

少し前に書いたけど、これを乗り越えるのがなぁ……。




ちょっとした一言で誤解を招く。

僕自身、今までたくさん傷つけられてきた。

そして、たくさん傷つけてきた。





ホント、ちょっとした一言。

それで、それまでの評価が180度変わってしまうこともある。




だけど、しょうがない。

無難な発言ばかりしていれば『どうでもいい奴』になるし、そんなのは居ても居なくてもどっちでも良い人だ。



しかし、言い過ぎるとトラブルの原因になってしまう。



よく友達のEさんと「何でも“バランス”が大事」だという話をするけど、ホントそう思う。


自分は100%完璧な人間じゃないから羽目を外すこともあるし、失言することもある。そして、それは他の人にも当てはまる。

だけど、失言や失態で失った信用は、なかなか元には戻せないのも知っている。



そんな時に自暴自棄になる。





何だかワケが分からなくなり、アルコールに逃げたのかもしれない。





何となく“Better Sweet Symphony”を聴きたくなってしまった。



“苦しみと優しさの交響曲”。











THE VERVE / Better Sweet Symphony
https://youtu.be/1lyu1KKwC74


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T 5/29 16:00-19:00